守田さんから、続々とメールが届きます。
豊富な知識、行動力、希望を失わない強さ、そして弱者を思いやる温かさが、彼の文章の中にはこめられています。
講演会場の最前列に陣取り、守田さんの生声で発せられる言葉の一言一句を聞き逃すまいと、必死にメモを取る自分の姿を想像しながら、今日もここに紹介させていただきます。
守田さんも深く関わっておられる兵庫県篠山市では、原子力災害対策の進展が見られました。
それもこれも、篠山市の酒井市長ご自身が、原子力災害対策検討委員会という、自治会、消防団、医師会、原子力の専門家、市民などで構成されている会の提言を真摯に受け取られたからです。
独自に安定ヨウ素剤を事前配布する
事故が起きたら「とっとと逃げる」ための具体的な方策を、さらに積み上げていく
けれども、酒井市長はまた、
「避難計画については、国においても県においても定めておらず、市民が完全に避難できる方法などあり得ないとも思われます」
ともおっしゃっています。
このように危険極まりない巨大な施設を、日本は50以上、研究施設と銘打たれたものを含めるとさらにもっと多くの数を、抱えさせられてしまいました。
そして甚大な事故を起こし、何一つまともな解決も為されないまま、国土はもちろんのこと、地球を恐ろしい放射能で汚し続けています。
なのに輸出ですと?
守田さんはそのことについて、こんなふうに書かれています。
「原子力産業は風前の灯火となっている。
それでは困る、なんとか生き延びたい思う世界の原子力村が、さまざまに延命策を考え続けている。
その大きな柱が原発輸出。
日本では今、すべての原発が停まっている。
停まっていながら、電力の不足などまったく起こっていない。
私たちも日常生活で何も困っていない。
原発など、もともといらなかったから。
むしろ電気は余っている。
それをどう過剰に使わせるかが課題となってきた。
だから今、リニア新幹線などという、ものすごく電気を使用するプロジェクトまでが浮上している。
電気の使い先を見つけないと、原発に未来がないから。
ウランがまったく売れない。
経済大国日本が、こんなに長期に原発が停まっていることが分かれば、原発の不必要性が世界中に知れわたってしまう。
この状況を打開するために行われようとしているのが原発輸出。
とくに、原発が平均で4年以上も停まっている日本にとっては、そうでもしなければ運転員も含めた技術の維持ができない。
だから海外で原発を作り、運転したい。
ウランの需要を、こじ開けるようにして作るため。
日本の原発がもう何年も動いていない事実を世界に知られないためにも、原発輸出を進めるためにも、
なんとか一つの原発でも再稼働させたい。
それが今、安倍政権が遮二無二進めていること。
これは本質的には、びつつある世界の原子力村の断末魔の叫びなのだ。
そしてもうひとつ、その原発を押し付けられようとしているトルコのシノップ市民の方の言葉を。
「あれだけの原発事故を経験した日本が、この地に原発を建てようとしていることを思うと悲しくなる」
↓以下、転載はじめ
守田です。
当面する講演のお知らせです。
まずこの間、僕が力を注いできた原発災害対策について、6月28日に京都市龍谷大学深草キャンパスでお話します。
13時開場、13時半開会です。
福島原発事故から4年 守田敏也さんに学ぶ「原発事故・避難計画」
https://www.facebook.com/events/839804416103316
今回は篠山市での原子力災害対策の進展を踏まえてお話したいと思います。
これまでもお伝えしてきたように、僕は兵庫県篠山市の原子力災害対策検討委員会に参加し、他の委員のみなさんとともに、
原発事故が起こった時に篠山市民がどのように身を守るのかの対策を練ってきました。
その中で、6月17日に、篠山市の酒井市長に、委員会の総意として提言書を提出しました。
前々から準備されてきたことですが、これを受けて篠山市は今秋から、
独自に安定ヨウ素剤を事前配布することを決めるとともに、
事故が起きたら「とっとと逃げる」ための具体的な方策を、さらに積み上げていくことを決めました。
安定ヨウ素剤の事前配布が行われれば、原子力規制庁が求めている5キロ圏内以外で、全国初の試みになります。
