山奥の鍛治工房

趣味でやっている鍛冶作業の記録

久々に鍛造して作ってみたものは、鉄爪(馬の蹄を裏掘りするに使用するもの)

2013-05-11 08:34:13 | Weblog
 3ヶ月以上放置してしもうた。
 乗馬を始めたため、その馬装時にやる馬の蹄の裏掘りに使う鉄爪をば、連休中に作ってみた。
 買えばいいじゃん、と思うだろう。確かにそれでもいいけど、鍛治技術を衰退させるのも癪に障る。
 ということで、クラブでもらってきた中古蹄鉄(毎月出てくる)を素材に試作品を4月に作り、連休中にそれと鉄筋をば組み合わせてダマスカス仕様にして作ってみた。
 鍛接の大失敗はなかったものの、打ち延べた材がそんなに長くなかったので全体的に小ぶりになったのと、模様狙いすぎてようわからん刻み跡がモロ出てしまった。
 狙いすぎちゃぁいかんねぇ。
 

アルコールストーブ制作について

2012-10-09 11:19:46 | Weblog
 アルコールストーブの制作について。
 画像なりポンチ絵があれば手っ取り早いのだが、それを撮影してもないし描いてもいないですが
 ざっと制作するための簡単な説明をしておきます。

 材料 タンクになる直径10センチの背丈の低いねじブタ缶 ポッカのアロマコーヒー缶 金属パテもしくはハンダ カーボンフェルト 細い針金

 空き缶の加工。
 タンクになる缶(パイプタバコの空き缶もしくは栄太楼飴の空き缶)をA缶、加熱兼伝熱管になる缶(ポッカのアロマコーヒー缶)をB缶とします。


 A缶の加工は、ねじ込み缶ぶたを外し、できれば裏と表の塗装を剥がします。
 おおむね直径が10cmなので中心を取り、B缶の直径(5.1cm)よりも若干小さめの穴(直径5cm)をケガキ用コンパスで切り取ります。何度か裏と表とからケガいてゆくと溝が彫れ、一部分が切れます。押して切れた部分を広げていき、ラジオペンチでむしり取ります。きれいな穴が開きます。

 B缶の加工は、表全体の塗装を剥ぎます。剥ぎ終えたら、底より3cm上もしくは5cmとお好みの高さに切ってください。
 キャップにはメインバーナーとサイドバーナーの孔を開けます。ふたのギザギザ部分の凹んでいる個所を3つおきにマジックで印をつけてゆくと8等分になります。その印をトップで対角線として引き、少し凹んでいる縁に孔を開けます。メインとサイドともに孔の径は0.7~0.9mmです。印をする前には塗装を剥がすとより見やすくなります。なお、キャップ内のゴムシールは取り払ってください。燃焼したとき臭いです。


 A缶の蓋とB缶をはめ合わせます。B缶を立ててA缶の蓋の穴に通します。蓋の裏表を間違えないように。表を必ず上にしてB缶に押し付けると穴の周囲が盛り上がって嵌ります。嵌め込んだらA缶にそのまま嵌め高さと傾きを一度確認します。
 確認したら外してひっくり返し、嵌め込んだ部分を金属パテかハンダでもって接合します。ハンダの場合は、フラックスが必要です。熱源も大型ハンダゴテかポケットトーチが必要になります。
    
 接合が終わったら、カーボンフェルトを適当な幅に切り、接合したB缶の周りに接着剤で貼りつけ、細い針金で縛ります。次にA缶の径に合わせてカーボンフェルトを切り、中に敷きます。B缶の中には外周に貼りつけたカーボンフェルトと缶の高さの幅に切ったカーボンフェルトをロール状に丸めて差し込みます。
 A缶に蓋をすれば完成です。

 燃料は燃料用アルコールで、最大100ccは入ります。
 バーナーキャップにしたB缶の蓋を開けて注ぎ、バーナーキャップを閉めた後、周囲のカーボンフェルトに少量のアルコールをかけて点火し予熱すると、本燃焼が始まります。

