碧い山・青い海

趣味の山登りとか、技術とネット情報を照合し個人メモに・・

1709- 7万年前人類は、猿と同じだった?

2017-09-04 | テクニクス
 先日見つけた翻訳本「サピエンス全史・・ユゥヴル・ノア・ハラリ著」を購入してきた。帯に "2017年世界34か国200万部のベストセラー、全国ビジネス書グランプリ大賞"とあり残り二冊。私は評判を気が付くのが遅い方だったようだ。
国内のメディアの発信がないのは、現社会には読ませたくない内容かと疑ってしまう。300頁もある上巻は読み終り段階だが 過去に読んだ世界史とか、人間誕生の話とは相当違い その歴史の奥深さに改めて気づかされとても興味深い内容だった・・久しぶりに目から鱗の 良い本に出合ったと思っている。

 「ホモ・サピエンス(賢い人)・・著者に言わせると厚かましくも)」をネット検索すると、上下巻を読み終わった内容紹介とか情報整理などの多くが紹介され 反響も大きいのが判る。既に TEDの講演サイトにもあり「7万年前、人類の祖先は取るに足らない程のちっぽけな存在で、アフリカ大陸の片隅で他の動物と同様、ただ生きるのに精一杯でした」と言う見出しになっている。過去放送されたクローズアップ現代の特集も観たが最近、この本の漫画化も既に準備されているらしい。でも、文字から入る情報で想像しながら理解する方が 数倍楽しいし得るものは大きい。読むのが大変だろうとメディア映像にしたり 漫画化されてしまう現代だが、源氏物語の漫画の様に編集者のフィルタで 原本の伝えたい内容が削がれる話があるように。

 今まで、人類史をこんなに掘り下げて 広い視野で書かれたものは見たことがない。鳥瞰した文章と言うより、衛星で地峡を見て宇宙人が書いた本なのかも見知れない。
我々が暮らす社会の秩序は、全て人間持つ想像力から作られた虚構の枠組みであり 自分で自分を閉じ込めているのだと。人間が生物だった頃は、食料のマンモス・恐竜を倒すのに暴力的な規制で人を従わして暮らしたネアンデルタール人世界が200万年続いた。その後に誕生したホモ・サピエンスの時代になると、言葉が出来て仲間に意味を理解させ 協力して大きな利益を得る事を学ぶ。七万年経った現代は、それが進化し出来上がった「 平等・公平・自由」、「信仰・国家・法律・企業・税金・処罰・お金」は全て想像上のもので実態は無い。しかし、信頼はお金で変えられたり 上級社会に生まれれば上級階層の職に就ける世襲とか 労働階級に生まれれば一生下層のままだ。建前の様な「 平等・公平・自由社会」と言う秩序で安定している矛盾は何世紀も変わらないのだ。

 皆でマンモスを倒せば、肉を公平に貰えると信じれば 協力体制が出来る。褒美が天国に行けるとか・地獄に行くかとなると これは想像の世界だ。猿も他の動物も、千頭一カ所に集めれば混乱するが 人間は言葉と想像力でリーダーの考えを理解して協力出来るからこそ 地球全体を制覇できたのだと言う。そうでなければ、今頃人間が希少動物として檻か動物園に入れられていただろう・・と。
 優しい翻訳なのにも関わらず、私の頭脳での理解は 難しい箇所も多々あったのだが 大まかには理解出来たし 楽しめたが 疲れたので下巻は、検討中。

 太古の話で、発掘された少ない手掛かりで この文章は書かれているが この著者の洞察力は「一を知って十を知る」恐るべき頭脳の持ち主だと思った。TEDの最後に彼は「新しい産業革命」が起こると言う。次の時代は人工知能が人の頭脳を越えると多くの人は不必要になる。すると「富裕層が仮想の神」となり「役立たずの人々」の間に対立が起こると・・大半の大勢は後者になるのだろうが今 注目の人物なのだ。


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