まつや清の日記 マツキヨ通信

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「浜岡原発停止は象徴的な文明史的転換」田辺静岡新市長の所信表明

2011年06月17日 | ニュース・関心事
田辺市長を応援した市民の方々中心に傍聴席は満席であった6月議会初日の昨日、田辺信宏新市長は「浜岡原発停止に象徴される文明史的転換」を含む所信表明を行いました。マスコミ各社、「祝儀相場」の報道となるのか。

「虫の眼、鳥の眼」、「まちみがき戦略プラン」という独特な言い回しで街頭演説を繰り広げてきた田辺市長ですが、「行財政改革」の推進、「新しい公共経営」の手法を駆使して、市民サービスの向上を図ると述べました。

私より若い世代の市長、清涼感を感じます。ただ、「浜岡原発停止に象徴される文明指摘転換」との時代認識に立ちながら現実の課題の困難さ、立ち向かう緊張感、ぶつかる衝突感が微妙にも伝わってきません。

東日本大震災、被災地を訪問したとのことですが、福島原発震災への基本認識やお茶の暫定基準を超える放射能検出はさらっと語っているところは意外です。既に6月議会に20人を越える質問者が届けられています。

どんな答弁を繰り広げてくれるのか、楽しみです。

※※
 今議会は、私にとりまして市長就任後、初めての市議会定例会です。そこでここに、私の市政運営に対する所信を表明します。

 まず、はじめに、去る3月11日に東日本を襲った大震災で、亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
 被災地に赴き、被災者の声を聞き、「行政の最大の責任とは、市民の生命(いのち)と生活(くらし)を守ることだ」と、私は、いま改めて感じています。市政を担う責任の重さを深く自覚して、今後の市政運営に全力を挙げて取り組んでいく決意です。
 議員各位をはじめ、傍聴者の皆さん、そして広く市民の皆さんのご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 さて、私は、今、二つの目線から本市の目指す姿を見据えています。一つ目は、草の根に息づく虫の眼から見える「災害に強く、安心安全に人が暮らせるまち」という都市ビジョンです。静岡市民の皆さんの「不安」を「安心」に変えるため、防災や福祉、医療、子育て、介護などの環境の充実を図っていきます。
 二つ目は、大空に舞い上がった鳥の眼から見える「求心力が強く、世界中から人の集まるまち」という都市ビジョンです。ここに埋もれている地域資源を掘り起こし、観光振興を切り口にして、人を集める仕組みをたくさん用意することにより、雇用の機会を広げ、地域経済の活性化に結びつけていきます。
 このミクロとマクロの2つの目線から見据えた都市ビジョンの下、現行の第2次総合計画を継承発展させ、「世界に輝く『静岡』の創造」に向けて、新たな時代に即応した施策を展開していきます。
 その実現に向けて、まず、第一に取り組むべき課題は、「行財政改革」の推進です。ニュー・パブリック・マネージメント、すなわち「新しい公共経営」の手法を駆使して、税金の無駄遣いを洗い出し、市民の皆さんへの行政サービスの向上に振り向けていきます。7月末には、市民目線を採り入れた「静岡市版事業仕分け」を実施するほか、「事務事業評価」や「業務改善提案」の実施、「市長給与の半減」や「職員配置の見直しによる総人件費の削減」などを、現行の「行財政改革推進大綱実施計画」に位置付け、断行していきます。
 その第一歩として、私自身の給与を半分にする特例条例案を、今定例会に提出させていただきました。原子力発電所の停止に象徴されるような文明史的大転換点にあっては、こつこつと積み木を重ねるような行政のやり方では、ときに間に合いません。市民にとって納得できる目標を高く掲げるやり方を断乎やり遂げて、私の行財政改革に臨む真剣な姿勢、決意を示さなければなりません。議員各位のご理解を切にお願い申し上げます。
 そして、生みだされた財源を活用して、取り組んでいく新たな施策については、第2次総合計画の実施計画に位置付けて、
 ・実現のためのまちみがき戦略 
 ・実施していく工程表
などから構成される「まちみがき戦略推進プラン」を策定します。
 この「まちみがき戦略推進プラン」は、今後、市内各所で開く「静岡まちみがきトーク」や「各種団体との意見交換会」、「講演会」などの機会を通じて、市民の皆さんの意見に耳を傾け、これを参考にして、9月末を目途に策定し、公表していきます。

