まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

戦場にも主は来ませり

2017-07-13 | 北米映画 15~
 「ハクソー・リッジ」
 第二次世界大戦中のアメリカ。敬虔なキリスト教信者の青年デズモンドは、志願して軍に入隊する。しかし、銃を持って敵と闘うことを拒絶する彼に、軍の仲間や上官たちは辛く当たる。やがてデズモンドは、衛生兵として戦地である沖縄に派兵されるが…
 最近すっかり問題おじさんと化していたメル・ギブソンですが、本来は俳優としてだけではなく監督としても評価が高く実績もある才人。それを久々に証明したのが、この新作です。今年のオスカーで監督賞にノミネートされ、リベンジ的な復活を遂げたのでした。
 舞台が第二次世界大戦中の沖縄、ということで日本でも話題になりました。悲惨な戦争映画はこれまでたくさん観てきましたが、この作品は衝撃度でいえば群を抜いていました。本当にこんなことがあったのかと、あらためて戦争の怖さ、非情さ、残虐さに打ちのめされました。とにかくこの映画、目と耳を覆いたくなるような地獄絵図が、これでもか!と怒涛の勢いで観客に襲いかかってくるんですよ。気の弱い人は、ぜったい観ないほうがいいです。

 生きてるほうが不思議なほどの阿鼻叫喚な銃撃、砲撃!吹っ飛ぶ脳みそ!飛び散る内臓!ちぎれる手足!火炎放射器で火だるま!も、もうヤメテー!!と、小心な私は逃げ出したくなりました。リアルすぎるわ~。容赦ない苛烈な描写は、徹底的に戦争の現実を追及しているというより、何だかメルギブの悪ノリ的な趣味のなせるわざ、みたいにも感じられたのは私だけ?でもこんな映画を観させられたら、戦争に賛同なんか絶対できなくなります。反戦映画としては意義のあるリアリティだったかもしれません。こんな形で大事な若者たちを犠牲にしてまで、守らなければならないものってあるのかな~…と、つくづく戦争なんかしたくない、と願わずにいられません。

 戦闘シーンが強烈すぎて、そこばかり印象に残ってしまいますが。もうひとつの重要なテーマ、宗教についてもいろいろ考えさせられました。信仰心ゆえに、戦地で銃を持つことを拒むデズモンドですが。高潔、信念が強い、というより、信心深すぎる人にありがちな特異さがかなり怖かった。一歩間違えたらデズモンド、オ◯ム級のヤバい人ですよ。本人はどんなに非道い目に遭っても、信仰を守ってるという歓びで幸せだけど、周囲にとってはかなり迷惑です。お国のために敵をやっつけたい俺たちは、じゃあ間違ってる?!完全否定?!と、軍の仲間たちが不快に思い、激怒するのも当然。宗教とは違うけど、デズモンドみたいな人っていますよね~。エロい下ネタ話で盛り上がってるのに、清らかキャラを頑なに貫いてノってこない人、みたいな。壮絶なイジメを受けても、それを甘受して決して屈しないデズモンド、まるで受難中のキリストきどり。地獄のハクソー・リッジでは、まさに神降臨!カープどころじゃなく神ってる活躍をするデズモンド、勇敢でカッコいいというより不気味で怖かったです。
 主人公デズモンドを神がかり的に熱演したアンドリュー・ガーフィールドは、オスカー候補になるなどキャリア最高の賛辞を浴びました。

 いや~。ガーくん、まさに入魂の演技でしたわ。ハクソー・リッジでの決死の神っぷりも圧巻でしたが、軍隊に入る前の純情でロマンチックなガーくんも可愛かった。幸せよりも、不幸や悲しみでいっそう魅力的になる俳優ですよね。傷つき苦しんでる時の彼、ほんとイケメン。逆に、笑顔になるとラビット関根に似て見えて萎えるそれはそうと。地獄の中で信仰を貫くドMな男役、そして舞台が日本って、「沈黙 サイレンス」と同じ!すごい偶然!
 上官役のヴィンス・ヴォーンも好き!デカい体、極悪コワモテで威圧感ハンパないけど、笑いを誘うところがさすがヴィンス。シビアでハードな状況で、クスっと笑わせてくれるコメディリリーフ的なヴィンスもgood job!同じく上官役のサム・ワーシントンも、ゴリ押しされてた若い頃よりもシブくなっていい男になってました。

↑どんどんいい男、いい役者に成長していってるガーくん。でも彼ってほんと善い人!って感じ。悪人役なんかできなさそう
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