ライプツィヒの夏

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

右翼も産経新聞も自民党も、どれだけ安倍晋三に甘いんだか

2010-08-21 05:32:35 | 社会時評
昨日の記事でも書きました通り、産経新聞などが民主党政権の菅首相および内閣のメンバーが靖国神社参拝を見送ったことに苦言を呈しています。

菅さんが靖国参拝を見送るのは最初から予想できましたし、自民党政権だって首相で靖国に参拝したのは、最近の首相でいえば小泉さんのみ、その前は橋本さんで、安倍ですら参拝しなかったんですから、これは「お約束」の苦言というものでしょう。

さてさて、鳩山さんが仮にいまでも首相をしていたとしても、彼が参拝したとは考えにくいし、福田さんもご同様、麻生さんは選挙がやばすぎて、とてもそんなことをする余裕はなしというところです。これは、いわばはじめからほぼ確実に予想できたことで、産経だって「お約束」で騒いだだけでしょう。

で、そうすると問題なのが安倍晋三です。

安倍は、2007年の夏、靖国神社に参拝するにいたりませんでした。彼は最初(で最後w.)のチャンスを逃したわけです。

菅とか福田とかいう人たちが靖国なんかに参拝しないことは最初から予想できたことですが、安倍はねえ、本人だって首相の立場で参拝したくてしたくて仕方なかったはずで、それができなかったのは彼にとっては痛恨の極み(馬鹿)でしょうね。

しかし、私はこの時彼が靖国参拝を見送ったのはきわめて妥当な判断だったと思います。参議院選挙であそこまで負けて、それで靖国なんか参拝していたら、ほとんど「殿ご乱心」でしょう(安倍はいつだって「ご乱心」だけどね)。

本人の意思でしなかったのか、ブレーンや側近の判断で見送ったのかは知りませんが、ともかくこの時の彼は、「どうせ自分は遅かれ早かれ辞任を余儀なくされるんだから、いまのうちに好きなことをしておけ」とは考えずに我慢したわけです。それは、安倍にしては常識的な判断で、まことにけっこうなことです。

しかし、右翼の人たちからすれば、安倍のこの行動はひどい失望、裏切りですよねえ。安倍が首相になった要因としては、前任者の小泉氏が安倍を強くおしたこと(彼も、安倍があそこまで無能だとは思っていなかったんでしょうね)、北朝鮮拉致問題で、安倍が対北強硬派のイメージがあり国民が支持したこと(実際には朝鮮総聯へのいやがらせくらいしかしなかったけどね)、あるいは安倍に清新(馬鹿だね、本気でこいつをそんな風に考えた人って)なイメージや毛並みの良さ(語ることばなし)が支持されたとかいろいろあったんでしょうが、もちろん私は、安倍なんてどうしようもない人間だって知っていましたから、安倍を支持していた(らしい)人たちを「しょうがねえな」と考ていましたが、私もひどく誤っていたことを後日気づきました。こいつがあんな本当の馬鹿だとは考えていませんでした(笑)。

ともかく、安倍は自分の保身のために靖国参拝を見送ったわけで、それは日本社会のトータルの利益を考えれば私は妥当な判断だったと思いますが、しかし右翼や靖国神社自体からすれば、これはかなりの裏切り(笑)で、侮辱だと思います。

しかるになぜか、安倍にたいしては右翼も産経新聞も異常に寛容なんですよね。

桜井よしこのブログの記事を引用しましょう。

こちらは安倍が辞任した際の記事です。

> 「 信念と行動が大きく乖離した安倍首相の“曖昧路線”外交が残した痕跡の大きさ 」
2007年09月22日
政治・選挙

『週刊ダイヤモンド』    2007年9月22日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 707


安倍晋三首相の突然の辞任は、首相自身の考え方や思惑とはまったく別に、首相の目指した戦後体制からの脱却を頓挫させ、日本を一時的に古い日本に逆戻りさせる可能性がある。喫緊の課題であるテロ対策特別措置法の延長問題も、なお混乱させる可能性がある。

首相就任以降の足跡の特徴は、これが自らの信念だと主張してきた内容と現実の行動が、非常に重要な、少なからぬ点において大きくかけ離れていることだ。

それらはたとえば、河野談話の継続であり、祖父・岸信介の否定である。いずれも、安倍首相の、日本の歴史に関する見方や価値観の、まさに中核を成す重要事である。そうした点について、首相就任前と後で正反対の考えを示したことは、中国に対する外交姿勢にも影を落とした。

首相就任以前は、指導者として、日本に殉じた人びとへの感謝と慰霊のために、靖国神社に参拝するのは当然の責務であると公言していた首相は、首相就任の可能性が現実味を帯びるにつれ、参拝するかしないかを明らかにしないという、いわゆる曖昧(あいまい)路線を採り始めた。どのような当面の政治事情があるにせよ、曖昧路線は、戦後体制、つまり第二次世界大戦も日中戦争も、すべて日本ひとりがひたすら反省すべきことなのであり、相手国にはその必要はないという日本加害者論からの脱却を否定するものだ。