 次に、私の市政運営に取り組む三つの基本方針を申し上げます。
 第一には、「現地現場主義」です。常に現地現場を大切にして、市役所を飛び出し、できる限り地域に赴き、市民の皆さんと身近に向かい合う機会を設け、建設的な対話を深めながら、官民協働の市政運営を心がけていきます。
 第二には、「スピード重視」の市政運営です。早急に対応しなければならない事柄については、目標と期限を明確にして、スピード感と決断力を持って、市政を推進していきます。
 第三には、「積極的な情報発信」です。本市が持つ様々な情報について、行政の主体性を明らかにし、市民の皆さんをはじめ、広く国内外に分かりやすく伝わるよう、積極的、戦略的な情報発信を行っていきます。

 最後に、以上の基本方針の下、今定例会に提案させていただく施策について、ご説明します。
 まずは、「防災機能の強化」についてです。
 市長に就任して間もない4月16日に、津波の影響が懸念される本市沿岸部の視察を行いました。また、5月13日から15日には、東日本大震災により被害を受けた仙台市、気仙沼市を視察してきました。この視察を踏まえ、津波対策を緊急に実施していくために、今月1日に「緊急津波対策室」を設置しました。
 さらに、「5分で500メートル」を合言葉に、津波からまず避難することを目的として、5月21日に緊急津波避難訓練を実施しました。その経験を基に、早急に対応が可能なソフト面の整備として、「避難場所や避難施設のサイン整備」や「海抜表示板の設置」のほか、「地域自主防災会への支援」などの経費について、補正予算案を提出させていただきました。
 次に、「環境・エネルギー対策」についてです。
 東日本大震災における福島第一原子力発電所の事故や浜岡原子力発電所の停止などは、単なる環境問題ではなく、わが国のエネルギー政策を考え直す大きなターニングポイントとなりました。大量のエネルギー資源を消費するライフスタイルを変えていくこと、また中長期的には、自然エネルギーの活用などエネルギーの地産地消に取り組んでいくことにより、人の営みを地球にやさしいものに変えていくことが必要です。
 このような状況に対応するために、清水副市長を本部長とした「省エネ推進本部」を設置し、様々な取組みを実施していきます。「市民啓発の省エネキャンペーン」や「太陽光発電システムの設置や壁面緑化に対する補助金の拡大」などについて、補正予算案を提出させていただきました。
 なお、本市のお茶の安全性の問題については、関係機関と連携を図って、適切に対応していきます。

 以上、私の市長就任にあたっての所信、目指す都市ビジョン、基本方針、そして早急に対応する施策を申し上げました。

 これまでの前例や形式、固定観念にとらわれ、見過ごしてきた様々なことについて、「本当に、市民にとって、今、求められている価値を創造できているのか」という視点に立って、今一度省み、6,400名余の市職員の頑張りを、市民の皆さんに納得していただくことができるよう、行政としての説明責任を果たして、力強く政策を実行していきます。
 そして、仕事や子育てに懸命に取り組んでいる若い世代や、現状に甘えることなく、新しいことに挑戦している中小零細企業など、必死に頑張っている市民を応援していきたいのです。
現状を打破し、静岡の良さを掘り起こし、磨き上げ、ふるさと静岡市を「希望の岡」にしていくために、市民、民間、行政が一体となった市政運営の推進に向け、誠心誠意取り組んでいく覚悟です。
 議員各位をはじめ、市民の皆様のご支援、ご協力をいただきますよう、重ねて申し上げ、私の所信表明の結びといたします。


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