わたしのすきな、あの子のはなし

― こころはいつも伝えてる 声をもたない言葉たち ―

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2016年10月12日 22時42分18秒 | ことば



誰かのことを 深く知ることは

誰かにじぶんのことを 詳しく話すことだ



「知る」ことには 責任が生じる

そして 「話す」ことにも 責任が生じる



覚悟というよりは 「責任」

真実は 少なからず“チクリ”と 痛いのだ







「あなたは何も話してくれないのね…」

私は いつもそう思いながら 知ることを拒んでいた

知りたくはなかった… 知りたいと思う以上に



何時間も話して 夜明けを迎えて

「こんなにも長く話せるなんて不思議ね」なんて



何度も何度も 抱き合った夜でさえ

わたしは 本当のことなんて 話さなかった



真実を知られないために

すき間を埋めるようにして ただ話し続けていた







言葉も こころも 消費されない

そこはかとなく湧いてきて 落ちたり 消えたり…



何を話せば よかったのだろう…

相手に何を聞けば “知った”ことに成れたのだろう







“知る”ということは

ただ単に 言葉にして説明することとは違う

言葉と本音には すき間がある



感情を言葉に変換して

口を伝って空気に触れて 相手がそれを聴いて

その人の「感覚」に 変換される



相手に中に落ちる頃には

“伝えたかったこと”は 原型を留めていない気がする







おそらく

“知る・伝える”ということは 繰り返しなのだ



何度も何度も 繰り返すことによって

自分と相手との間に生じた「誤差」が 修正されていく

それは 言葉と感情の誤差にも通ずる







「自分を識る」ということは

相手を理解する以上に 労力を伴う気がする



だからきっと…



わたしが一番知りたくなかったのは

相手のことではなく じぶんの気持ちだったのかもしれない



そこから遠ざかることこそが

私にとっての「恋愛」だったような気がする



本を開くように… 映画を見るように…

現実逃避をするために じぶんを棄てて置き去りにするために

じぶん以外の誰かで在るための 「時間」だった



だから きっと…



知りたくないことと

知られなくないことは 同じなのだと思う







今もう一度 出会ったとして

わたしは あの人のことを “知りたい”と思うだろうか…



熱帯魚を ただ眺めるようにして

あの人のすべてを 聞き流してしまいそうだ…



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