ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

「彼の気を散らせておくんだ。その間は北朝鮮と戦争しなくて済むんだから」

2017年05月03日 | 世界とわたし
米大統領が異例の欠席 ホワイトハウス記者会夕食会
【NEWS JAPAN】2017年5月1日
http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-39768271

米大統領とホワイトハウスの記者団が、お互いを痛烈にからかい合うのが慣例となっている、毎年恒例のホワイトハウス記者団夕食会が、30日に開かれたが、ドナルド・トランプ氏は欠席した。
大統領の欠席は、銃撃されて負傷したロナルド・レーガン大統領が欠席した、1981年以来の異例な事態となった。

前年の夕食会では、バラク・オバマ大統領(当時)が、トランプ氏を徹底的にこき下ろした。
このため民主党は、大統領となったトランプ氏が欠席するのは、まだ前回の傷が治っていないからではないか、と皮肉った。

トランプ氏はこの日、代わりに、ペンシルベニア州で支援者集会を開き、「すごく退屈な」夕食会から遠く離れて、「これほど嬉しいことはない」と述べた。

大統領が欠席した(そしてBBCも欠席した)正装の会場では、何があったのか――。

1. コメディアンの最難関
ホワイトハウス記者会夕食会では、大統領が、まず軽い調子で、自分と記者団をからかってから、次に、コメディアンが大統領をネタにして、からかうのが慣例だ。
しかし、その展開は、今年はあり得なかった。
コメディーニュース番組「デイリー・ショー」の「特派員」、ハサン・ミナジ氏が、
「お集まりの皆さん、ホワイトハウス記者会夕食会の、シリーズ最終回にようこそ!」とあいさつしたように。

トランプ氏とマスコミをネタにしたジョークに、集まった報道関係者は、何度か「うーん……」と頭を抱えていたものの、クスクス笑いが聞こえるジョークもあった。
比較的、受けが良かったミナジ氏のジョークは、たとえば――、

「この国の指導者は、この場にいません。
だってモスクワに住んでるから。
すごい長いフライトだし。
それで、もう片方の奴はというと、ペンシルベニアにいるらしい。
冗談が通じないので」

「どうしてドナルド・トランプが、今日、ロースト(からかわれるの意味)されたくなかったのか、分かりますよ。
見た目からして、70年間ずっと、ノンストップでロースト(焼く、の意味)されてきたみたいだから」

(報道陣に)
「このトランプ時代に、皆さんは、今まで以上に完璧じゃないとダメなんですよね。
大統領は、皆さんを通じてニュースを知るので、(中略)だからミスはできない。
誰か1人のミスを、大統領は、会社全体のせいにするから。
おかげで、マイノリティー(少数者)が、日ごろどういう気持ちでいるか、わかったでしょ」

「あと4時間もすれば、ドナルド・トランプは、ニッキー・ミナジ(女性ラッパー)が、この夕食会ですべりまくったってツイートしますよ」


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ロイターの記事には書かれていませんが、彼はとても素晴らしいメッセージを話してくれました。

大統領の替わりに登壇した、イスラム教徒のコメディアン、ハッサン・ミナージュ氏。
そのメッセージの一部を、ここに紹介させていただきます。

呼んでいただいて光栄です、と言ってもいいけど、
それは”オルタナティブ(二者択一)な事実”になるね。
嫌だよ!
誰もこんな仕事やりたくないよ!
だからこそ、(僕みたいな)移民がやることになるんだ。
いつだってそうでしょ?
誰だってやりたくないよ!
誰だって!

多くのメディアが、ドナルド・トランプはゴルフに行きまくってるって報じてる。
でも、一つ聞いていい?
それって悪いことかな?
彼がゴルフしていない時、何してるか知ってる?
大統領やってるんだよ!
彼にゴルフでもさせておこうよ。
気を散らせておくんだ。
バドミントンでも教えたらいい。
彼の体格はボブスレーにぴったりだって、言ってやればいい。
マルバツゲームをやらせてもいい。

彼が気が散っている間は、北朝鮮と戦争しなくて済むんだから!

