ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

4号機核燃料棒取り出しは、日本単独での作業を中止にし、即刻国際協力の元、行うように要望する!

2013年10月28日 | 日本とわたし
夏の終わりから、ずっとずっと心配していたこと。
心配ごとはいっぱいあるけれども、ほんでそのどれもが、重大で重要であるのやけれども、
この、4号炉の燃料棒取り出しについては、汚染水やらガレキやら食べ物やらの問題とはまた違う、
ほんのちょっとのミスが、とんでもなく恐ろしい連鎖事故を招き、それが地球規模の放射能汚染につながる可能性が高い。
そして、いったん始めてしもたら、作業が完全に終るまで、ひとつとして失敗が許されへん。
大風が吹こうが、地面が揺れようが、大雨が降ろうが、竜巻が発生しようが、絶対の絶対に、失敗できひん。
そんなことが可能なんやろうか。

クレーンで吊ることばっかり心配してたら、友人で、プラントのことにとても詳しい幸雄さんが、いろいろと教えてくれはった。
彼も、専門家の目から、この作業についてものすご心配してはる。
なんとか中止にできんかと焦ってるわたしに、彼の懸念を分かり易う説明してくれはったのを、みなさんにも。

↓以下、転載はじめ(文字の強調は、わたしがしました)

今週はもう11月、予定通りなら8日には、4号炉の燃料棒取り出しが始まります。

・取り出しの際、燃料棒とラックの隙間(13ミリ)に、微細な瓦礫が入る事に依る「カジリ」
・水中で、キャスク(燃料棒遮蔽容器)へ挿入の際の、燃料棒落下
・取り出した後の、キャスクの落下

 
等々の危険予想を、規制委員会と東電で、やり取りしています。
 
私はそれ以前に、重量100tのキャスクが、プールに着床する事を懸念します。
小出先生の講演によると、燃料プールの補強は、当初予定されていた4箇所の、半分しか出来ていないと言う事です。
 
”H25年8月30日、特定原子力施設に係わる実施計画~”4ページを見ると、
取り出し手順では、キャスクは、燃料棒を入れる際に、プールへ着床します
 
総数1533本に対し、構内移送用の湿式キャスクの、燃料棒収容数は22本、
全ての燃料棒が健全だったとして、単純に約70回着床します。
プールの床は持つでしょうか?
非常に怖く思います。

 
勿論、その後の工程も、非常に厄介です。
参照の為に、ザッと作業に関するリンクを、以下に貼ります。
計画自体も、各工程で確定出来ている訳ではなく、進捗状況によって、変更を余儀なくされるでしょう。
 
これらを見て頂ければ、4号炉の燃料棒取り出しが、如何に大変か?が解って頂けると思います。
たった一つのミスが、地球単位の脅威になるのです。
これこそが、日本の最重要事項です。
 
私が思うに、オリンピックだ!リニア新幹線だ!は、夢のまた夢です。
脅したり煽ったりする積もりは全くありません。
これが事実です。


★燃料棒取り出し時のリスクについて:
http://www.nsr.go.jp/disclosure/meeting_operator/BWR/data/20130930_01_shiryo.pdf

★燃料棒取り出し作業の詳細総括:
http://www.nsr.go.jp/press/2012/11/1114-03-03.pdf

★4号機使用済燃料プール等からの使用済燃料取り出しに係る安全性についてのコメントへの回答(東電⇒規制委)
https://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/tokutei_kanshi/data/0007_03.pdf
See Translation
http://www.nsr.go.jp/disclosure/meeting_operator/BWR/data/20130905_04_shiryo.pdf
www.nsr.go.jp


私の懸念ですが…放射線の事とか、設計計算など解りませんから、コレと言って明確には指摘出来ないのです。
ただ明らかなのは、記事に貼ったリンクの説明をザッと読むと、一つの傾向が見えて来るということ。
つまり、燃料棒を吊り上げる時の荷重計算や、キャスクの強度・落下想定等々、
机上の想定や、目の前に見える対応策には、事細かに及んでいますが、
事が現場の状況に絡むと、急に表現が曖昧になります。