ぜひ、この動きが他の市町村にも拡大していけばいいなと思っています。
この日の様子を記した市長日記と神戸新聞の記事をご覧下さい。
安定ヨウ素剤配布へ(市長日記)
【篠山市ホームページ】2015年06月18日
http://www.city.sasayama.hyogo.jp/pc/mayor/diary/post-826.html
安定ヨウ素剤配布へ(市長日記)
更新日:2015年06月18日
昨日、6月17日、篠山市の原子力災害対策検討委員会から「提言」を受けました。
この委員会は自治会、消防団、医師会、原子力の専門家、市民などで構成され、熱心に議論されてきました。
提言の内容は
(1)市民が避難する計画の策定
(2)安定ヨウ素剤の事前配布
(3)事故の際の対策本部の設置による市民への情報提供や勧告
(4)日頃からの災害全般に対する備えの強化
などとなっています。
万一の事故の場合、何より大切なのは「とっとと逃げる」こと、
そして逃げる時には「(甲状腺の内部被ばくを防ぐため)安定ヨウ素剤を服用」するということです。
避難計画については、国においても県においても定めておらず、市民が完全に避難できる方法などあり得ないとも思われますが、
どこにどのように避難すべきなのかのガイドラインは示したいと考えます。
又、安定ヨウ素剤については、昨年3月に5万人分を、市役所や診療所に備蓄しているのですが、
いざという時に、市民に行き届けられません。
そこで、特に服用が必要な成長期にある子どもや希望者を中心に、事前配布の準備をすすめたいと考えます。
篠山市は福井の原発から約50キロの距離になりますが、
安定ヨウ素剤の事前配布は、30キロ圏外では全国で初めてとなるとのことです。
安定ヨウ素剤、今秋から事前配布へ 篠山市
【神戸新聞】2015年6月17日
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201506/0008131412.shtml
安全を確保するためには、原発を再稼働させないことがもちろん大事です。
しかし原発は止まっていても、燃料プールがある限り、過酷事故を起こす可能性があり続けます。
プールが損傷し、水が抜けて冷却ができなくなれば、燃料が溶けだして、もの凄い放射能が飛び出してきます。
また、全国の燃料プールが、つめつめの猛烈に危険な状態になっているので、地震などの大きな揺れで燃料が接近した場合に、臨界爆発が発生する可能性もあります。
その意味で、原子力災害対策は、全国に17000トンもある燃料棒のすべてが安全な状態に移されるまで必須のものです。
そのために、篠山市での取り組みを含めて、この間考察してきたことをお話しますので、ぜひご参加下さい。
これと共に、6月27日に京都府向日市で、7月4日に大阪府の新大阪で、世界の原発の動向とトルコへの原発輸出問題についてお話します。
・向日市
日時:
6月27日 9:30より
場所:
寺戸公民館(阪急向日駅から300メートル)
・新大阪
日時:
7月4日 14:30 - 16:30
場所:
市民交流センターひがしよどがわ403号室(JR新大阪駅東口より北へ徒歩3分)
原発産業は、世界的にも斜陽を深めています。
今、世界の原発の「平均年齢」は、なんと30歳!
国によっては、30年が使用期限とされてきたところもあります。
多くが老朽化していて、廃炉に向かいつつあるのです。
なぜこれほど「平均年齢」が高いのか。
答えは明白。
スリーマイル島、チェルノブイリと続いた深刻な原発事故以降、世界各地で原発建設を許さない市民の力が増して、建設がストップされてきたからです。
このため原子力産業は風前の灯火となっています。
それでは困る、なんとか生き延びたいと思う世界の原子力村が、さまざまに延命策を考え続けています。
その大きな柱が原発輸出です。
日本では今、すべての原発が停まっています。
停まっていながら、電力の不足などまったく起こっていない。
私たちも日常生活で何も困っていません。
なぜでしょうか。
この答えも明白です。
実は、原発などもともといらなかったからです。
むしろ電気は余っているのです。
それをどう過剰に使わせるかが課題となってきたのです。
