ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式雑記

スーパープレミアムチリワインは今

2012-02-16 16:21:32 | ワイン&酒
チリワインの話をもうひとつ

1999年夏、「ワイナート」3号のチリワイン特集で、新星のように現れたワインが堂々の1位(94点)を獲得したことに驚いた人も多かったのではないでしょうか?

そのワインこそ、エチケットが印象的な Domus Aurea 1997(ドムス・アウレア) でした

チリ、マイポで最高といわれる地区に所有している畑は、高名なコウシニョ・マクールがかつて所有していた一部でした(1925年に購入)。
以降、エラスリス、サンタリタ、コンチャ・イ・トロなどの高級レンジワインにブドウを提供していましたが、1995年にワイナリーを設立し(ヴィーニャ・ケブラダ・デ・マクール)、自らワインづくりに乗り出しました。

ケブラダ・デ・マクールがつくったドムス・アウレアの初ヴィンテージは1996年(リリースは1998年11月)。醸造家は、チリを代表するワインメーカーのイグナシオ・レカバレン氏

翌1997年がマイポのグレートヴィンテージだったこともあり、わずか2年目のドムス・アウレア1997年は、「ワイナート」で取り上げられるや否や、一躍注目を浴びることになりました。



1999年夏というと、ちょうど1997〜1998年頃からのワインブームが熟し、安くて濃厚なチリのカベルネ・ソーヴィニヨンが“チリカベ”として大ブレイクしていた時期。

この頃は、安くて美味しいチリワインだけでなく、モンテス・アルファ“M”、セーニャ、アルマヴィーヴァ、ドンメルチョー、エラスリス・ドン・マキシミアーノ等、チリなのに非常に高額な(5,000〜1万円前後)スーパープレミアムチリワインも人気となり、ワイン会にもこれらのワインがよく登場しました。

しかし、21世紀に入り、チリワインブームが落ち着いてくると、お手頃なチリワインはそこそこ需要はあるものの、スーパープレミアムチリワインの噂はいつしかほとんど耳にしなくなりましたよね・・・
スーパープレミアムは普段飲みには厳しいですから・・・



ところが、先日、1999年代後半のドムス・アウレア を飲む機会が巡ってきました!


Domus Aurea 1998/1999 Vina Quebrada de Macul (チリ)

ある会でこれら2本が出されることを知り、今どうなっているのか、飲んでみたくなりました。

1998年エル・ニーニョで天候不順となり、収穫はあまりいい状況ではなかったため、30%がセカンドワインに回されました(生産24,000本)。
また、ドムス・アウレアは基本的にはカベルネ・ソーヴィニヨン100%でつくられますが(1996、1997、1999)、1998年はカベルネ・フランが少量ブレンドされたようです。アルコール14%。
色は非常に濃厚で、果実味も鮮やかですが、ミント、土、鉄っぽい風味を感じます。

1999年天候に恵まれ、収量も低く抑えた収穫ができました(4月22-26日)(同36,000本)
外観は1998年と同様に濃厚です。しかし、熟したアロマが豊かで、口に含むと非常に凝縮感があり、エクストラクトが強いパワフルなワインです。それでいてしなやかで、色気があります。アルコール14.5%。



どちらもヴィンテージの影響がよく出ています。1998年はちょっと気の毒な年でした。
1999年は素晴らしい熟成を遂げていて、今まさに飲み頃になっていますが、これから先も進化しそうです。

1996年、1997年、1999年はいいヴィンテージなので、今このあたりを持ってる方は、もう少し待ってみると面白いのではないでしょうか。



現在のドムス・アウレアは、2002年にボルドー出身のフランス人醸造家ジャン・パスカル・ラカーズ氏を迎え、新たな時代となっています。



2003年には、ドムスのセカンドワインだった「ステラ・アウレア」のコンセプトを変更し、ドムスと並ぶプレミアムワイン(女性的なエレガントさを追及)として生産し、「アルバ・デ・ドムス」を2つのプレミアムワインのセカンドワインとしています。

今のドムスがどうなってるか知りたい方は、ぜひこれらを試してみてはいかがでしょうか?
新たな発見があるかもしれませんよ?



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