ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

『海街diary』と『しばしのお別れ会』と『カヤック漕ぎ』と『沖縄』と

2016年07月27日 | 友達とわたし
のりこ&ジャン夫妻のまぁるいお家に、初めて遊びに行かせてもらったのは、6月のはじめの、空一面が薄い雲に覆われていた日だった。


水がとにかくきれいで、美味しくて、だからウォータークレスが野生ですくすく育っているような町で、
わたしはいっぺんに惚れてしまい、また行きたくてウズウズしていたのだけど、こちらからお邪魔ばかりはできない(←夫のポリシー)からと、
なんの変哲もない、ありふれたニューヨーク郊外の小さな町の我が家に、遊びに来てくださいと誘った。
それも前日のギリギリに。
友だちの仲といえど、予定を決めるのに最低でも3日以上は必要だからと、事前に都合を聞いたりするのが夫の常識なんだから、思いっきり非常識だった。
すると、カヤックに乗る約束してたんだから、こっちにおいでよ!、とのりこ。
きゃっ!とばかりに舞い上がり、行く行く!と答えていた。

そんな会話をしていたのは土曜日で、のりことジャンは、セントラルパークのストロベリーフィールドで、沖縄の基地問題に苦しむ住民の人たちに心を寄せながら、抗議活動をしていた。
わたしは、アスファルトの熱に猛烈に弱い上に、連日の寝不足で体力に自信が無かったので、参加しないと決めてはいたものの、
実は夫もわたしも、その週末は月曜日までの3連休になっていて、遠出はできなくても何かしら楽しめないかとあれこれ探していたら、
是枝監督の『海街diary』が、マンハッタンのリンカーンセンター・シネマでやっているというので、映画館の中なら大丈夫だろうと行ってみた。
この映画は去年のもので、今年の誕生日に届いた弟からの『お楽しみ箱』の中に、この映画のDVDが入っていた。
是枝監督作品の中の日本の風景は、あるある!と頷いたり、思い出されたりすることが多くて、だからしみじみと懐かしくなる。
人々の暮らしや仕事っぷりはもちろんのこと、出てくる人たちの話し方までが、とても自然なので、妙に可笑しかったり馴染みやすかったりする。
だから、4人姉妹それぞれの言葉や動きの中に、小さかった頃の、少しマセていた頃の、そしてすっかり大人になった頃の自分の、
その時々に感じていた可笑しさや辛さ、恐れや怒りや悲しみが、細い水の糸になって絡み合い、わたしの心の中に静かにしみ込んできて、
気がつけば、圧倒的な悲しみに、わたしはすっぽりと覆われていた。
だからぎゅうっと唇を閉じていないと、場所を構わず、小さな子どものように、オイオイと泣いてしまいそうだった。

その後すぐに、クィーンズに住む次男くんたちのアパートに行き、ガールフレンドのまなっちゃんの誕生日祝い&しばしのお別れ会をした。
そんなこんなの、けっこうバタバタしている間に、のりこが誘ったレイチェルと彼女の娘っ子のジェイン、そしてわたしたちの4人がお邪魔する、という計画ができていた。

庭がずいぶんと進化していた。


カヤックがもう既に準備完了。大変だったろうなあ…。


のりこの庭は、わたしが目指す大きな岩と緑のコラボ。


なんて美味しそうな土だこと!


シーサーが見守る庭。


でっかい花。隣のジョウロと見比べてほしい。


これまた元気いっぱい。


花も元気。





さあ出発!
カヤックの先端がにょっきり…こういう光景はなかなか見れない。


4つのカヤックを積んだジャンの車。カヤックはびくともしない。


着いた!前回の湖より何倍もでっかい。


なんか、カナダを思い出す。




レイチェルが持参したカヤックは、彼女の娘たちからの贈り物。今日は初乗り。


順々にカヤックを湖に浮かべる。






オールを組み立てるのりこ。ベテランさんです♪




カヤックの中にカメラを持ち込むのはやめた方がいいと言われ、しぶしぶ諦めた。
だからここからは、レイチェルが携帯で撮ってくれた写真をお借りして。






ジャンのカヤックには帆が付いている。
彼は小さな頃からカヤックに乗っていて、だから帆が受ける風の強さや向きを見極めることができる。
この日はほとんど無風に近かったから、ちょっと大変そうだった。




暑いけれども、水の上なので気にならない。だけど念のために木陰で休憩。


カヤックに乗りながらいっぱい話をした。やっぱりのりこは、出会うべくして出会った人だと思った。


ジェインはピューっとどこかに行ってしまう。漕ぎ方がうまい。


そして、木陰でゆっくりと涼んでいる。


水がきれいで、だからマジで泳ぎたかったのだけど、泳いだ後にもう一度カヤックに乗り込めないのはわかっていたので諦めた。


もうどこにでも生えている野生のラズベリー。超〜うま!



