ご主人様、最近天気が悪いね。だから、寒くて炬燵をだしたよ。お前は喜んで、炬燵から
出て来ないね。だって気持ちがいいもの、寝るには暖かくて、最高だわ。でも小さい炬燵だか
ら狭くて、ふくちゃんが入ってくると、寝てられないわ、それにご主人様の足も邪魔だわ。
おいお前達の為の炬燵じゃないぞ、俺が寒いから出したんだよ、もう少し小さくなっていろよ。
だんだん冬に向かってるね、紅葉も終わりだし、衣替えもしたし、暖房の準備も出来たし、
今度は、洗濯干場の結露を何とかしないとな。何とか出来るの？だから考えてるんだよ。
ホームセンターに行って、色々探して来るよ。ご主人様も次から次とやることがあるね。
ご主人様、まだ復活しないの？まだだ・・・いい加減にしてよね。自分のことは自分で
でしょ。分かってるけど、身体が動かないよ。家の中が暗くてしょうがないわ。
俺の事は置き物だと思って、気にするなよ。なんでこうなるんだ、しっかりしてよ。
そうだ、こんなことをしてられないよ、文化祭が来るんだ、ポスターを取りに行かないと、まず
いよ、それに試食品も２００人分作らないと、いけないんだ。忘れていたぞ。
よし美味い物喰って、活力を取り戻さないと・・・おっやっとやる気になったね。
ご主人様、玄関に誰か来たよ。参ったよ、鮭をもらったよ、半身だけどでかいよ、始末をする
のが先だよ、どうする、塩振りと、味噌粕漬けと、どんがら汁とたまごは醤油づけにするか。
忙しくて、落ち込んでられないよ。よかったご主人様の復活だ
ご主人様、起きてよ、何時だと思ってるの。もう少し寝させてくれよ、疲れて動けないよ
遊びすぎよ。身体が言うこと聞かないよ。無理するからだわ、若い、若いと思っていても
年には勝てないんだから、自分で管理するしかないわ。年より扱いなんてしてないわ、ご主人
様のことが、心配なだけよ。分かった、足も痛いし、身体もだるいし、今日の卓球は休むよ。
長く卓球を続けたいなら、休むことも有りだね。分かってるんだけど、ついつい無理をしてし
まうよ。倒れてからでは遅いよ。そうだな、よし今日はお前達を風呂に入れるか。
寒くなると、可哀想だからな。風呂は嫌いなんだけど・・・我慢しろ、やる気になったんだから
我慢してくれ、俺の布団に入れてやるからな
ご主人様、目覚ましかけて、うるさいわよ。鳴ったらすぐに起きて止めてよ。
分かった、分かった。2度は言わないでよ、馬鹿にしてるの？今日は工場見学に行くんだよ。
うれしそうだね、お土産と試食品が食べれるから、嬉しいんでしょう。よくわかったな、それが
なければ、遠くまで見学に行かないよ。遅れないように、行って来るよ。
お～い帰ったぞ、お土産だよ。疲れたよ、バスの中で足が痙攣して痛くて、それに胃の調子
が悪くて、まいったよ。疲れてるのに、無理して行くからだわ、それに試食品を食べすぎたんで
しょう、同情の余地はないわ。ただほど高いものはないわ。何とでも言ってくれ、俺は寝るよ、
しかたがない、付き合うわ。
ご主人様、どうしたの、困ったことでもあるの？俺の顔に書いてあるか。
元気がないから、心配してるのよ。そうかお前に心配されるようでは、俺もまだまだだな。
実はクロスケのことなんだよ、朝早くから何時間も待ってるし、昼も夜も来るんだよ。
情けをかけるからだよ、ほったらかしにしてたらいいのに・・・それも可哀想なんだよ。
俺を待ってるし、頼りにしてるんだよ。馬鹿馬鹿しい、駄目だよ、図に乗って毎日来るよ。
そうなんだよな、だから困ってるんだよ、あいつらも必至なんだよ、生きるためにな。
じゃあどうするの？いるんだよな、玄関の前にな。宝くじを買って、1億当たったら猫御殿を
建ててやるなんて、言うから当てにしてるんだわ。邪険にすることも俺には出来ないし、
優し過ぎるんだな。あきれたわ、じゃあ困ったなんて言わないでよ。