だから今、リニア新幹線などという、ものすごく電気を使用するプロジェクトまでが浮上しています。
電気の使い先を見つけないと、原発に未来がないからです。
それだけではありません。
日本の原発は今、平均で、4年1カ月も停まっているのです。
世界で最大の出力を誇っていた柏崎刈羽原発3号機・4号機などは7年10カ月、さらに2号機は7年11カ月も停まっています。
確実に8年を越えます。
8年も停めていたプラントに未来はありません。
この事実こそが、世界の原子力村にとって強烈な脅威なのです。
一つに、ウランがまったく売れない。
二つに、経済大国日本が、こんなに長期に原発が停まっていることが分かれば、原発の不必要性が世界中に知れわたってしまうからです。
この状況を打開するために行われようとしているのが、原発輸出です。
とくに、原発が平均で4年以上も停まっている日本にとっては、そうでもしなければ、運転員も含めた技術の維持ができないからこそ、海外で原発を作り、運転したいのです。
ウランの需要を、こじ開けるようにして作るためでもあります。
しかし一方で、
日本の原発がもう何年も動いていない事実を世界に知られないためにも、
また原発輸出を進めるためにも、
なんとか一つの原発でも再稼働させたい。
それが今、安倍政権が遮二無二進めていることですが、
これは本質的には、滅びつつある世界の原子力村の断末魔の叫びなのだということを、しっかりとみておく必要があります。
その上で私たちが押さえるべきことは、
自国でも危険性が明らかであるがゆえに動かすことのできない危険な原発を、
この国から輸出することなど、けして道義的に許されることではない、ということです。
僕はとくにトルコに関わっていますが、日本から原発を輸出しようとしているシノップという町は、とても美しい漁場です。
同時に、トルコの方たちのリゾート地でもあり、多くの方に憩いを提供してきている素晴らしい町です。
こんなところに、けして原発など作らせてはなりません。
さらに、エルドアン政権はとても暴力的です。
デモに対して警官隊にガス銃を乱射させ、2013年には10人近い人々が殺されてすらいます。
その一人は、買い物に来ていただけの10代の少年でした。
ぜひ講演を通じて、こうしたトルコの事情を知ってください。
マスコミではなかなか流れない貴重な情報です。
トルコの方たちは、原発建設を止めるために、懸命に行動しています。
この4月27日にも、チェルノブイリ原発事故29年に際して、シノップに4万4千人もの人が集まりました。
トルコの方たちの奮闘は、トルコに原発を作らせないためだけでなく、世界の原子力村の延命策に立ちふさがる行為でもあります。
その意味で、トルコの方たちの奮闘は、私たちの未来をも照らしてくれる行動です。
だからこそ、トルコと日本の民衆の強い結びつきで、なんとしても原発輸出を止め、延命策にふたをし、原子力の灯を消していきたいと思います。
核のない未来の展望がそこにあります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
日本はトルコに原発を輸出しないで! ― 4万人の市民の叫び ―
http://www.nonukesasiaforum.org/jp/134a.htm
トルコのプナールさんからのメッセージと「緑の新聞」の記事です
シノップで4万人が「日本は原発を輸出しないで!」と叫んだ!
日本政府がトルコ政府と契約をして、原発を輸出する予定のシノップ市で、4万人が集まって、
「原発反対!」
「日本は原発を輸出しないで!」と叫びました(4月25日)。
日本人のみなさまにお知らせです。
(Pınar Demircan)
「原発に通行権はない!」 ― シノップで4万人の叫び(プナール・デミルジャン)
【トルコ「緑の新聞」 】2015.4.25
トルコを含めヨーロッパで、何百万人もの健康に爪痕を残した史上最悪の災害、チェルノブイリ原発事故の追悼記念集会が、
29年後の今日、シノップで行なわれ、4万人が参加した。
40年間、反原発闘争をくり広げ、国民が反対しているにもかかわらず、
政府、官僚が協定に調印し、原発建設を強行するなら、国民は道に出て列を作り、これに反抗する。
この国に住む人々に、原発は必要ないのだ!