例えば……、

★4号機使用済燃料プール等からの、使用済燃料取り出しに係る、安全性についてのコメントへの回答(東電⇒規制委):
https://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/tokutei_kanshi/data/0007_03.pdf

19ページを見てください。
肝心な、リスクに対する担保は、「推測」や「考えられる」と言う表現で結んでいます。
確かな事は分かっていないのが、見て取れますね。

また、

★特定原子力施設に係わる実施計画の変更認可申請について:
http://www.nsr.go.jp/disclosure/meeting_operator/BWR/data/20130930_01_shiryo.pdf

2ページを見て下さい。

ガレキが原因となり、CB(チャンネルボックス:燃料棒を入れる枠)と燃料ラックが、「かじる(引っかかる)」可能性がある――と、あります。
この下の2行目と3行目に、私は違和感を感じます
CBが曲がって、ラックとの隙間が狭くなっている事を、
「ラック・CBの表面が平らで滑らか」な事を理由に、引っ掛かりが無い、と断言できるでしょうか?

他の資料を見ると、吊り上げ前に、燃料ラックの上面にある微細なガレキは、バキュームで吸い取る、と記載がありました。
しかし、上面のガレキを取り除いても、既に、CBとラックの間には、ガレキが入り込んでいると考える方が自然ではないでしょうか?

3ページには、「かじり発生時」のフローチャートがあります。
このチャートに沿って、「NO」を重ねて行くと、再吊り上げも出来ないことで終わります。

このように、突っ込みどころは枚挙に暇が無いくらい、幾らでもあります
しかし、こんな事は当然なのです。
中の様子が見られないのですから。

此処までは理屈で言いましたが、他にも、プラントで働いてきた人間なら感じ取れる、嫌らしさがプンプン臭うのです。
何故なら、プラントでは、通常計画された作業でも、トラブルが起こるものなのです。

福一の状況は、東電自身が言う通り、想定外のオンパレードです。
今後、何が起こるか、解るわけがありません

そもそも、人間が組んだシステム・シークエンスは、常に新しいトラブルに沿って、書き換えられて行くものです。
トラブルで学び、システムを向上させていく訳です。
しかし、原発で、そんなプロセスは許されません
そして、形あるものは、必ず壊れます。
機械の故障や破損は、必ず起こるのです。
それが大事故に結びつかどうかは、それらが起こるタイミングに依るのです。

プラントに関わる人間が、必ず教えられる、危険予知のベースになる、「ハインリッヒの法則」と言うものがあります。
それは、
1件の重大な事故や災害の背後には、29件の軽い事故・災害、そして300件のヒヤリ・ハットがある」とする法則です。

ヒヤリ・ハットとは、事故にはならなかったものの、「危うく事故になるところであった」というような事柄をいいます。
そして……3.11以降、実際に、事故やトラブルが起きてしまっています。

私は、現場の方達を責める気など、毛頭有りません。
事故以来、常に敬意を払っているのは、まうみさんも御存知ですね。
また、自分の投稿でも言っている通り、脅すつもりも、煽るつもりもないのです。
しかし、現実として起ってしまっている事は、否定のしようが無いのです。

追伸

現状、概ねの作業が、ゼネコンによって行われている事が、伝わって来ています。
最近の不始末が、それに起因しているのは、事実かも知れません。
しかし、燃料棒取り出しなどのクレーン操作は、逆に、東電関連の人間ではない方が望ましい場合もあると思います。
問題は、如何に、腕の良い運転者を確保できるか?ですね。
東電の人間でなければ駄目、と言う事はないのです。


