ライプツィヒの夏

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

「拉致対論」を読む

2009-11-23 23:22:52 | 書評
昨日の日曜日、このブログのアクセスを解析したら、土曜日のアクセス数が非常に多いのに驚きました。

トレイシーになんかあったのかなと思ったのですが、確認したら、蓮池透さんの記事に対するアクセスが多かったのです。

このブログはアクセス数を対外的に公表しない仕様にしているのですが、数をあえて書くと1122IPの閲覧があり、gooブログ全体でこの日の255位のアクセス数でした。とでした。ふだんより非常に多い数であると書いておきます。

つまり一部の方がはてなのブックマークに拙記事を紹介してくださり、そこからいろいろな方が遊びに来てくださったわけです。ブログ管理人として、感謝の言葉もありません。

それにしても、はてなブックマークの力恐るべしですね。kojitakenさんなど、尊敬するブロガーの方々からもブックマークをいただきました。

しかしこの記事は、buhikunさんからいただいた情報で、こちらのサイトに飛び、その情報を私なりに若干の整理と解釈を加えたものですから、正直申し訳ないなという気もします。buhikunさんにあらためて感謝します。

さて、本題です。

つい昨日、蓮池透氏と太田昌国氏による対談をまとめた「拉致対論」を読みました。



一方の対話者である太田氏は、かつて「「拉致」異論」という本を出版して、蓮池氏や増元照明氏らの言動を批判しています。そのような関係にあった2人が拉致問題について討論しようというのですから、いろいろ興味深いところです。

それはそうと、蓮池氏についてのwikipediaの記事で、こちらの部分に私は失笑しました。

>また、蓮池の言動の変化の裏には、蓮池自身の女性関係が関係しているとの向きもある[3]。

真相は知りませんが、いいじゃないですか、それくらい。要は、言動が妥当かどうかを判断すればいいだけなんですから。

なお、今回はカテゴリーを「書評」としましたが、私が印象に残った部分を引用するという形にします。

>私たちは、「自分は被害者だ」ということのみを前面に出して、胸を張っていたんです。今になって考えてみると、それは被害者とは言えない姿だったと思います。日本中にも世界中にも様々な被害者がいます。にもかかわらず、拉致被害者の家族というだけで、自分たちが一番の悲劇のヒーロー、広いんだという錯覚に陥っていたというところがあると思います。時間的余裕がありませんでしたし、周りに煽られたということもありました。
時間がたつに従って、そういう言動をとっていたら世間の信用や支援を受けられないのではないかということに気づいたんです。(p.23 蓮池氏の発言)

>なぜ私が変わったのか、いつがターニングポイントなのかというのは一概には言えませんが、一つには救う会アレルギーみたいなものが出てきたんです。善意の裏に北朝鮮打倒という強い目的が見えたということでしょうか。ちょっと時間は前後しますが、兵本(達吉)さんが佐藤(勝巳)さんに訊いたらしいんです。「本当に拉致被害者が生きているのか?」と。そうしたら佐藤さんが、「死んだなんて言ったらあいつらついて来ないぞ」と答えたそうです。(p.35 蓮池氏の発言 かっこ内は引用者の補足)

>最初は「救ってくれ」という署名の嘆願書だったのが、「制裁しろ」に変わったんです。「経済制裁」と言い出したのは、救う会です。日本政府じゃありませんよ。(p.41 蓮池氏の発言)

>拉致被害者の家族会は、これらの先例とは性格を異にしているが、まれに見る「国民的基盤」を持った圧力団体だと思います。(中略)なぜなら、家族会は、私が先に触れた「歴史的思考」を欠いたまま、偏狭なナショナリズムに依拠した運動方針を堅持しているので、その限りでみんな乗りやすいのです。(p.54 太田氏の発言)

>イデオロギーに呪縛された人々は、独特の偏狭さと独善性を見せてしまうところがあります。(中略)右翼イデオロギーのために、拉致問題という、本来的には人権問題として解決されるべき問題を利用してしまった。家族会の方たちが、ほかに頼るべきものがなかったが故にその中で動かざるを得なかったというのが、私は非常に不幸なことだったと思います。(p.99 太田氏の発言)

>横田早紀江さんが合衆国を訪問してブッシュ大統領に会えるように動いたのは安倍晋三氏だと思いますが、そんなことを一生懸命やるくらいなら、安倍氏自身が北朝鮮とはっきり向き合って、何を交渉すべきかを考えるべきでした。横田早紀江さんがブッシュに会いましたが、アフガニスタンとイラクなどでとんでもない一方的な殺戮戦争を命令している人間に同情的な言葉を言われたって何にもならない、しらけるばかりだと、私はあの大袈裟な報道を見ながら思っていました。あの恐るべき軍事作戦を指令している男に、「人権問題は大事だ」と言われたところで。(p.138〜p.139 太田氏の発言)

