まやの午睡

日常の記録です。

ここまで信用されていないとは…

2016-12-03 23:30:03 | 日記
ある土曜日。夫が、Kちゃんのベビーシッターを9時から12時まで次女に頼まれた。

その日は午後から画家の友人のグループ展示会がある。

次女の住んでいるのと同じモンパルナスだ。
うちからはメトロの13番線。

私は午前中生徒たちが来るので動けないが、午後は展示会に行くつもりので、夫が途中でうちに戻ってきてからいっしょに出直すよりも、私が次女のところに合流する方がいいということになった。

次女たちの予定は分からないが、夫とどこかで昼食をとってもいいし、Kちゃんを連れていけるようなところだったら、みんないっしょにレストランで奢ってあげるよ、と次女に言った。

すると、1時にパパくんの従弟が次女のうちに来る予定なのだという。

じゃあ、従弟くんも一緒に奢ってあげるよ、と言ったが、ちょうどKちゃんの食事時間と重なるから出かけるよりもうちで食べよう、という。

で、何か持ってこようか ? と聞くと、

「じゃあ、デザートのケーキを持ってきて」

と言われた。

私のうちの近くで買ってメトロに乗るのはいやだから、モンパルナスで降りてから買おうかなと言ったら、夫が、「駅から次女のうちに行くまでの左側にパンとケーキの店がある」というので、そこで買うつもりでいた。

すると前日の夜、午前中の最後の生徒がレッスンに来れないと連絡してきたので、早めに出られることが分かった。

で、私はLINEで次女に、「

「じゃあ、パストゥール(この駅からでも次女のところに歩いて行ける)で降りて、ピエール・エルメ(有名なパティシエ)の店でケーキを買っていくよ」、

と伝え、次女は喜んだ。

そうして、土曜の朝。9時少し過ぎ。

次女からLINEが入って、

「パパがママンにパン屋さんの場所を教えたと言ってるけど、あそこは土曜日休みなんだよ」

と書いてきた。

「ピエール・エルメに行くって言ったでしょ。だから大丈夫。」と私。

すると次女が、

「ピエール・エルメに行くなら13番線じゃなくて12番線だよ」

と書いてきた。

そんなこと分かっている。

そのあたりは前にタイ式マッサージに通っては、帰りにピエール・エルメに寄っていた界隈なのだ。

それに、もし百歩譲って私に土地勘がないとしたら、インターネットで検索して確認しているところだ。

モンパルナスは私がパリで最初に住んだ場所でもある。

すると、何分かして夫から電話があった。

「ぼくの言っていたパン屋が土曜は閉まっているのが分かった」って。

「ああ、次女ちゃんからも連絡があったよ。でも私は最初からピエール・エルメに行くつもりだから」と私。

すると夫はこう言った。

「それなら13番線に乗っちゃいけない。12番線に乗らないと」


なんだか不思議だった。

この人たち、私が、何番線のメトロに乗るかを確かめもせずに出かけるとでも思っているのだろうか。
私は確かに引きこもり気味の人ではあるが、12番線も13番線も、ダンスのレッスンやらなんやらで定期的に使っていた路線だ。
それに、しつこいようだが、今の時代、たとえ行ったことのない場所だとしても、ネットで検索して地図だってプリントできるし、行けるに決まっているのに。

しかも夫の口調と次女の口調がそっくり。

まるで、昔、私の母がフランスに遊びに来ていた時に私がフォローしたり、一人で出かける父のことを気遣ったりした時みたいだ。

私はずっと自分が家庭内の独裁者だと思っていた。
すべてのことの最終決定権があったし、拒否権もあったし、子供たちがパパに何か頼むときも、私を通して頼むことになっている。
何につけても私がOKすればOKで、私がダメと言えばダメだとみんな知っている。

それなのに、私ってそんなに頼りなく見えるのだろうか。

親が齢をとってきていろいろ心配だ、と言うのなら分からないでもないが、夫は私より年上だ。
あんたに言われたくない、とも思う。

その後、無事ケーキを持って次女のうちに着き、Kちゃんをあやしていたら、Kちゃんが後ろに体をそらした。
夫があわてて支えに来た。「気をつけないと」と言う。

私にすればKちゃんの動きは想定内なので、もともと支えるつもりだったのに、まるで私をアシストしないとKちゃんの安全を守れないから見張っていたかのように。
私が3人の子供を育てたことはあんたが一番よく知ってるでしょ。

何で、何で、私って、何にもできないように見えるのだろう。
ほんとに不思議だ。そのことで得をしているのか損をしているのかすらよく分からない。
まあ、いまさらキャラが変わるわけではないし、しょうがないけれど。

ともかく、お昼はパパくんの手料理とピエール・エルメのデザートで楽しくおいしくいただいた。
おまけに同席したパパくんより2歳若い従弟がすごくハンサムでかっこよくて、すてきだったので、いっしょに写真を撮らせてもらった。
以前に彼のインタビューなどをネットで見ていてその時も好青年だと思っていたけれど、なんだか普通でないオーラを発していて驚いた。
インタビューを見て好奇心を持ったので、じつは彼に質問しようとリストを用意していた。仕事や政治から恋愛までなんでも聞いてみたのだけれど、全部誠実に答えてくれた。

次女の住むアパルトマン(17階)のベランダから従弟クンの住むレンガの建物が見下ろせる。彼はKちゃんにとっても特別な人になる予定だ。ついでだから私のコンサートの世話も頼んでおいた。楽しみ。
コメント
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