↑以上、転載おわり


わたしも、幸雄さん同様、現場の方たちを責める気など、全くない。
常に敬意を払い、感謝の念を抱いてる。
そして、脅かすつもりも、煽るつもりも全くない。

ただ、こんな危険なことを、どうしても、というか、特に、政府や東電だけに任せることはできんと思うだけ。
今までずっと、いろんなことが隠されてきた。
そして数えきれないほどのミスがあり、連絡不行き届きがあり、手違いがあり、そのたびに「ご心配、ご迷惑をおかけしております」と頭を下げて終わり。
今回は、頭をなんぼ並べて下げても終らせへん。
それどころか、地球が終ってしまう。
こんな、世界中の誰も経験したことがないような、めちゃくちゃ難しい作業に、この惑星の未来がかかってる。
なんでこんなことになってしもたんや。
そんなことを悔やんでる場合とちゃう。
日本がこれ以上、地球にとって災いをもたらす国として、歴史に刻み込まれんようにしたい。
そのためにも、世界中から、手を差し伸べてくれてる人らに助けを請うて、地球の問題として対処してほしい。

今の、そして今までの、日本の政治家らに賄えることとちゃう。
そういう緊急事態において、どうやって対処したらええのか、どうやって教えや助けを求めるのか、
そういう知恵も決断力も責任感も無い。
それはもう、今までの体たらくを見てたらわかるはず。

避難体制も整うてない。
連絡手順も不明。
報道機関もスットボケ。

もういっぺん言わせてもらう。
今回のこの件に関しては、準備に準備を重ね、今までにない慎重さでもって、
世界の知恵と技術を集結したチームと、万が一の際の、市民の対応方法、避難方法、あるいは脱出方法を、
事細かに、すべての市民が知り、準備と覚悟を持つまで、絶対に開始してはならん。
こんな危機意識の無いまんま、絶対にすべきでない物事。

さあ、声を上げてください。
せめて、日本のすべての大人が、このことについて考えてください。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
土の中で10万年隔離するそうです (使用済み核燃料安全なレベルになるまで10万年)
2013-10-30 06:15:28
NHK
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3254_all.html

使用済み核燃料は、安全なレベルになるまで10万年を
要するというNHKの記事を見て大変驚きました。
この事実を知らない人は世界中にたくさんおられるのではないでしょうか?
返信する
使用済み核燃料10万年説さんへ (まうみ)
2013-10-30 10:08:27
そうなんです、10万年なんです。
もう、こんな話、冗談ですよねって思いますよね、普通の感覚を持った人間なら。
しかも、300メートルも掘って、それを埋めるんですから、地震国日本に。

いかにこの国の為政者たちが、アメリカ(軍部)や財閥や官僚らに振り回されるだけのペットのような存在であったかを、如実に現しています。

わたしも、このような件はすべて、原発事故後に生き方、考え方を変えたから知ったのであって、
まだそのような変化を経ていない方々はたくさんおられるのでしょうし、だからこそ、いろんなことがなかなか伝わらないのだと思います。

このNHKのまとめは、とても見やすくていいですね。
教えてくださり、ありがとうございました。
返信する
Unknown (Unknown)
2013-11-02 21:43:59
土の中も危険だということがドイツ?で証明されているので、なにを今更土中に埋めるなどと言っているのか理解なりません。しかも地震大国日本にって、NUMOのCM見ててバカかと思いましたよ。
10万年どころではなく、死の灰がこの世界から消滅してくれる時間は半永久的だということはわかっています。

相変わらずNHKは国民をバカにしています。
返信する
Unknownさんへ (まうみ)
2013-11-03 05:22:57
本当ですね、地震国日本の地中などに、そんな世にも危険な物を埋め込んでいくという、ブラックジョーク……どこまで狂ってるのかとわたしも思います。

28万年などという話も聞きました。
それはもう、人間の生からいうと、永遠という時間です。
そのことすら誰も指摘しない。
どこまで狂ってしまったのでしょうか……。
 
NHKには、どんどん、まともな内容を報道せよと意見をしてください。
いくらなんでも酷過ぎます。
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