>ブッシュ大統領と横田早紀江さんが会っても、ブッシュ氏は「横田早紀江」という名前すら覚えていなかったのですから。「マザー」と呼んでいましたね。本当に拉致問題について考えているのであれば、「早紀江」「横田」という言葉が出てきてもいいと思います。ところがブッシュ氏の口からは「めぐみさん」という言葉すら出てきませんでした。ブッシュ氏との会見は、パフォーマンスに過ぎなかったんです。それをあたかも問題解決へ向けた進歩であるかのように、大々的に取り上げるマスコミもどうかと思います。(p.141〜p.142 蓮池氏の発言)

>彼(安倍晋三)はいちばん家族会を利用した政治家で、家族会を前面に出して自分が後から付いていくというやり方で総理にまでなった人です。総理になった後は、家族会に対してはご機嫌とりしかありませんでした。(p.163 蓮池氏の発言 かっこ内は引用者の補足)


ほかにもまだまだたくさんありますが、きりがないのでここで引用・紹介はやめます。正直私が前々から主張してきたことを語っているところもあるのですが、私のような部外者でなく拉致被害者家族の当事者である蓮池氏が語ってくれているのは、当方としても非常にありがたいというか、感銘をうけるところがあります。 

それにしても、これらの蓮池、太田両氏の発言と比較すると、このブログでも紹介した荒木和博の

>アメリカが朝鮮半島に軍事力を行使する可能性は、もはやジンバブエがアイスランドに侵攻する可能性より低いのではないでしょうか、直接ミサイルでも撃ち込まれれば別ですが。もういい加減「自分でやらなければ」と心に決めるときではないかと思います。まだ分からないのなら、金正日に頼んでまたミサイルを撃ってもらいましょうか。

という発言や

増元照明氏の

>最後に、私は「村山談話なるものは、国益を損なう最たる発言である」と感じているし、主催者の趣旨(村山談話を破棄する)には賛意を唱えたい。


さらに島田洋一の

>私は、アメリカでは米共和党のレーガンナイツ(レーガン派)が最も信頼できる勢力だと思っています。ロナルド・レーガンの政治理念に強く共鳴する人たちと緩やかに定義しておきますが、ブッシュ、チェイニーもそこに含まれるでしょう。彼らは、自由主義と民主性を世界に浸透させることが、正義に立脚した平和につながるという信念の下、外交戦略を立てています。色々混乱もありますが、少なくとも、彼らをひとくくりに「ネオコン」と揶揄する機会主義的なリベラル派などよりは、はるかに信用できると思います。


横田早紀江さんの

>願わくば小泉首相も、せめてブッシュ大統領の半分でもいいから拉致問題への情熱を持っていただければと思っています。


櫻井よしこの

>自国民の尊厳と自由を第一とすべき宰相の器とは思えない、ブッシュ大統領とは対照的な反応です。今回のブッシュ大統領の発言は、小泉首相にとって強烈なパンチになったことでしょう。


などの程度の低い発言との差はひどいですね。比較するだけ馬鹿と言ってしまえばそれまでですが、ちょっと質が低すぎるんじゃないんですかというところです。荒木や島田や櫻井なんか、どうでもいいですが、拉致被害者家族である増元氏や横田さんらの勘違い発言は、もう少し何とかしなければいけませんね。

以上、もちろん蓮池さんの考えに賛成しかねる方々は(巣食う会や家族会以外にも)たくさんいるでしょうし、それを支持する私の記事にも不快感を持つ方も少なくないと思います。そういう方は、ぜひブログなりなんなりで、ご意見を明らかにしてくれませんかね? 私も勉強不足でわからないことがたくさんありますから、ぜひ参考にさせていただきたいので、お書きになったら当方まで連絡していただければ幸いです。こちらの記事のコメント欄でもメール:mccrearyアットmail.goo.ne.jp(アットは、いうまでもなく@)でも結構です。よろしくお願いします。

なお、例によって櫻井とか島田とか荒木といった人たちに敬称を付ける気がしませんので略します。また、上に引用した発言は、荒木の発言はこちら、増元氏の発言はこちら、島田、横田さん、櫻井の発言はこちらで記事に引用しています。
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