イスタンブールからも1000人が参加した、シノップでの反原発集会は、80を超える民間団体と市民のサポートで巨大になった。
シノップ県反原発プラットフォームと公務員労働組合連合のよびかけで、市の中心で始まったデモ行進の列は、シノップ・ウールムムジュ広場へと続いた。
地元の漁師たちも、「シノップに原発はいらない」と書かれたポスターを漁船に吊るして、デモに参加した。
民家や小売店の窓でも、同じポスターが目に留まった。
停電が一日中続いた3月31日の翌日、シノップ原発建設へ向けた協定が調印された。
この停電の原因は、「電力の過剰供給」だったことが、のちにエネルギー大臣の話で明らかになったのだが、
エネルギーの過剰供給があるにもかかわらず、さらなるエネルギー創出のため、政府が原発建設を申請したことに、私たちは戸惑いを隠せなかった。
協定への調印がなされた直後に、アックユで原発建設の起工式が行なわれ、すぐに原発の宣伝広告が世間に出回った。
この広告に子供を起用したことに、国民はとくに強く反発し、撤廃を求めた。
業界団体は、広告の撤廃を、法的に申請せざるをえなくなった。
しかし政府は、原発建設に必死になっているため、広告を撤廃するどころか、
4月23日「子供の日」に、首相の椅子に座る子供たちの耳に囁き、「原発建設は必要だ」と言わせた。
その結果、4万人が、「原発にNO! 原発に通行権はない!」と叫ぶため、25日シノップに向かうこととなった。
チェルノブイリ事故の29周年追悼のため、シノップと同様のデモが明日26日、
イスタンブール、アンカラ、メルシンなど多くの県と、アックユ原発から90km離れたキプロスで行なわれる。
未来と、健康な次世代を願うすべての人に参加してほしい。
シノップ観光地図とプナールさん
*************************************************
★シノップ市は、黒海沿岸の美しい町で、農漁業がさかんです(人口57000人)。
原発建設には大多数の住民が反対しており、地元の合意は得られていません。
しかし4月1日、トルコ国会は、シノップ原発についての日本との契約締結を承認しました。
三菱とアレバが、原発4基を建設。
17年に着工予定とされています。
シノップの人々は、
「あれだけの原発事故を経験した日本が、この地に原発を建てようとしていることを思うと悲しくなる」といっています。
●トルコへの原発輸出と反対運動の現状 ― ことばが通じなくても、原発のない未来のために、私たちは共に闘える(アスリハン・テューマー)
http://www.nonukesasiaforum.org/jp/123a.htm もご覧ください
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
なお、私たちがもう一つ踏まえなくてはならないのは、
原子力の灯が消えても、膨大な放射性廃棄物が残ってしまうことです。
この核のゴミをどうするのかも、これからの私たちの大きな課題です。
私たちが警戒しなければならないのは、とんでもない無法で酷い処理が行われつつあることです。
この点で注目すべき学習会が、27日の午後に岡山で行われるので、僕も向日市での講演を終え次第、かけつけて参加するつもりです。
その情報も記しておきます。
-「核のゴミ」について考える市民勉強会-
HKB47勉強会IN岡山
「日本が”核のゴミ捨て場”になる日-震災がれき問題の実像」
講師は沢田嵐さんです。
13時から、岡山コンベンションセンター407会議室にて。
以下、詳細な案内を記しておきます。
ぜひそれぞれの企画にご参加下さい!
*****
*京都府向日市(6月27日)
「世界の原発の動向と健康問題」講演会・意見交流の後、第4回総会を開催
日時:
6月27日午前9時半~12時ごろ
場所:
向日市寺戸公民館
講師:
守田敏也
主催:
原発をなくす向日市民の会
連絡先:
事務局筒井 075-931-3788
***
*岡山市(6月27日)
「核のゴミ」について考える市民勉強会(HKB47 勉強会 IN 岡山)
「日本が”核のゴミ捨て場”になる日-震災がれき問題の実像」
日時:
2015年6月27日(土)午後1時半~5時(開場1時)
場所:
岡山コンベンションセンター407会議室(定員50名)
岡山市北区駅元町14-1 ?086-214-1000(代表)
講師:
沢田嵐氏 (ブログ”あざらしサラダ”管理人&「市民放射能測定センター」(Cラボ)ボランティアスタッフ)
※「HKB47」は、沢田氏が管理人を務める情報共有コミュニティの名称です。
ゲスト:
庭山由紀氏(元群馬県桐生市市議)
参加費:
500円(施設、機器使用料)(当日受付)
【資料】
「日本が”核のゴミ捨て場”になる日-震災がれき問題の実像」(沢田嵐著、旬報社)
