まてぃの徒然映画+雑記

中華系アジア映画が好きで、映画の感想メインです。
たまにライヴや本の感想、中小企業診断士活動もアップします。

ブラック・スワン BLACK SWAN

2011-05-20 23:58:43 | その他の映画(は~わ行)

ナタリー・ポートマンのアカデミー主演女優賞受賞作。

バレリーナのニナ(ナタリー・ポートマン)は、所属バレエ団の次期プリマに選ばれる。演目は「白鳥の湖」。だが、プリマは気品ある白鳥とともに官能的で邪悪な黒鳥も踊らなければならない。振付師のトニからは「君は白鳥は完璧だが、黒鳥の官能さが足りない」と言われて思い悩む。元バレリーナの厳格な母親の下でバレエ一筋に生きてきたニナにとって、黒鳥の様子はどう表現していいかわからないものだった。

前のプリマであるベスは、トニが自分を外したことに腹を立てて、ニナのお披露目パーティの日に酔って悪態をついた挙句、交通事故に遭う。トニはニナを誘惑するが、それも黒鳥の官能的な踊りのため。しかし潔癖なニナはトニの相手ができず、繰り返し黒鳥の振りを練習させられるが、官能的でないため全然OKが出ない。

バレエ団に新しくやってきたリリィは背中に刺青が入っている官能的な女性。黒鳥役に思い悩むニナを気晴らしに夜遊びに誘う。お酒とクスリでトリップして現実逃避をするニナだが、翌日寝坊して稽古場に行ったとき、自分の役を踊っているのはリリィだった。しかも前の夜はニナの家には泊まっていないというのだ。

このあたりから、ニナの経験が本物なのか、ニナの妄想なのか、わからなくなってきました。表現しきれない役柄に追い詰められていたかと思ったら、今度は自分のできていないことを完璧にこなすライバルが現れて、さらにニナは追い詰められていきます。電気の消えたスタジオの奥にいたトニとリリィは本物なのか?あのリリィと過ごした夜のベッドは本当なのか?肩の背中側にある引っかき傷は、日に日に深くなっていきます。それも本当なのかどうなのか、判断に迷います。最後には傷から黒鳥の羽が出てくるんですから。そして鏡の中の自分がときどき違う動きをする。こんなことが起きたら、もう精神的に参ってます。

プリマの辛さを感じたニナは、交通事故で入院しているベスのところに行くが、それは密かにくすねて持っていたベスの小道具を返すためだった。憧れの人のものを密かに盗るっていうのも、少し異常をきたした行動だよな。

ニナはひたすら黒鳥のレッスンを続け、公演前日になっても満足いかず居残り練習をするが、ピアニストも付き合いきれない、と帰ってしまう。いよいよ初演の日、ニナは起き上がれないほど参っていて、母親がバレエ団に休む連絡をしていたが、ニナは開演に間に合うように劇場に向かう。代役のリリィが準備していたが、ニナはプリマとして舞台に立つ。。。

撮り方がうまいというか、何が本当で何がニナの妄想なのかわからなくなる過程が見事でした。地下鉄にいた変体オヤジなんかはニナの妄想かもしれません。あの晩のことをリリィが言うまではすべてが現実のことだと思って見ていたけれど、それからは、最初っから画面のシーンが現実なのかニナの妄想なのか、自信がありません。プリマに決まったときから続く嫌がらせ、トイレの鏡のいたずら書きさえ本当なのかどうなのか。

プリマの重圧とライバルへの怯えを、ナタリー・ポートマンが役柄になりきって素晴らしく演じていました。何でも10ヶ月におよぶバレエの猛特訓を受けたとか。体つきも『ダンシング・チャップリン』の草刈民代みたいにしっかりとバレエダンサーの筋肉がついていたし、踊りのシーンもほとんど代役なしで踊りきったらしい。バレエって、プリマでもメイクは自分でやることは驚きです。メイクをやっているうちに役に入り込むこともあるのでしょう。

母親がニナの爪を切るシーンからは、過剰なまでの干渉ぶりが伝わってきて、バレリーナをニナの妊娠であきらめた母親の期待も、重圧のひとつになっていたのでしょう。最後の方で母親の部屋を覗いたときの悪夢のような様子からも、プレッシャーの強さが窺えます。

最後に客席で微笑んでいたのは、母親だったのかベスだったのか、よく見ることができませんでしたが、黒鳥を踊りきったニナが最後に倒れる場面で客席にその顔を見つけたのは、偶然ではなく「やったわ!」という満足感なのでしょう。

公式サイトはこちら

5/15 TOHOシネマズ六本木ヒルズ
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2 コメント

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最後 (rose_chocolat)
2011-05-22 06:14:59
>最後に客席で微笑んでいたのは、母親だったのかベスだったのか、よく見ることができませんでしたが

確か、お母さんだったと思いました。
この母娘の関係もキーポイントでしたね。
rose_chocolatさんへ (まてぃ)
2011-05-22 19:40:38
コメントありがとうございます。
最後はお母さんでしたか。
母娘の関係も、狂気を演出するいい舞台装置になってました。
この家庭だったからこそ、ニナはプリマになれたし、あそこまで自分を追い込んだのでしょう。

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