うたことば歳時記

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小寒

2017-01-03 15:53:19 | 年中行事・節気・暦
 元日を迎えると、すぐに小寒の日となります。例年は1月5日か6日のことです。この日を寒の入りと称し、大寒の日を経て節分までを寒の内といい、一年で最も寒い時期ということになっています。このことはまあ全国的に見てだいたい当たっているのではないでしょうか。東京の最近30年の冬の最低気温を調べてみると、11月は8.3度、12月は3.5度、1月は0.9度、2月は1.7度、ついでに3月は4.4度でしたから、確かに1月の大半が「寒中」であることを納得しました。北海道の人にとっては、「そんなに暖かいの!」とびっくりされそうですね。寒さにめっぽう強い私も、この頃は夜にはそろそろストーブを点けようかなどと思っています。書斎の室温は夜は5度くらいですので。

 ネットでは小寒の時期の伝統的行事として、七草粥を上げていることが多いので驚きました。しかも「お節料理を食べすぎて疲れた胃腸を労わる七草粥」、「凍りついた大地から芽吹く若芽を食べることで、その年一年の無病息災を願う日本の伝統行事」などと表現されているのを見ると、がっかりしてしまいます。そもそも「七草」は旧暦の1月の行事ですから、新暦の1月の行事ではありません。また「胃腸にやさしい粥を食べて」などという解説は、本来の七草からはずれてしまっています。新暦で「七草」をしようとするからそういうことになってしまうのでしょう。また「無病息災を願う」というのも少々はずれています。七草の本当の意味については、私のブログ「うたことば歳時記」に「春の七草」「本来の七草」と題して公表してありますから、そちらを御覧ください。

 寒中には、寒さを活かした食品づくりが行われます。凍り豆腐・寒天や、味噌や酒などの仕込みが行われます。まだ現役の教員の頃、何事も体験とばかり、豆腐を冷凍しては天日で乾燥させ、「凍り豆腐」のまがい物を作ったことがあります。そんな経験も授業ではとても役に立ちました。

 また寒稽古が行われるのもこの頃です。息子が剣道部に所属していて、早朝6時には登校するというので、定時制勤務の私は大変困ったことがありました。父は修験道の家に育ったため、私もまねごとをして寒中に滝浴びをしたことがありますが、終わった後は気分爽快でした。

 寒中見舞いを出すのもこのころですね。昨年秋に父が天寿を全うしましたので、仕来りにより年賀状は書きませんでしたが、年末に形ばかりの喪中挨拶の葉書を送るのもためらわれ、まだ何もしていません。それよりは松の内を過ぎてから、ゆっくりと寒中お見舞いの葉書で御挨拶した方がよいと思い、そろそろ書き始めるつもりです。

 小寒の時期の七十二候は、初候が「芹乃栄」で、「せりすなわちさかふ」と読みましょう。芹がよく生育するというのでしょうが、まだまだ時期的には少し早すぎるかもしれません。そもそも「せり」という呼称は、競り合って生長することによるという説があるくらいで、我が家の周辺では、4月頃には鎌で刈り取るくらいに繁茂します。しかし暖かい地方ではそうなのかもしれませんが、「栄」と言うのは、少なくとも東京周辺ではこの時期には無理でしょう。昨日も試しに芹を摘みに行きましたが、日当たりのよい水路で少しだけ見つけてきました。それでも七草粥に入れる程度の量なら、もう摘むことができそうです。

 次候は「水泉動」で、素直に読めば「すいせんうごく」となるのですが、ネット情報では「しみずあたたかをふくむ」と読ませるものがたくさんあります。しかしどうやってもそんな風には読めません。こじつけもいいところです。そもそも「あたたか」という言葉は形容動詞ですから、それを名詞のように用いることは、何か日本語表現として違和感を感じます。私は文法には素人なので、専門家に言わせれば可笑しくないのかもしれませんが、普通は使わない表現です。「あたたかさをふくむ」ならわかりますが・・・・。

 また「すいせんうごく」についても、「地中で凍った泉が動き始める」という解説が多く見られます。これも現実にはあり得ません。地中の温度が0度以下になるのは余程のことで、日本で地下水が凍ることが普通に見られるのでしょうか。我が家の側の湧き水はそのまま飲めるくらいにきれいなのですが、一年中枯れることなく滾々と湧きだしています。

 末候は「雉始雊」で、「きじはじめてなく」と読めます。我が家の周辺には一年中雉がいますが、確かに11月から1月はめったに鳴きません。ただし夜に地震があると必ず鳴きます。地震の前に鳴いてくれると予知ができていいのですが。早春になると確かによく鳴くようになります。まあ末候の内容は、暖かい地方では実際にもあり得るかも知れません。
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