まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

悪魔のような牧師

2017-09-10 | その他のヨーロッパ映画
 「ブリムストーン」
 19世紀末のアメリカ西部。言葉を話すことができないリズは助産婦をしながら、夫や娘と平穏に暮らしていた。しかし、村にやって来た新しい牧師を見た瞬間、リズは恐怖で凍りつく。牧師とリズは、誰にも言えない忌まわしい関係にあった…
 来年1月に日本公開決定!何か思ってた以上に陰惨で残虐な映画でした。救いようのない暗い物語が、うげげ!?と眉をひそめてしまう殺戮や暴力シーンてんこもりで描かれているんですよ。母体を助けるために出産時に赤ん坊の頭を割って殺したり、とか。腹を裂かれて飛び出た腸を首に巻き付けられて断末魔、とか。自分で自分の舌を切断、とか。トイレや教会で無残な首吊り死、とか。とにかく苦痛と血にまみれてます。それと、年端もいかぬ少年少女が、殺されたり性的虐待を受けたり。観る人に暗い気持ちやイヤな思いをさせるために作ったとしか思えぬ悪夢な映画でした。

 今まで数え切れぬほどの不幸なヒロインを見てきたけど、この映画のリズほど苦痛や恥辱、悲憤を味わい尽くすために生まれたかのようなヒロインはなかなかいないかも。父親であるキ◯ガイ牧師からの精神的肉体的虐待、母親が公衆の面前で自殺、初恋の男も殺され、逃亡したはいいが騙されて娼館に売り飛ばされ、せっかく幸せな結婚をしても血塗られた運命からは逃れられず、家族までも…と、世の不幸を一身に集めているかのような女。でも、ぜんぜん可哀想とは思えなかった。なぜなら、彼女以上に関わる人々のほうが悲劇的な末路を遂げてしまうから。累々の屍を越えて、心身ともに傷だらけになりながらも生き残るリズ、まるで呪われた疫病神みたいでした。

 タイトルの“Brimstone”とは、日本語に訳すと“硫黄”、聖書では地獄を表す言葉なんだとか。まったく宗教とは縁のない私などからしたら、まったくもって理解も共感もできない、敬虔を通り越して狂信的な信仰のおぞましさも、この映画をホラーにしてます。4つの章で構成されているのですが、リズの平穏な生活が牧師の登場で壊れる現在→娼婦ジョアンナが牧師と再会→少女ジョアンナと両親の異常な関係→最初に戻ってリズと牧師の最終対決、と現在過去が錯綜する構成になってるのが面白かったです。それぞれに宗教的なタイトルがついてたのも英語の語彙の勉強になりました。海外旅行に行っても、絶対使わないだろうけどあと、2時間30分近くもあって、長い映画が苦手な人にはキツいかもです。
 リズ役は、かつての名子役ダコタ・ファニング。ちょっと前に観た「リチャード・ギア/人生の特効薬」など、すっかり大人の女優になった彼女ですが、でもどこかまだ幼さが残っている、未発達な雰囲気がちょっと安達祐実っぽいです。娘がいる役も、母親というより年の離れた姉にしか見えなかったり。バックから客に激しく突かれたり娼婦な演技も、何だか居心地の悪さしか感じませんでした。もうちょっと成熟したら、ケイト・ウィンスレットっぽい風貌になりそう。
 悪魔の牧師役は、大好きなガイ・ピアース

 ガイピー、何でこんな役を引き受けたの?!宗教き◯がいなだけでなく、SMロリコン変態な殺人鬼、という悪役というよりキワモノ役。狂った宗教観を振りかざし、大真面目に異常な言動を繰り返すガイピーが怖くて笑えます。ウゲゲなことばかりするガイピーですが、初潮を迎えたばかりの娘の入浴姿をこっそりのぞき見してる姿が特にキモくて、でも何か可愛くて笑えた。き◯がいでも変態でも殺人鬼でも、やっぱ男前どうでもいい俳優のヒーロー演技より、ガイピーの変態演技のほうが100倍いい。上半身裸で自分をムチ打つドMシーンも、セクシーで素敵でした。
 少女ジョアンナが出会う無頼の若者役で、キット・ハリントンが登場。

 キット、可愛いジョアンナに豚小屋で匿われてるキット、まるでイケメンペットみたいで萌え~。腕っぷしが強く頭が良くて屈折してるけど、どこか人が善さそうで甘いところがある役って、キットに最も似合う役ですね。ジョアンナを悲惨な運命から救ってくれる騎士な役なのかな?と期待してたのですが、え!?うそ?!と目がテンになってしまったほど、あっという間に消えちゃいます。キットの無駄づかいはヤメロ!

 牧師の妻役のオランダ人女優カリス・ファン・ハウテンは、キットと同じく人気ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」に出演してるとか。何とこの映画の共演が縁で、ガイピーと恋におちて彼の子どもを出産!あんな異様で悲惨な夫婦だった二人が、幸せなカップルになるとは。すごい違和感。

 ↑ガイピーもいつの間にか50歳。今でも全然イケてますたくさんある新作の中では、シアーシャ・ローナン主演の時代劇“Mary Queen of Scots”が特に楽しみ!

 ↑キットの最新作は、何と!グザヴィエ・ドラン監督の初英語作品“The Death and Life of John F. Donovan ”です。ジェシカ・チャステインやナタリー・ポートマン、スーザン・サランドン、キャシー・ベイツといった大物女優たちを脇に従えての主演!ドラ美とキットの親密そうな撮影現場に萌え~
『映画・DVD』 ジャンルのランキング
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« あれこれ思う秋の日 | トップ | 空でも海でもBOMB BOMB BOMB! »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL