まてぃの徒然映画+雑記

中華系アジア映画が好きで、映画の感想メインです。
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少女は悪魔を待ちわびて

2017-07-16 22:12:18 | 韓国映画(あ~な行)

韓国映画らしい濃密さがあり救いが見出せない作品。

殺人事件の容疑者に刑事だった父を殺された過去を持つ少女ヒジュ(シム・ウンギョン)。犯人のギボムは逮捕され、懲役15年の実刑を受ける。15年後、ギボムは出所するが未解決事件を追っている警察の監視対象となる。一方、父の同僚たちが面倒を見て成長したヒジュも密かにギボムへの復讐を狙っていた。

ギボムが出所したのと機を同じくして、再び凶行が発生する。警察はギボムを徹底マークするが、その監視を嘲笑うかのように事件が続く。刑務所に入る前のギボムの過去が明らかになり、真相を知ったヒジュはギボムを追い詰める。。。

壁一面に貼られたポストイットや床を埋め尽くす写真から、ヒジュの心が振り切れてしまっていることがわかります。誕生日にケーキを買って帰ってきた父親が目の前で惨殺されて、血の流れ出る父の死体と一緒に一晩過ごしたら、幼い幼稚園児か小学校低学年くらいの少女の心はガラスが砕けるかのように壊れてしまうことでしょう。一度壊れてしまった心だからこそ、涼しい顔で目を背けたくなるくらい残虐な復讐ができたんだと思います。また、シム・ウンギョンにそうした冷めた顔が合ってるんだなあ、これが。

敵役のギボムとミンスも、心が壊れた2人です。幼い頃に何があったのか、あるいは元々サイコパスっぽい気質だったのか、人を殺すことに何の罪悪感も感じない、そして笑みさえ浮かべているというのは、もう完全にあっち側に行っちゃってる人です。ミンスがギボムの服役していた15年もの間、鳴りを潜めていたというのがちょっと不思議ですが、ギボムの行動が刺激となって欲望が起きる特異体質だったのでしょう。

そして韓国映画でこれまたお決まりの、間抜けな警察。こんなにいつも犯人に出し抜かれたりしていて警察から映画界にクレームはこないのでしょうか?日本だったらいろんな許認可を出さなかったりという嫌がらせがありそうだけど。この作品でもやすやすとギボムの警察署内への侵入を許してヒジュの情報が洩れるダメダメっぷり。まあ、多少コミカルなくらいが笑えてちょうどいいんだけど。

ヒジュが大型犬用の首輪を買っていたのはブラックユーモアですね。コンサートチケットを行けないと思いつつ予約していたシーンは切ないです。そして全てのケリをつけるブランコのシーンはスケッチブックにも描いていて、そこに全てを持っていく計算と覚悟に胸が詰まりました。

公式サイトはこちら

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