***
*京都市・龍谷大学深草キャンパス(6月28日)
「福島原発事故から4年 守田敏也さんに学ぶ「原発事故・避難計画」」
日時:
2015年6月28日(日曜日)午後1時 開場 / 1時半 開会 / 4時半 終了
場所:
龍谷大学深草キャンパス22号館2階201教室
講師:
守田敏也氏(フリージャーナリスト)
主催:
原発を考える伏見フォーラム
連絡先:
ふしみ原発ゼロパレードの会事務局
TEL:
075-604-2133 [ 京都南法律事務所 ・溝江 ]
***
*大阪府 新大阪(7月4日)
「日本はトルコに原発を輸出しないで! ― 4万人の市民の叫び ―」
日時:
2015年7月4日 午後2時開場 2時半~4時半
場所:
市民交流センターひがしよどがわ 403号室 (JR新大阪駅東口より北へ徒歩3分)
講師:
守田敏也氏 (フリージャーナリスト)
参加費:
700円
主催:
No Nukes Asia Forum Japan <連絡先>080-6174-8358
協力:
COA-NET
------------------------
守田敏也 MORITA TOSHIYA
[blog] http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011
[website] http://toshikyoto.com/
[twitter] https://twitter.com/toshikyoto
[facebook] https://www.facebook.com/toshiya.morita.90
豊富な知識、行動力、希望を失わない強さ、そして弱者を思いやる温かさが、彼の文章の中にはこめられています。
講演会場の最前列に陣取り、守田さんの生声で発せられる言葉の一言一句を聞き逃すまいと、必死にメモを取る自分の姿を想像しながら、今日もここに紹介させていただきます。
守田さんも深く関わっておられる兵庫県篠山市では、原子力災害対策の進展が見られました。
それもこれも、篠山市の酒井市長ご自身が、原子力災害対策検討委員会という、自治会、消防団、医師会、原子力の専門家、市民などで構成されている会の提言を真摯に受け取られたからです。
独自に安定ヨウ素剤を事前配布する
事故が起きたら「とっとと逃げる」ための具体的な方策を、さらに積み上げていく
けれども、酒井市長はまた、
「避難計画については、国においても県においても定めておらず、市民が完全に避難できる方法などあり得ないとも思われます」
ともおっしゃっています。
このように危険極まりない巨大な施設を、日本は50以上、研究施設と銘打たれたものを含めるとさらにもっと多くの数を、抱えさせられてしまいました。
そして甚大な事故を起こし、何一つまともな解決も為されないまま、国土はもちろんのこと、地球を恐ろしい放射能で汚し続けています。
なのに輸出ですと?
守田さんはそのことについて、こんなふうに書かれています。
「原子力産業は風前の灯火となっている。
それでは困る、なんとか生き延びたい思う世界の原子力村が、さまざまに延命策を考え続けている。
その大きな柱が原発輸出。
日本では今、すべての原発が停まっている。
停まっていながら、電力の不足などまったく起こっていない。
私たちも日常生活で何も困っていない。
原発など、もともといらなかったから。
むしろ電気は余っている。
それをどう過剰に使わせるかが課題となってきた。
だから今、リニア新幹線などという、ものすごく電気を使用するプロジェクトまでが浮上している。
電気の使い先を見つけないと、原発に未来がないから。
ウランがまったく売れない。
経済大国日本が、こんなに長期に原発が停まっていることが分かれば、原発の不必要性が世界中に知れわたってしまう。
この状況を打開するために行われようとしているのが原発輸出。
とくに、原発が平均で4年以上も停まっている日本にとっては、そうでもしなければ運転員も含めた技術の維持ができない。
だから海外で原発を作り、運転したい。
ウランの需要を、こじ開けるようにして作るため。
日本の原発がもう何年も動いていない事実を世界に知られないためにも、原発輸出を進めるためにも、
なんとか一つの原発でも再稼働させたい。
それが今、安倍政権が遮二無二進めていること。
これは本質的には、びつつある世界の原子力村の断末魔の叫びなのだ。
そしてもうひとつ、その原発を押し付けられようとしているトルコのシノップ市民の方の言葉を。
「あれだけの原発事故を経験した日本が、この地に原発を建てようとしていることを思うと悲しくなる」
↓以下、転載はじめ
守田です。
当面する講演のお知らせです。
まずこの間、僕が力を注いできた原発災害対策について、6月28日に京都市龍谷大学深草キャンパスでお話します。