安倍首相はそのようなかたちで訪中した。小泉純一郎前首相とのあいだで生じた摩擦を乗り越えて、日中関係を改善に導く首脳会談ではあった。だが、安倍対中外交は当初から、半ば以上、中国の舞台に乗っていたのである。

今年八月一五日の靖国神社参拝は、中国の舞台で展開された日中外交の実態を雄弁に物語っていた。安倍内閣の閣僚は、高市早苗氏を除いて、全員が参拝を見送ったのだ。高市氏さえも当初は参拝する予定はなかったのだが、自民党の島村宜伸氏が、内閣全員が参拝しないという“異常事態”に気づいて急きょ、高市氏に参拝を依頼した経緯があった。

閣僚たちは明らかに、安倍首相の意向や顔色を見ていたと思われる。安倍首相の対中外交に配慮したのである。靖国神社を避けることは、歴史問題において日本の主張を展開しないことを意味する。安倍首相が打破したいと願ってきた戦後体制のなかに沈み込んでしまうことにほかならない。

中国は、日本コントロールの手段として歴史問題を活用してきた。「押せば退く日本の国柄」を利用して、日本を屈服させることが中国の国益にかなうと分析し、「押す」ときの材料として「歴史問題が最善である」と結論づけたのが一九九八年の夏だった。この点は昨年出版された『江沢民文選』にも記述されている。安倍首相の曖昧路線外交は、まさにその中国の戦略にはまるものだった。かくして安倍首相は、強固だと思われたその志とは裏腹に、首相在任中一度も靖国神社への参拝を果たさずに終わった。

テロ特措法について、小沢一郎・民主党代表が話し合いに応じないのを直接のきっかけとして辞任したという。だが辞任は、同法の延長に関してなんの展望も開いてはくれない。むしろ民主党を勢いづけることによって、事態が混乱することが見て取れる。問題はより複雑になったのである。

国会での混乱は衆議院の解散、総選挙への動きを加速する要因となろう。その場合、民主党に政権が移る可能性は低くはない。政策を見れば、民主党が安倍首相の一連の価値観を否定するのは明らかだ。安倍首相は結果として、戦後体制からの脱却を当面不可能にする役割を演じたことになる。じつに皮肉なことである。

精根尽きて倒れるところまで闘えば、このような事態は避けられたと考えられる。きわめて残念なことだ。


批判はしているけど甘いですね(笑)。だいたい

>精根尽きて倒れるところまで闘えば、このような事態は避けられたと考えられる。きわめて残念なことだ。

って、安倍にそんな根性あるわけないじゃん(笑)。

>安倍首相の対中外交に配慮したのである。靖国神社を避けることは、歴史問題において日本の主張を展開しないことを意味する。安倍首相が打破したいと願ってきた戦後体制のなかに沈み込んでしまうことにほかならない。

要は安倍は、自分の保身に動いたってことでしょ。そんなヘタレ野郎をどうして櫻井は、2010年にもなって

>保守の議席を増やすには小異を捨てて大同につくことが必要です。例えば、東京で平沼さんと山田さんが同じ選挙カーに乗って演説する。そこに安倍さんが乗れば自民党を除名されるかもしれませんが、いずれにしても、それくらいの協力をすれば(保守は)勝てるのではないかと思うのですが。

とまで評するんですかね。安倍がそんなことする度胸あるわけないじゃん。そこまで安倍ごときに期待してどうする(失笑)。いくら右翼の聴衆へのリップサービス発言であっても、これはひどすぎるよね。

ていいますか、安倍すらできないということは、基本的に靖国参拝も河野・村山両談話にしても、そもそも参拝したり談話を破棄したりすることが根本的に困難もしくは不可能に近いということであって、無責任な批判をしていればいい桜井みたいな人とちがって安倍はさすがに首相になれば、そんなむちゃくちゃなことはできないということです。ていいますか、安倍は従軍慰安婦問題については愚にもつかない答弁を繰り返しておもいっきりむちゃをしてしまい、完全に墓穴を掘ってしまいました。

で、産経新聞でも代表的な極右で安倍を極端に支持している(昨日の記事でもご登場願った)阿比留瑠比記者もおどろくほど安倍に甘い(失笑)。安倍がひどく実務能力の低い人物であるということくらい阿比留氏だってわからないはずはないんですが、それにしても安倍に対する甘さは驚異です。

阿比留氏が書いた安倍辞任直後のブログの記事です。

>今日はブログとしてはちょっと反則(?)なのかどうか分かりませんが、民間のシンクタンク、日本政策研究センターの伊藤哲夫所長が書かれた論説「安倍首相の困難な『戦い』」(雑誌「明日への選択」10月号掲載」)が、私と認識を共有する部分が非常に多いので、ご本人の許可をとってそのまま転載させてもらうことにしました。このブログを訪問してくれる方々に読んでもらいたいと思ったからです。