ドナルド・トランプが、酒を飲まないって知ってるでしょ?
それ自体は立派なことだよ。
でもね、ということはつまり…、
どの声明も、どのインタビューも、どのツィートも、
完全にしらふってことだ。
ありえないでしょ!


このトランプ時代、メディアの皆さんは、かつてないほど完璧じゃないといけないよ。
だって、トランプ大統領は、皆さんからニュースを得てるんだから。
補佐官からでもなく、専門家からでもなく、情報機関からでもなく、皆さんから?!
だから皆さんは、最善を尽くさなきゃいけない。
人の倍できなきゃいけない。
一つも間違いを犯しちゃいけない。
皆さんの誰か一人でもしくじったら、大統領は皆さん全員を非難するんだから。
さあ
これで皆さんも、マイノリティの気持ちがわかったでしょ

皆さんも、今やマイノリティだから、今この瞬間はね、僕の置かれた立場もわかってくれるでしょう。
それは、この国の、たくさんのマイノリティの子どもたちが、感じてることでもあるんだ。
こういう場では空気を読んで、ことを荒立てないでおこうか、それとも本心を言おうか…。

だって、この場は、合衆国憲法修正第一条にある、言論の自由を祝福する場でしょ?
言論の自由は、開かれた、自由な、民主主義の基礎なんだ。
大学のキャンパスからホワイトハウスまで。
アメリカだけだよ。
インド移民一世のイスラム教徒のガキが、こんな舞台に立って、大統領をからかうなんてことができるのは。


この会は、素晴らしい伝統だよ。
世界に向けて、大統領でさえ、(言論の自由を保障した)修正第一条を超える存在ではないんだ、って示してるんだ。
でも、大統領は来なかった。
なぜなら、ドナルド・トランプは、言論の自由なんて気にしていないからだ。
頭に浮かんだものすべてをツィートしちゃう男が、その自由を与えてくれる修正第一条を、認めようとしないんだ。
今何時?11時?
4時間もすれば、ドナルド・トランプは、「ニッキー・ミナージュ(*似た名前の女性ラッパー)が、この会でどんだけ悲惨なパフォーマンスをしたかを、ツィートするでしょうよ。
それも、完全にしらふで。
でも、それは彼の権利なんだ。
その権利(言論の自由)を守るために、僕ら全員が、今晩ここに集まったことを、誇らしく思います
たとえ、ホワイトハウスにいる男が、決して守ろうとしなくても。


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アメリカは大国です。
その大国を牛耳っている、軍産複合体を始めとする権力を持つ者たちが、たくさんの過ちを犯しています。
その最たるものが戦争です。
アメリカが大国になったのは、戦争をし続けてきたからと言っても過言ではないと思います。

そんなふうに上の者に愚か者が多いけれども、この国の社会には、特に市民レベルでは、言論の自由、個人の尊重が、力強く生きているように感じます。
大統領の言動を非難しても、誰一人、「無礼者」などとトンチンカンなことを言いません。
大統領が間違ったことを言ったりしたりしたら、激しく抗議するし、マスコミも無視しません。

日本の今の総理は、漢字もろくに読めないし、自分が口癖のように使っている「そもそも」の意味すら知らなかった…。
こちらでそんなことがバレた日にはもう、夜中の番組までずっと、徹底的にとことんバカにされますし、国の長としての資質を問われます。
まあ、質問を先に知らせてもらってるばかりか、フリガナ付きの、誰かがきちっと書いた回答原稿を読むだけの、小学生にも劣る言論能力しかない閣僚なんて、
そもそも、まともな国会を実施する国には、絶対にいませんしね。

ほんと、日本の政治家、大掃除が必要ですよ。
特に、わたしたち国民に与えられている言論の自由に足枷をつけ、生き辛い社会に変えてってしまおうと企んでいる連中は。

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