   試行錯誤の繰り返しになりますが、作ってみよう思われている方は参考に。

鍛冶作業以外でこんなものも

2012-10-04 18:00:13 | Weblog


 更新から1か月以上過ぎました。
 鬱が再発してしまい、更新が滞ってました。
 腰痛もあるので鍛冶作業はトンテンカンのトンぐらいしかできない状態です。
 さしあたって、できる範囲。自分が持ち得ている技術(?)をば駆使して、
ネット上でアルコールストーブをこさえていらっしゃる方のアドバイスを受けつつ
アルコールストーブを空き缶で実際に作ってみました。
 これが実際に役立つかどうかは、野外にて実際に茶を沸かしてみないとわかりません。
 試験燃焼では、試作1号(左側 中身はジュート=麻縄を詰めてます)は燃料タンクに用いた
煙草の空き缶のフタと缶の隙間よりアルコールが漏れてしまう欠陥があります。また、燃焼も
大炎上して終わるという結果です。
 試作2号(右側 中身はカーボンフェルトを詰めています)については、燃焼実験の段階では
燃料漏れはないものの、今度は上部のフタ(細長く伸びてる缶のフタ)に開けた孔から炎を出すように仕向けて
おりますが、ねじブタの下側およびギザギザ部に穴が元から開いているらしくそこからも炎が出たりして
いろんな意味で楽しいです。
 
 今回使ったモノ
 材料 パイプタバコの空き缶:1個 ポッカのアロマコーヒー缶:1個 カーボンフェルト:1枚 細針金:適当な長さ 板金ハンダ:適量
 工具 万力 金切り鋸 油性ペン(細) ピンバイス ドリル(0.8mm) ラジオペンチ ペンチ ケガキ用コンパス(鋼製で先が焼き入れされているもの) 電動ルーター ルーターワイヤーブラシ(鋼 黄銅どちらでも) 紙やすり120番手 ポケットトーチ

 ざっとこんなものでしょうか。
 製作方法については後日書いてみます。

熱中症

2012-08-18 17:24:12 | Weblog
 立秋を過ぎましたがまだまだ暑い日が続くと思われます。
 今回は、熱中症について。
 今年も例年になく熱中症にかかって倒れる人が多いですが、節電があっても冷房もクーラーもあるからまさか自分はならんだろう、と思う人が多数かと。
 当方の自宅にはクーラーも冷房もありません。窓全開で自然通風のみ。
 室温はそれでも外気温とさほど変わらず、30度をいつも指してます。
 湿度は30~40%ときにより50%からりと乾ききって蒸し暑さはないけど、独特な暑さを醸してます。
 洗濯物も外に干そうが室内で干そうが変わりないほど。
 夜間も26~30度。湿度も昼間と同じぐらい。
 こんな環境です。
 鉄筋コンクリートの建物はどうも昼間の熱を吸収しているためかそのような状況になっているらしい。実際夜間にテラスに出ると生温かさが残っております。
 たちまちは西日の当たる部屋にあっては、殺人的な室温上昇の原因になる西日対策として、市販されていた日除けシートをカーテン代わりにして日差しを遮っておりますが、どうもこれが室温キープもしてるような気がしてきました。
 この状態では、熱中症にならないほうがおかしいですよね。
 そしてそれを実証してしまいました。
 午前3時頃。もしくは午前4時頃だったかもしれません。
 突然鳴りを潜めていた腰痛が出て、神経ブロック注射2発受けた後初めての最大のシビレが腰から下左右両足に駆け巡りました。
 とても耐えがたいシビレです。起き上がって腰に手をやると左側が熱い。それに加えて体が怠く熱っぽいし風邪を引くような気温でもないしなんじゃろうなぁ、と言う感じでした。
 ふらついてリビングで体温を測ると37度4分。
 微熱が出てるし、痺れは激しいしどうしたことか、と思いつつトイレに行くとオシッコの量が極端に少なく色もかなり濃いモノが出ました。
 ほうじ茶とか煎茶、作り置きのポカリなんぞを飲んでみると体温が平常に戻ったと思ったらまた上がり、熱中症になってる疑いを持ちました。
 近所の内科に行き、早朝の状況を伝えたところ、疑っていたものそのものでした。
 点滴の処置を受けて帰りましたが、対策としては脇の下、首筋の辺りを濡れタオルで冷やし血流の温度を下げることを教えていただきました。一番効果的と思われるのは微温湯のシャワーを浴びるということ。体全体を冷やします。
 程度が一番軽くて助かりましたが油断はできません。
 大切なのは水分補給と体温を下げることです。
 節電することも重要ですが、命に代えることはできません。
 これは確かなことです。
 

