まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

浪漫フォルテッシモ

2017-07-11 | フランス、ベルギー映画
 お松の独りフランス映画祭④
 「真夜中のピアニスト」
 仲間と共に悪どい取り立てや地上げを行っていた不動産ブローカーの青年トマは、ピアニストだった亡母の元マネージャーと再会し、オーディションを受けるよう勧められる。トマはピアノへのくすぶっていた情熱を再燃させるが…
 名匠ジャック・オディアール監督の作品の中で、私はこの映画が最も好きです。最近知ったのですが、この映画はハーヴェイ・カイテル主演のアメリカ映画のリメイクなんだとか。
 この映画、何といっても主演のロマン・デュリスですよ。ロマンの出演作の中でも、この映画がmy bestかも。ほぼ出ずっぱりのロマン、その強烈な個性と卓越した演技力を遺憾なく発揮しています。あこぎな不動産屋と、夢見るピアニストという相反する二つの顔を、どっちも魅力的に激烈に演じてます。

 「彼は秘密の女ともだち」など近作のロマンは、さすがにおじさんになってきてますが、この映画の頃は30歳ぐらい、まだ青年って感じで若い!ロマンって受け口の猿顔なんだけど、時おりハっとなるほど美男に見えるんですよね~。瞳が美しいです。マグマのような狂熱と、ガラス細工のような繊細さのせめぎ合いで荒れ狂ったり苦悩したりしているロマンに、グイグイ惹きこまれます。
 プッツン大暴れしてるロマンは、まるで凶暴な狂犬でヤバすぎ。でも、パパや好きな女には別人のように優しく傷つきやすいロマンは、まるで可愛い捨て犬。ヤバくてキュンとさせる、ヤバキュンなロマンに目はクギヅケです。独り自室でピアノを練習してるシーンのロマンは、まるで射精寸前みたいなR指定顔。とにかくロマンの若い激情に圧倒されます。トマ役って、好きな日本の若手俳優に挑戦してほしい役かも。

 実際にもピアノを弾いているロマン、すごい腕前!「ラ・ラ・ランド」のライアン・ゴズリングより上手いかも?!私もピアノ、真面目に頑張ればよかったな~。ピアノって弾けたらカッコいいし、気持ちよさそうですもんね。この映画でもよく脱いでたロマンですが、胸毛ボーボーなのがちょっと残念。胸毛がなければ、けっこうエロいカラダしてるんだけどな。
 ラストの意外な展開、そしてトマの表情が深い余韻を残します。トマ、いったいどうなるんだろう。絶対に安穏な人生は送れそうにない。暴力と音楽、持って生まれた二つの天性。どっちかひとつだけでもしんどいのに、死ぬまで囚われて生きねばならないトマは不幸だけど、ほとばしる情熱が羨ましくも思えました。

 トマのパパ役は、オディアール監督の「預言者」でも好演してたニエル・アレストリュプ。こんな親父イヤ!な極道パパだけど、何か放っておけないペーソスにあふれていてて、見ていて悲しくなります。ファザコンすぎるトマが、けなげで可愛かった。トマがピアノのレッスンを受ける中国人ピアニスト役の女優、どっかで見たことあるな~と思ったら、あ!「インドシナ」のリン・ダン・ファンじゃん!この映画の彼女も、素朴だけど凛として可愛かったです。トマとフランス語が解からない彼女とのやりとりは、「アスファルト」のアメリカ人宇宙飛行士とアラブ人老女みたいでした。チグハグだけどほっこりほのぼのしていて、言葉は解からなくてもフィーリングで伝わる、みたいな微笑ましさ。トマだけではく、観客にとっても心安らぐシーンとなってました。

 ↑ロマンの最新作は、イザベル・ユペール!共演の“Madame Hyde”です。これまた楽しみな顔合わせですね
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