13時開場、13時半開会です。
福島原発事故から4年 守田敏也さんに学ぶ「原発事故・避難計画」
https://www.facebook.com/events/839804416103316
今回は篠山市での原子力災害対策の進展を踏まえてお話したいと思います。
これまでもお伝えしてきたように、僕は兵庫県篠山市の原子力災害対策検討委員会に参加し、他の委員のみなさんとともに、
原発事故が起こった時に篠山市民がどのように身を守るのかの対策を練ってきました。
その中で、6月17日に、篠山市の酒井市長に、委員会の総意として提言書を提出しました。
前々から準備されてきたことですが、これを受けて篠山市は今秋から、
独自に安定ヨウ素剤を事前配布することを決めるとともに、
事故が起きたら「とっとと逃げる」ための具体的な方策を、さらに積み上げていくことを決めました。
安定ヨウ素剤の事前配布が行われれば、原子力規制庁が求めている5キロ圏内以外で、全国初の試みになります。
ぜひ、この動きが他の市町村にも拡大していけばいいなと思っています。
この日の様子を記した市長日記と神戸新聞の記事をご覧下さい。
安定ヨウ素剤配布へ(市長日記)
【篠山市ホームページ】2015年06月18日
http://www.city.sasayama.hyogo.jp/pc/mayor/diary/post-826.html
安定ヨウ素剤配布へ(市長日記)
更新日:2015年06月18日
昨日、6月17日、篠山市の原子力災害対策検討委員会から「提言」を受けました。
この委員会は自治会、消防団、医師会、原子力の専門家、市民などで構成され、熱心に議論されてきました。
提言の内容は
(1)市民が避難する計画の策定
(2)安定ヨウ素剤の事前配布
(3)事故の際の対策本部の設置による市民への情報提供や勧告
(4)日頃からの災害全般に対する備えの強化
などとなっています。
万一の事故の場合、何より大切なのは「とっとと逃げる」こと、
そして逃げる時には「(甲状腺の内部被ばくを防ぐため)安定ヨウ素剤を服用」するということです。
避難計画については、国においても県においても定めておらず、市民が完全に避難できる方法などあり得ないとも思われますが、
どこにどのように避難すべきなのかのガイドラインは示したいと考えます。
又、安定ヨウ素剤については、昨年3月に5万人分を、市役所や診療所に備蓄しているのですが、
いざという時に、市民に行き届けられません。
そこで、特に服用が必要な成長期にある子どもや希望者を中心に、事前配布の準備をすすめたいと考えます。
篠山市は福井の原発から約50キロの距離になりますが、
安定ヨウ素剤の事前配布は、30キロ圏外では全国で初めてとなるとのことです。
安定ヨウ素剤、今秋から事前配布へ 篠山市
【神戸新聞】2015年6月17日
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201506/0008131412.shtml
安全を確保するためには、原発を再稼働させないことがもちろん大事です。
しかし原発は止まっていても、燃料プールがある限り、過酷事故を起こす可能性があり続けます。
プールが損傷し、水が抜けて冷却ができなくなれば、燃料が溶けだして、もの凄い放射能が飛び出してきます。
また、全国の燃料プールが、つめつめの猛烈に危険な状態になっているので、地震などの大きな揺れで燃料が接近した場合に、臨界爆発が発生する可能性もあります。
その意味で、原子力災害対策は、全国に17000トンもある燃料棒のすべてが安全な状態に移されるまで必須のものです。
そのために、篠山市での取り組みを含めて、この間考察してきたことをお話しますので、ぜひご参加下さい。
これと共に、6月27日に京都府向日市で、7月4日に大阪府の新大阪で、世界の原発の動向とトルコへの原発輸出問題についてお話します。
・向日市
日時:
6月27日 9:30より
場所:
寺戸公民館(阪急向日駅から300メートル)
・新大阪
日時:
7月4日 14:30 - 16:30
場所:
市民交流センターひがしよどがわ403号室(JR新大阪駅東口より北へ徒歩3分)
原発産業は、世界的にも斜陽を深めています。
今、世界の原発の「平均年齢」は、なんと30歳!
国によっては、30年が使用期限とされてきたところもあります。
多くが老朽化していて、廃炉に向かいつつあるのです。
なぜこれほど「平均年齢」が高いのか。
答えは明白。
スリーマイル島、チェルノブイリと続いた深刻な原発事故以降、世界各地で原発建設を許さない市民の力が増して、建設がストップされてきたからです。
このため原子力産業は風前の灯火となっています。