やれやれ。

2012-08-14 14:36:11 | Weblog
  検査入院で怒涛の刺激と灼熱の神経ブロック注射を2発受け、本日ようやく退院。
 やはり昨年よりもひどくなっておるようだ。
  入院して1週間はほとんど点滴。2週間目にもう一発打ってもらって、歩きはじめた。
  痺れが来ないだけマシではあるけど、座っていると座る姿勢がなってないらしく、痛
みが後から来るのには困った。歩くのには何も問題はないのだが。
 
 


30kgの米袋を抱えたら……

2012-07-20 06:49:20 | Weblog
 連休中のことである。
 実家に戻って、鍛冶作業スペースに設置した錆びだらけの金敷の天面をば朝日虎の金剛砥石(石工用)でもって擦り磨いてみた。
 真ん中が凹んでいる。製造時の鋳造巣穴(ガス抜けが悪くそこだけ空洞)とか、しくじってタガネが当たってついた傷とか打ち損ねてついたハンマーの跡とか、いろいろと露わになった。
 SK材のタガネを材料にセンでも作ろうか、と思っていたがやらずじまい。

 精米へ行くことになって玄関先に置かれた米袋30kgを腰悶える確率が非常に高かったが用心して抱え、軽トラの荷台へ乗せて行き、コイン精米に行き、そして帰る。
 その時はまだよかった。
 翌日、悶えた。
 座るも立つもしんどいのだ。痛みで。
 そのまま鍛冶作業やらんでよかった、と思いつつ油汗流しつつ岡山に帰ったけど、道中も痛みでとてもかなわん。
 連休明けに職場に断りを入れて、近くの整形外科で受診。
 ヘルニア再発。前回はとげ状のものが飛び出て神経をつついていたが、今回はカスタードクリームがはみ出たように中央寄りに出ているらしい。
 やはり座るも立つもおえん。
 その次の日はお休みいただいて、病院。痛み止めの注射を2発打たれた。痛みは治まるけど、座れば悶える。
 結局、昨日(7/19)の診断で1年経たぬうちに検査入院することになってしまった。
 灼熱と怒涛の刺激が来る神経ブロック注射である。
 それでいよいよ、手におえん、てことになればずっぱりと切るということである。
 みなさんご用心。重量物抱える時は特に。

ふまえ木2

2012-06-23 12:21:02 | Weblog
 型取りしていただいたものを使って、ホワイトパイン材をもって制作してみた。
 電動ジグソーあればもっと簡単に早く切り出せたのだが、電動ジグソーは持っていない。
 したがって、回し引き鋸をもって切り出した。
 簡単な道具じゃあるけど、結構作るの難しい。
 木目の方向を誤ると激しくささくれたり割れたり。
 でも、本式第1号完成。本式第2号も完成。
 画像は本式第1号の出来がそこそこ良かったので、ソレを掲載。
 本来は朴材である、と聞いているのだが入手は不可能に近く、パイン材にした。
 柔らかくて軽い。強度的な不安があるけどこれを使ってみることにする。

ふまえ木

2012-06-10 21:13:42 | Weblog



 本職の研ぎ師さんが使用される、足踏み式の砥石押さえである「踏まえ棒」を作ってみました。
 部材はホワイトパイン集成材であって、幅45mm×厚さ25mm×長さ910mmの市販品を半分の長さに切り、すごくあいまいな記憶を頼りに作り、実際に使えるかどうか怪しいところでした。
 とりあえず、試しに天然砥石の小さいのを作ったモノで押さえて、小刀を研いでみましたが、使えないほどではありませんでした。
 ただ、これで形状はいいのか? ということもあって作ったブツを持って刀剣博物館に行ってみると、砥石に当たる部分の形は一緒なのですが、作ったものはあまりにも平坦過ぎておりました。
 本物は首根っこから後ろが太刀のごとくぐぐ~っと大反りになっており、カーブもかなりのもの。
 近くの傳習所でソレを見せたらば、フラットですね。とは言われた。
 帰りに親方からまだ未使用の新造品の型を写していただきました。
 部材の大きさも、厚みが約30mm×幅約80mm×長さ約560~650mmとなるようで、これらの部材をどこから入手するか、がカギとなりそうです。
 試作とはいえ、本物からすればそれはそれは玩具そのままに見えました。