 いま現在、安倍氏に対しては、病で力尽きた辞め方もあって、「未熟」という形容がつきまとっています。なるほど私も、本来であれば、首相に就任するのが3〜5年早すぎたとは、就任当初から考えていました。しかし一方で、テレビなどで報じられた首相就任以降の安倍氏しか知らない人たちが、「未熟」「ひ弱」「甘ちゃん」などと決めつけているのを見ると、違和感を禁じ得ないのです。

 伊藤氏の論説も指摘していますが、安倍氏はヒラ議員、官房副長官、自民党幹事長…と、首相になるまでの間、「日本の前途と歴史教科書を考える若手議員の会」や「拉致議連」をはじめとする党内外の保守系議員連盟や諸活動のとりまとめ役であり、リーダーであり、ときに背後に隠れて運動を実質指揮する存在でした。この点については、よく知らない人が多いように感じるので、また機会を見てエントリを立て、もっと詳細に書こうかとも思っています。

 これは記者としての私自身の未熟さを表しているに過ぎないかもしれませんが、長年安倍氏の活動を取材してきた私にとって、安倍氏は未熟というよりしたたかで、ときに老獪ですらあり、また政治家として必要な「ずるさ」も十分持ち合わせているように思えました。それが、どうしてこのような事態に陥ったのか。
(後略)

安倍のどこが「老獪」だよ(馬鹿)。

だいたい阿比留氏は、

>首相に就任するのが3〜5年早すぎた

とお書きになっていますが、安倍辞任から3年たった現在、安倍の馬鹿ぶりはさらにひどくなったぞ(笑)。

なお、記事に出てくる伊藤氏という人物も、安倍ブレーンで時代錯誤な極右です。以前このブログでも馬鹿にさせていただきました。


ともかく安倍が無能なおかげでせっかくの極右路線が反故になっちゃったわけですけどねえ。もう少し安倍についてまともな批判をすべきじゃねーのって思いますが、阿比留氏にそれを期待するのはできない相談ですね。そして産経新聞自体も、いまだに安倍にたいして異常に甘い。あそこまでの馬鹿に、どうしてそこまですがる(笑)。極右の世界も、そのくらいの人材難と言うことなのかもしれませんが。

自民党のこれまた安倍に対する異様な甘さについては、こちらの記事をお読みください。

自民党は安倍のおかげで半端じゃない迷惑を受けたと思うんですけど、なんでこんなに安倍に遠慮するんですかね。そこまでこの男には価値があるんでしょうか。とてもそうは思えないんだけど。

ほーんと、右翼も産経新聞も自民党もどんだけ安倍晋三に甘いんでしょうね。まあそのおかげでこの人たちが損をすればそれは私にとって笑って見物していられるものですからいいんですけど、あとになってあんな奴後押しするんじゃなかったって後悔するよ、きっと。
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靖国神社参拝 従軍慰安婦問題 リップサービス 阿比留瑠比 官房副長官 歴史教科書 自民党幹事長 民主党代表 小泉純一郎 桜井よしこ
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6 コメント

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お願い (チャプラ)
2010-08-21 05:48:02
いつも楽しみに読ませていただいております。

ひとつお願いなのですが、引用文と本文を区別しづらいので、引用文の色を変えるなり、<引用ここから><引用ここまで>などと表記するなりしていただけないでしょうか。
やっぱり (t)
2010-08-21 10:22:49
民主党との差別化と図る自民党としては、保守バネの象徴として抱え込んでおきたいんでしょうね。それが奴さんへの厚遇に繋がっているのかと思います。逆にこの馬鹿より「使い勝手の良い」候補が見つかれば、党はおろか産経も安倍を見捨てるでしょうね。
Unknown (珍坊痔漏)
2010-08-21 11:34:57
産経とかにしてみれば安倍は「腐っても鯛」
なんでしょうね。
もっとも、腐った鯛は本来ゴミ箱行きですがね。
>チャプラさん (Bill McCreary)
2010-08-22 02:09:05
どうもはじめまして。コメントありがとうございます。

そうですかね、区別がしにくいですか。そういうことでしたら、改善していきたいと思います。ご指摘ありがとうございます。
>tさん (Bill McCreary)
2010-08-22 02:11:19
>保守バネの象徴

そういうことなんでしょうね。上にも書いたように極右も人材難みたいですから、安倍レベルにフロントに役立つ人間はいないということなのでしょう。

>「使い勝手の良い」候補が

安倍には消えてほしいですが、そういった候補が出てくるのも問題ですから、ここは慎重に見守る必要がありそうです。

>珍坊痔漏さん (Bill McCreary)
2010-08-22 02:12:33
阿比留氏とかみていると、安倍に対する見方がほんと冷静じゃないですからね。やっぱり腐っても鯛なんでしょうね。さっさとゴミ箱に放り込めばいいのにね。

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