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ワレフスカ・チェロリサイタル(6月5日)

2010年06月06日 | コンサート
復活した石橋メモリアルホールで開催された幻のチェリスト、クリスティーヌ・ワレフスカのリサイタルである。素晴らしいアコースティックで知られた石橋メモリアルホールが新たにオープンしたが、舞台に据えられたオルガンが懐かしい。残響がいくらか短かくなったようだが、そのすっきりした音色はなかなか好もしい。プロローグとしてバッハのアリオーソを置き、ブラームスのソナタ一番とショパンのソナタでアルゼンチンの小曲たちを挟み、エピローグにショパンの「序奏と華麗なるポロネーズ」を置いた独特のプログラムである。これまで共にツアーをしたきた伴奏の斉藤雅広がこの最終日に至って福原彰美に変わったが、明るく輪郭が明確で逞しく自己主張するチェロと、それにしなやかに追従する変幻自在なピアノにより、見事なアンサンブルが生まれた。ブラームスでは曲の骨格が明確にならずソナタの顔がなかなか見えてこなかったが、お国もの(育った国)では品格のともなったローカリティーが香った。このチェリストの美点は、強靭な表現力が決して品格を崩さないところである。圧巻は後半のショパンで、作曲家を含めた三者の感性が一つになったような理想的な演奏となった。とりわけ最後のポロネーズには暗譜で臨み、そこには、自在なテンポ処理をいささかも不自然に感じさせない「血」のようなものさえ感じることが出来た。(もしや名前からしてポーランド系ではないか)最後に夜想曲がアンコールされたが、全体を通して、ワレフスカの力量を存分に発揮せしめた福原の好サポートが印象的であった。
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