ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

苦しんだ人には、その苦しんだ分を、至福に変えられる褒美が待ってる

2012年03月25日 | 音楽とわたし
マレイ・ペライア(Murray Perahia)さんの演奏会を聞きに、リンカーンセンターに行ってきた。
コネチカット州に住む、ゆうこ&ジョシュが、このコンサートに行きがてら、わたし達とランチでも、と誘てくれた。

彼のバッハをいつやったかに聞いて(もちろん生ではない)、ひと目、いや、ひと耳惚れした。
いつか、おんなじ空間で、彼のピアノの響きに身を委ねたいと思てたので、うっひゃ~とばかりに興奮した。
その彼のコンサート♪チケット、まだ余ってるかなあ……。

待ち合わせはリンカーンセンターの噴水の前。
ベスト・パーキング・ドットコムで見つけた、近所の駐車場に車を停め、てくてく歩く。

延々と続くまぁるいベランダ。


観光客やあるまいし、いちいち立ち止まって写真撮んの、ええ加減にやめなはれ!と言わんばかりの旦那。


無事にチケット(舞台からは遠ぉ~~~い所の席やけど)をゲットして、4人でまずは腹ごしらえ。
ジョシュはプログラマー兼ピアノ弾きさんで、リンカーンセンターのプレゼンツをコーディネートしてる人。
こういう所のスクリーンや、


こういう、演奏会のお知らせボード(つい最近までは、デジタルスクリーンではなく、普通のポスターやった)も彼の仕事。


今日も肌寒い曇り空。
リンカーンセンターと目と鼻の先の、ニューヨークっぽいダイナーでランチ。


トイレに行った旦那が、席に戻るや否や、「めっちゃ変わったトイレやった」と口を滑らせたのが運の尽き。
「なんかもう、風呂の浴槽みたいやった」だの、「あそこやったら魚が飼える」やの、もうあきまへん、カメラを手に再度出向を命ず!



さて、リンカーンセンター『Avery Fisher Hall』、いつもはメトロポリタン劇場ばかり行ってるので、実はこれが初めて。


お客がどんどんどんどん入ってくる。結局ほぼ満席になった。

これは、今日のプログラムには入っていない曲やけど、彼のバッハがあまりに美しかったので、別の曲やけど、幸せのお裾分け。


今日のプログラム。
・バッハのフランス組曲No.5 in G major
・ベートーヴェンソナタNo.27 in E minor
・ブラームス四つの小品Op.119
・シューベルトソナタD.664
・ショパンポロネーズOp.26, No.1
・ショパンプレリュードOp.28, No.1
・ショパンマズルカOp.30, No.4
・ショパンスケルツォOp.39

総立ちの拍手喝采に応え、疲れ切ってはったけど、シューベルトの即興曲を、アンコール曲として弾いてくれた。

今回の一番のお気に入りは、バッハのフランス組曲、次はショパンのプレリュード、もういい意味での寒気がした。
彼は、親指の故障で、しばらく第一線から退いていたのやけど、また復活して、復活してからの方が、チャレンジ精神旺盛な活動をしてるそうな。
彼の、やわらかで、かろやかで、けれども薄墨のように心にしっとりとしみ込んでくる音が、まだ耳の中に残ってる。
至福の時……。
誘ってくれてありがとぉ~!ゆうこ&ジョシュ!

休憩時間にちょいと建物の外に出る。




昼間のメトロポリタン劇場。なんか全然雰囲気がちゃう。


裏の広場。


建物の中の天井も、なんかわけわからんけどパチリ。



演奏会が終わり、偶然会うたまゆみさんも加わって、今度は5人でお茶。
彼女もプログラマーで、リンカーンセンターで働いてるそうな。
彼女の行きつけのダイナーに行き、興奮覚めやらずの気持ちを語り合う。

さあ、帰ろ。


晴れ間が出てきた。


ポンちゃんが、寒そうに満開。


来週はずっと、肌寒い日が続くので、もしかしたらポンちゃん、きゅっと花びらを掴んでくれてるかなあ……。


一日月と夕焼け雲。



ペライア氏は、親指の故障で、数年間にも及ぶ休養を、余儀なくされはった。
全くピアノを弾けへん期間があって、その間、バッハを研究しはったらしい。
きっと、彼のそばに、天からバッハが降りてきてはったんやと思う。
彼の魂は、バッハのそれと、その時つながったんやと思う。
それほどに、人間であることが嬉しくなってくるような、それはそれは優しい、慈しみのある音やった。
包まれてる、というより、寄り添ってもらってるみたいな感じ。
なにか、こちらの気持ちを引き出して、それを聞いてもらってるような感じ。

苦しんだ人には、苦しんだ分だけの贈り物がある。

そんなことを、しみじみと感じたひとときやった。
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2 コメント

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ああ!! (terryjam)
2012-03-26 14:13:24
こんなにうらやましくて悶絶させられたのは久しぶり!!!です。
「フランス組曲No.5 in G major」!
私が知ってるクラシック音楽の中で一番好きなんです。
いつ、どんなときに聴いても新しい感覚を与えてくれる、私を穏やかに導いてくれる、私の目を開かせてくれる、ああもう私の語彙が少なすぎて、語る形容詞が足りません。
それを、コンサートで聴けただなんて!!それだけでもうらやましい。
プログラムの選曲がまたゾクゾクしますね。
うらやましくって指先がもぞもぞカユイ!!!(変態かしら・・)
terryjamさんへ (まうみ)
2012-03-27 04:54:35
あらら、terryjamさん、悶絶しはったんですか?!がはは!

いやいや、実はわたしもこの『フランス組曲第五番ト長調』、めっちゃ好きなんですよ♪
なので、今回は申し訳ないですが、思いっきりうらやましがってください!!
もうほんまに、天に舞い上がってしまいそうやったので♪

彼のバッハは、う~ん、これまたどんな言葉を使って説明したらええのか、わからんぐらいに素晴らしいです。はい。
優れたテクニックに加え、あの人間味あふれるやさしさ、優雅さ、切なさ、
指先、またもぞもぞカユなってきたかな?ふふふ♪

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