ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

ドイツワインの伝統と最旬―その2

2016-12-28 17:55:55 | ワイン&酒
その1に続き、ドイツワイン忘年会で飲んだワイン―その2。
おそらく、日本で一番ディープなドイツワインと飲み手が集まったと思われます(笑)

16人で20本?21本?だったような?
そんなに一度にたくさんのドイツワインばかり飲んで、飽きるんじゃないの?と思った方、それは偏見です。

ドイツワインに対する多くの人の認識は、おそらく「リースリング」、「甘め」、「軽め」かと思います。

が、すでに昨日も紹介していますが、ドイツワインの品種はリースリング以外にもたくさんありますし、味わいだってさまざまで、昨日のワインはすべて辛口でした。
繊細で軽やかなタイプもあれば、濃密なもの、骨太のもの、複雑なものだって当然あります。

もちろん、多くの方のイメージにあるような、甘さのしっかりしたワインも伝統的です。
今日は、そうした伝統的な、しかも、素晴らしいドイツワインを中心に紹介したいと思います。



Schloss Johannisberger Riesling Grünlack Spätlese 1976 (Rheingau)

いきなりですが、シュロス・ヨハニスベルガーの1976年です。
ラインガウの、いえ、ドイツワインの最高峰のひとつ、といっても過言ではない銘醸で、遅摘みの“シュペトレーゼ”の生みの親でもあります。



1976年ということは、40年経過しています。
輸入年月日は、昭和54年3月(西暦1979年)のようです。

カスタードっぽさ、寒天ぽさがあり、貴腐のニュアンスがあり、上品でしっとり。
まだ生きています。魂が揺さぶられるような、神秘的な感じがします。
他の国のワインにはない個性でしょうね。


Schloss Johannisberger Riesling Spätlese trocken 1985 (Rheingau)
Schloss Johannisberger Riesling Spätlese trocken 1990 (Rheingau)

なんという贅沢!
シュロス・ヨハニスベルグのシュペトレーゼ・トロッケンのヴィンテージ違い

1990年は香ばしいアロマがあり、クレーム・ブリュレを思わせます。
1985年はカスタードのニュアンスが出ていますが、酸がしっかり残っています。
いずれも気品があり、デリケート。



Lorcher Krone Riesling Eiswein 1998 Weingut Troitzsch-Pusinelli (Rheingau)

土壌はスレート。気温が氷点下7度以下まで下がり、ブドウが凍った時に収穫するため、糖度が非常に高くなるアイスワインですが、やはり酸がしっかりあるのがドイツらしいと思いました。
キレイなエクストラクトで、パンぽさ、アプリコットジャム、干したアプリコットといった印象。



Feilbingerter Konigsgarten Scheurebe Eiswein 1999 Weingut Lötzbeyer  (Nahe)

こちらもアイスワインですが、ブドウはショイレーベで、産地はナーエ。
アルコール度数は7.5%。

アイスワインは糖度が高く、アルコール度数が低いので、ワインに不慣れな人でも口当たりよく飲めます。
だからといって、アイスワインはガブガブ飲むものではありません。

ドイツでアイスワインをつくる場合、-7℃以下にならないと、アイスワインという表記ができません。
アイスワイン用のブドウは、気温が下がるクリスマスの頃まで枝に実を付けておかねばなりません。通常のブドウの収穫よりもずっと遅いため、収穫までのリスクが高くなります。
近年は温暖化で、規定温度以下に下がらず、アイスワインが造れない年も多いのです。

ですから、ドイツのアイスワインは本当に貴重なワインなのです。




ドイツというと、甘さに特徴のあるワインが目立つかもしれません。
辛口(trocken))表記であっても、どこか甘いニュアンスを感じたりもします。

しかし、長命で、酸もしっかり残ります。

これこそ、ドイツワインらしい伝統のひとつであり、上で紹介してきた素晴らしいワインたちをご覧いただいたのでお分かりかと思いますが、冷涼な土地で連綿と受け継がれてきた、そして後世に遺すべき素晴らしい財産であり、リスペクトすべき存在なのです。


もう少し続きます

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