手持ちの砥石

2012-06-09 13:41:16 | Weblog
手持ちの砥石


 私の手持ちの砥石を撮影した。どれも市販品のものばかり。これで包丁を研いでいる。
 小刀もこれでやってる。
 本来は分けて使うべきであるが。
 ようみたら、なんか長方形ではないじゃないか、って思われるでしょうけど、これ使ってこんな形になってます。
 真ん中が凹んでしまうととてもじゃないけど、まっとうな刃がつかぬ。でもって、刀剣の研ぎ師さんの様式をマネして
使っているのですが、最終的には真ん中が高くて両端が薄い、横から見ればカマボコ断面形状になります。
 本来の使い方は、水に浸して砥石面の長手方向の長さいっぱいいっぱいに往復させることなのだが、私はあえてこの刀剣研磨様式で
している。
 砥石面の修正も2丁掛けのでかい金剛砥石をフルに使ってますが、重い。切って適当な大きさのブロックにしてしまえば楽なんだろうけど、
金切り鋸で切断すると荒砥石なので刃がイッパツでなくなり、刃物素材を大量製造してしまう。実際に大村砥石を別件で金切り鋸で切断したら
刃が砥石の厚みの半分までも行かず、すべて刃無しになりました。
 この場合は、迷わず電着ダイヤモンドホイールでもって切った方がよろしい、とつくづく感じてしまったことがありました。
 砥石台も市販品の長さが自在に変えられるモノを使ってますが、手持ちの砥石の中で最小の天然砥石を使う時は、スライドにロックがかかっていない状態なので広がり、非常にやりにくい。
 そこで、古人の知恵借りて、足で踏んで固定する砥石押さえを作ってみます。形状としてはひらがな、もしくはカタカナの「へ」の字に近い形です。曲線カーブをどうやって描こうか、そのカーブの勾配をどうするのか思案どころではありますが。

仕上げ研ぎに入った小刀

2012-06-04 22:36:06 | Weblog
仕上げ研ぎに入った小刀


 第一作目の小刀の状況。仕上げの段階に入りました。なかなか刃がつかなくてイラついたりもするけど、
無心に裏面を研ぎ、240番手の大村砥石から始めてキング砥石の1200番、そして天然砥石でもってようやくこの状態。天井が映りこんでいたりするけど、実際は斜めに砥石を当てた傷があって鏡面にはなってません。天然砥石と人工砥石の違い。あるいはダイヤモンドヤスリ、ダイヤモンド砥石と大村砥石の違い。やってみてわかったことは、人工にしろ天然にしろ砥石面の修正が必要になってくること。減り方も全く異なるけど、気づいたとき
真ん中が弓なりに減っておるとおもいますが、これでいくと刃物の刃は丸くなるばかりで鋭くはならなくなります。
 そのため、砥石面の修正をかけることになるのですが、別の砥石専用の砥石を一つ、別にして置いてます。
 私は朝日虎の石工用金剛砥石(カーボランダムの黒砥石)粒度80番手という荒いものです。
 べつにそんなに荒くなくても240番程度の荒砥石でいいのですが、同じ番手の荒砥石があるためと、荒い分だけ早く修正がかけられるといことでそうしてます。仕上げ砥石、中砥石あたりは240番程度の荒砥石でいいと思います。
 もっと荒っぽくするならば、平面に打たれたコンクリート床、もしくはブロックでもできます。
 
 次回は、ちょいと恥ずかしいけど、実際に使っている砥石を掲載する予定です。
 天然砥石、人工砥石それぞれの研いだ時の感覚など交えてみようかと思ってます。