今度はみんなで手伝って、カヤックを積み直し、


サンルーフからカヤックを見上げながら走っていると、


「あ、卵!」とのりこが指差す方を見ると、看板が出ていた。
このお家はご近所で、だからまずは家に戻り、財布を片手に歩いて行ってみると、残念ながら売り切れていた。


ジェインとジャンが、カヤックの片付けをしてくれている。



さあ、夕食の時間だ!
わたしたちが台所で野菜料理をせっせと作っている間に、






ジャンは、秘伝のバーベキューソースをたっぷりかけたそれはそれは美味しいチキンや野菜を、焼いてくれていた。


蚊対策はバッチリ。




小川のせせらぎの音が、耳に心地よい。


この平和を、静けさを、そして自然との共生を、凄まじい騒音と恐怖によって奪われてしまった沖縄の人たちの無念と怒りに想いを馳せる。



わたしのドリームハウス?蚊帳つきの部屋!


美味そ過ぎ!




さあ、食べよう!


レイチェルの娘ちゃんのジェインは、とても聡明でチャーミングな女性で、けれども時々、コトンとレイチェルの肩に頭を乗っける可愛い仕草をする。
いいな〜やっぱり…うちの息子たちなんて、わたしが近寄っていくと後ずさりするんだもんな…。





楽しい時間、美味しい時間は、あっという間に過ぎていく。
気がついたらまた、夜の10時を過ぎてしまっていた。
ジャンとのりこが製作中の、沖縄のドキュメント映画の一部を見せてもらった。
のりこは沖縄のやんばる出身で、だから彼女の沖縄への想いは、わたしの想いなどとは比べ物にならないほどに強い。
そんな愛しいのりこの想いに共感したジャンは、沖縄を学び、沖縄に足を運び、沖縄を自分の心と体で感じ、それを映像に残したいと願っている。
映像とともに流れる三線の響きが、胸に響いた。
映像を見つめているうちに、わたしの頭の中で音符が踊りだした。

さて、居心地が良すぎるからと、長居していてはいけない。
ジャンは明日、務めがあるのだ。
それに、空と海はきっと、連日の置いてけぼりにムシャクシャして、拗ねているにちがいない。
などと自分に言い聞かせなければならないほどに、離れがたい友だちと場所に出会えた。
ほんとにありがとうジャン、ありがとうのりこ。
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4 コメント

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Unknown (かわちゃん)
2016-07-28 14:16:39
ええなぁ、シーカヤックやん。
安定性あるし速いしいええやろ。
かわちゃんへ (まうみ)
2016-08-06 12:26:02
どんだけ返事が遅いねんっ!って怒ってる?
かわちゃんはそんなことでは怒らへん男やもんな。
へへへ。

あれがシーカヤックやっていうのを、今初めて知ったわ。
確かに、乗る時もグラグラせんかったし、漕ぎやすかった。なるほどなるほど。
Unknown (かわちゃん)
2016-08-08 16:20:42
シーカヤックはイヌイットが狩猟に使ってた木の骨組みに動物の皮をかぶせたカヌーが原型やねん。
そやから速く、静か、安定してる必要があったんや。
と、知ってても役に立たん知識をひけらかす(笑)
かわちゃんへ (まうみ)
2016-08-14 06:38:25
イヌイットが狩猟に使ってた木の骨組みに動物の皮をかぶせたカヌー…なるほどなるほど…と、ちょいとわたしも調べてみた。

確かに速いし、安定してたし、音も静かやったなあ。
けどほんま、どんだけよう知ってるんやといっつも思う。
クラスとかクラブとかにひとり、何聞いてもサラサラっと説明してくれる子がいたなあ…などと思い出しながら。

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