まつや清の日記 マツキヨ通信

静岡市議会議員 まつや清の日常を毎日更新!

鳩山首相の沖縄訪問と政治的構想力

2010年05月04日 | ニュース・関心事
鳩山首相の沖縄訪問、県知事、県議会、名護市長、宜野湾市住民との対話のニュースで伝えられる「沖縄の方々にも負担をお願いしたい」という首相発言、予想はされていたとはいえ愕然とせざるを得ません。

鳩山首相の退陣という政治的混乱もありうる現状ですが、どうしたら普天間基地、沖縄からの基地撤去の筋道を描いていけるのか、重苦しい気持ちになります。決着のつかない5月が続きます。

改めて日米関係を見直す国民的世論をつくりあげていくというあたりまえの結論になりますが、政権交代したという事実と鳩山首相が「駐留無き安保」論の持ち主であるという現実の中でどう再構築できるのか。

ただ、鳩山首相が沖縄への負担の理由としてあげた「軍事的抑止論」にかわる東北アジアでの非核化と平和的共存関係を打ち立てる戦略が必要です。その意味で、台湾でのAPGNはその議論のチャンスでした。

私達自身の力不足を感じます。とにかく、5月決着はほぼ不可能な状況の中で、参議員選挙、沖縄県知事選挙が近づいてきます。ニュヨークではNPT国際会議が開催されています。政治的構想力が求められています。

台湾訪問雑感

2010年05月04日 | ニュース・関心事
初めての台湾、どんな国なのか、少し緊張しての訪問でした。「一つの中国」という世界外交の基準がある中、そこで暮らす人々、そこでの政治的緊張感、街並み、いろんなことが関心事でした。

国民党による2,28事件・台湾住民の2万人虐殺の歴史公園があることや、台湾第4原発の建設地点が日本軍の進駐した海岸であることなど、初めて知ることが多く自分自身の歴史認識の曖昧さを反省しました。

それほど多くの方々に会っていませんが、日本語を話す人たちがおり親日的な感情が強いことも印象的でした。街の交通ではベトナムほどにバイク多くありませんがバイク駐車スペースの存在と整然さは驚きです。

台湾料理については満足。1日目の夕食はホテルでバイキング料理900元(日本円は3,1倍くらい)、2日目は屋台で200元、安くておいしい。3日目はパーティ、4日目老舗飲食店で600元、5日目大衆人気食堂500元。

因みに6日目の昼食のラーメンは、写真にあるぎょうざ入りラーメンで80元。昼休みにサラリーマンがどっと押し寄せるビル街のラーメン屋さん。もう一度ゆっくりと行ってみたい思わせた台湾訪問でした

台湾行政視察 第三日目 新竹サイエンスパーク

2010年05月04日 | ニュース・関心事
新竹サイエンスパークに匹敵する者としては筑波学園都市が上げられますが、政令市である北九州市との姉妹区連携もしているとのことで、静岡市との比較でどんな実態であるのか興味をもちながらの視察でした。

藤末 健三=早稲田大学客員教授,参議院議員が「日本のサイエンスパークに欠けているものとして「ビジネス・エコシステム」という生態系としてビジネスを捉える方法論について指摘しています。

1993年に戦略論の専門家であるJames Moore氏が『Predators and Prey: A New Ecology of Competition』で紹介、この論文は、ベスト・アーティクル・オブ・ザ・イヤーとしてマッキンゼー賞を受賞したとのこと。


新竹県と新竹市にまたがって設置されているサイエンスパークパークは科学園区管理局のもと、1980年に先端産業を政府支援による大学、研究機関、企業が連携して作り出すことを目的で発足しました。

当初は5万人想定で始まった1000人の村が30年を経て13万人、農業中心からハイテク産業拠点都市に変貌。働く人たちの学歴構成は、大学30%、修士24%、専門17%高校21%、博士1,7%、33歳平均。

台湾の製造業の8,6%を占め、半導体68%、コンピューター、周辺7%、光電産業20%、通信産業3%、バイオ0,56%、総出荷額は2009年12月で2兆6000億円。政府出資、低利融資、研究奨励金の優遇策。

すでに13カ国、25か所と姉妹提携区があり、日本では横須賀市、北九州市、ザンビアなど開発研究支援もやっている。アメリカ、日本、シンガポール、ドイツ、スイス等企業は17社から440社。日本代表企業でHOYA。

※※いくつか質問の紹介

Q サイエンスパークのメリットは?.
A 1、台湾にとって、台湾人の設計、開発、人材など国家的レベルを高める。2、海外企業にとって中国大陸に進出するについての拠点になりうる。3、台湾人の持つ開放性を生かしての人材供給ができる、などある。

Q 海外企業にとってのメリットは?
A コストが一番だが、台湾の人材・技術力も評価されている。

Q リーマンショックの影響は?
A 昨年は前年比で20%減少。しかし、今年は昨年同月比で発注量は150%と回復した。

Q サイエンスパークの戦略はどこが持っているのか
A 企業が持っている。企業は5%の利益を得ており、0,19%が管理局に徴収される。

Q 実際の生産拠点はどこにあるのか。
A ここでは生産については管理していないが、周辺に立地されている。

Q サイエンスパークの課題は何か。
A 交通問題、土地の狭さがある。当初5万人規模の都市を想定していたが、13万人となっている。補助金については20億元だが企業から20億円は回収できている。開発研究奨励金は年に4000万元。

Q 日本の横須賀市、北九州市と姉妹区の具体的中身は何か。
A 訪問団の交流と論文発表の範囲。

Q 中国は世界の工場となっているが、中国の研究機関や企業との直接の連携は関係ないのか。
A 外交上の問題で政府機関同士の連携はない。プラ―べトな訪問はあるが公的関係はない。民間主体の交流はたくさんある。台湾の交通大学と上海の交通大学との学術交流団がようやく始まった。

Q この地区の労働者の平均賃金は全国と比較して高いのか。
A 台湾の主要産業は観光中心となっており、先端産業軸にした製造業は伝統的産業が弱まる中で今後20%まで伸びていく。比較的高い。

Q 汚水処理はどのような形になっているか。
A 汚水処理施設は民間で90%、この管理局管理で10%。同じ法律の中で管理されている。

Q 成功しているこの機関で実際の投資申請はどれくらいか。
A 1年間で60件ほどあるが25件が許可となっている。

Q 日本は箱を先に作って実際には失敗するケースがあるが、ここで成功している理由は何か。
A 先端産業、たとえば半導体について日本が必要としていることもあるが、台湾国内に市場があることが大きい。

Q 科長(説明してくれた方)さんは技術畑か、事務畑出身か。
A 交通大学のIT分野を出て、民間企業、そのあと公務員。