それでは困る、なんとか生き延びたいと思う世界の原子力村が、さまざまに延命策を考え続けています。
その大きな柱が原発輸出です。
日本では今、すべての原発が停まっています。
停まっていながら、電力の不足などまったく起こっていない。
私たちも日常生活で何も困っていません。
なぜでしょうか。
この答えも明白です。
実は、原発などもともといらなかったからです。
むしろ電気は余っているのです。
それをどう過剰に使わせるかが課題となってきたのです。
だから今、リニア新幹線などという、ものすごく電気を使用するプロジェクトまでが浮上しています。
電気の使い先を見つけないと、原発に未来がないからです。
それだけではありません。
日本の原発は今、平均で、4年1カ月も停まっているのです。
世界で最大の出力を誇っていた柏崎刈羽原発3号機・4号機などは7年10カ月、さらに2号機は7年11カ月も停まっています。
確実に8年を越えます。
8年も停めていたプラントに未来はありません。
この事実こそが、世界の原子力村にとって強烈な脅威なのです。
一つに、ウランがまったく売れない。
二つに、経済大国日本が、こんなに長期に原発が停まっていることが分かれば、原発の不必要性が世界中に知れわたってしまうからです。
この状況を打開するために行われようとしているのが、原発輸出です。
とくに、原発が平均で4年以上も停まっている日本にとっては、そうでもしなければ、運転員も含めた技術の維持ができないからこそ、海外で原発を作り、運転したいのです。
ウランの需要を、こじ開けるようにして作るためでもあります。
しかし一方で、
日本の原発がもう何年も動いていない事実を世界に知られないためにも、
また原発輸出を進めるためにも、
なんとか一つの原発でも再稼働させたい。
それが今、安倍政権が遮二無二進めていることですが、
これは本質的には、滅びつつある世界の原子力村の断末魔の叫びなのだということを、しっかりとみておく必要があります。
その上で私たちが押さえるべきことは、
自国でも危険性が明らかであるがゆえに動かすことのできない危険な原発を、
この国から輸出することなど、けして道義的に許されることではない、ということです。
僕はとくにトルコに関わっていますが、日本から原発を輸出しようとしているシノップという町は、とても美しい漁場です。
同時に、トルコの方たちのリゾート地でもあり、多くの方に憩いを提供してきている素晴らしい町です。
こんなところに、けして原発など作らせてはなりません。
さらに、エルドアン政権はとても暴力的です。
デモに対して警官隊にガス銃を乱射させ、2013年には10人近い人々が殺されてすらいます。
その一人は、買い物に来ていただけの10代の少年でした。
ぜひ講演を通じて、こうしたトルコの事情を知ってください。
マスコミではなかなか流れない貴重な情報です。
トルコの方たちは、原発建設を止めるために、懸命に行動しています。
この4月27日にも、チェルノブイリ原発事故29年に際して、シノップに4万4千人もの人が集まりました。
トルコの方たちの奮闘は、トルコに原発を作らせないためだけでなく、世界の原子力村の延命策に立ちふさがる行為でもあります。
その意味で、トルコの方たちの奮闘は、私たちの未来をも照らしてくれる行動です。
だからこそ、トルコと日本の民衆の強い結びつきで、なんとしても原発輸出を止め、延命策にふたをし、原子力の灯を消していきたいと思います。
核のない未来の展望がそこにあります。
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日本はトルコに原発を輸出しないで! ― 4万人の市民の叫び ―
http://www.nonukesasiaforum.org/jp/134a.htm
トルコのプナールさんからのメッセージと「緑の新聞」の記事です
シノップで4万人が「日本は原発を輸出しないで!」と叫んだ!
日本政府がトルコ政府と契約をして、原発を輸出する予定のシノップ市で、4万人が集まって、
「原発反対!」
「日本は原発を輸出しないで!」と叫びました(4月25日)。
日本人のみなさまにお知らせです。
(Pınar Demircan)
「原発に通行権はない!」 ― シノップで4万人の叫び(プナール・デミルジャン)
【トルコ「緑の新聞」 】2015.4.25
トルコを含めヨーロッパで、何百万人もの健康に爪痕を残した史上最悪の災害、チェルノブイリ原発事故の追悼記念集会が、
29年後の今日、シノップで行なわれ、4万人が参加した。
40年間、反原発闘争をくり広げ、国民が反対しているにもかかわらず、
政府、官僚が協定に調印し、原発建設を強行するなら、国民は道に出て列を作り、これに反抗する。
この国に住む人々に、原発は必要ないのだ!
イスタンブールからも1000人が参加した、シノップでの反原発集会は、80を超える民間団体と市民のサポートで巨大になった。
シノップ県反原発プラットフォームと公務員労働組合連合のよびかけで、市の中心で始まったデモ行進の列は、シノップ・ウールムムジュ広場へと続いた。
地元の漁師たちも、「シノップに原発はいらない」と書かれたポスターを漁船に吊るして、デモに参加した。
民家や小売店の窓でも、同じポスターが目に留まった。
停電が一日中続いた3月31日の翌日、シノップ原発建設へ向けた協定が調印された。
この停電の原因は、「電力の過剰供給」だったことが、のちにエネルギー大臣の話で明らかになったのだが、
エネルギーの過剰供給があるにもかかわらず、さらなるエネルギー創出のため、政府が原発建設を申請したことに、私たちは戸惑いを隠せなかった。
協定への調印がなされた直後に、アックユで原発建設の起工式が行なわれ、すぐに原発の宣伝広告が世間に出回った。
この広告に子供を起用したことに、国民はとくに強く反発し、撤廃を求めた。
業界団体は、広告の撤廃を、法的に申請せざるをえなくなった。
しかし政府は、原発建設に必死になっているため、広告を撤廃するどころか、
4月23日「子供の日」に、首相の椅子に座る子供たちの耳に囁き、「原発建設は必要だ」と言わせた。
その結果、4万人が、「原発にNO! 原発に通行権はない!」と叫ぶため、25日シノップに向かうこととなった。
チェルノブイリ事故の29周年追悼のため、シノップと同様のデモが明日26日、
イスタンブール、アンカラ、メルシンなど多くの県と、アックユ原発から90km離れたキプロスで行なわれる。
未来と、健康な次世代を願うすべての人に参加してほしい。
シノップ観光地図とプナールさん
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★シノップ市は、黒海沿岸の美しい町で、農漁業がさかんです(人口57000人)。
原発建設には大多数の住民が反対しており、地元の合意は得られていません。
しかし4月1日、トルコ国会は、シノップ原発についての日本との契約締結を承認しました。
三菱とアレバが、原発4基を建設。
17年に着工予定とされています。
シノップの人々は、
「あれだけの原発事故を経験した日本が、この地に原発を建てようとしていることを思うと悲しくなる」といっています。
●トルコへの原発輸出と反対運動の現状 ― ことばが通じなくても、原発のない未来のために、私たちは共に闘える(アスリハン・テューマー)
http://www.nonukesasiaforum.org/jp/123a.htm もご覧ください
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なお、私たちがもう一つ踏まえなくてはならないのは、
原子力の灯が消えても、膨大な放射性廃棄物が残ってしまうことです。
この核のゴミをどうするのかも、これからの私たちの大きな課題です。
私たちが警戒しなければならないのは、とんでもない無法で酷い処理が行われつつあることです。
この点で注目すべき学習会が、27日の午後に岡山で行われるので、僕も向日市での講演を終え次第、かけつけて参加するつもりです。
その情報も記しておきます。
-「核のゴミ」について考える市民勉強会-
HKB47勉強会IN岡山
「日本が”核のゴミ捨て場”になる日-震災がれき問題の実像」
講師は沢田嵐さんです。
13時から、岡山コンベンションセンター407会議室にて。
以下、詳細な案内を記しておきます。
ぜひそれぞれの企画にご参加下さい!
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*京都府向日市(6月27日)
「世界の原発の動向と健康問題」講演会・意見交流の後、第4回総会を開催
日時:
6月27日午前9時半~12時ごろ
場所:
向日市寺戸公民館
講師:
守田敏也
主催:
原発をなくす向日市民の会
連絡先:
事務局筒井 075-931-3788
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*岡山市(6月27日)
「核のゴミ」について考える市民勉強会(HKB47 勉強会 IN 岡山)
「日本が”核のゴミ捨て場”になる日-震災がれき問題の実像」
日時:
2015年6月27日(土)午後1時半~5時(開場1時)
場所:
岡山コンベンションセンター407会議室(定員50名)
岡山市北区駅元町14-1 ?086-214-1000(代表)
講師:
沢田嵐氏 (ブログ”あざらしサラダ”管理人&「市民放射能測定センター」(Cラボ)ボランティアスタッフ)
※「HKB47」は、沢田氏が管理人を務める情報共有コミュニティの名称です。
ゲスト:
庭山由紀氏(元群馬県桐生市市議)
参加費:
500円(施設、機器使用料)(当日受付)
【資料】
「日本が”核のゴミ捨て場”になる日-震災がれき問題の実像」(沢田嵐著、旬報社)
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*京都市・龍谷大学深草キャンパス(6月28日)
「福島原発事故から4年 守田敏也さんに学ぶ「原発事故・避難計画」」
日時:
2015年6月28日(日曜日)午後1時 開場 / 1時半 開会 / 4時半 終了
場所:
龍谷大学深草キャンパス22号館2階201教室
講師:
守田敏也氏(フリージャーナリスト)
主催:
原発を考える伏見フォーラム
連絡先:
ふしみ原発ゼロパレードの会事務局
TEL:
075-604-2133 [ 京都南法律事務所 ・溝江 ]
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*大阪府 新大阪(7月4日)
「日本はトルコに原発を輸出しないで! ― 4万人の市民の叫び ―」
日時:
2015年7月4日 午後2時開場 2時半~4時半
場所:
市民交流センターひがしよどがわ 403号室 (JR新大阪駅東口より北へ徒歩3分)
講師:
守田敏也氏 (フリージャーナリスト)
参加費:
700円
主催:
No Nukes Asia Forum Japan <連絡先>080-6174-8358
協力:
COA-NET
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守田敏也 MORITA TOSHIYA
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