「師も走るほど多忙な月」ということから年末最後の月は「師走」と言われているのに、先週から6日間Macchanはの~んびり往復JR鈍行の旅でかみさんと首都圏をぶらぶら歩いてきた。
きっかけは東京在住の末妹から、従兄の娘の音楽家姉妹が演奏会をやるので来ないか?とチケットをプレゼントされたこと。
音楽家とは当ブログ見出し脇のブックマーク欄に紹介しているヴァイオリニスト日下 紗矢子さん姉妹のこと。迂闊にもお姉さんの日下知奈さんもピアノの実力者だということは後に知った。
会場は早くもクリスマスイルミネーションに埋まった表参道、150人程度収容のおしゃれなカワイコンサートサロン「パウゼ」。、表参道訪問は20年ぶりだったが、すっかり高級ブランド店が軒を連ねる大人の町並みに変化していた。それでも地方都市から出てきた夫婦は、おしゃれな店とは程遠い裏道のラーメン店をわざわざ探し出して軽い夕食を摂ってから会場に向う。
コンサートの演目は、知奈さんが2年間に亘ってやってきたこだわりの室内楽シリーズ「ベートーヴェン+(プラス)」5回の最終回で、この日はベートーヴェンのヴァイオリンソナタ4番と9番にストラヴィンスキーのバレエ音楽が加わった。比較的クラシック音楽に親しんできたMacchanにとっても馴染みが薄く、曲を楽しむというより演奏難易度の高い曲を如何に聴かせるのかということに興味を持った。
兵庫県芦屋出身の二人が小さなころから東京やドイツ各地で腕を磨いてきたこともあり、美人姉妹の息はぴったりと合い高度なテクニックを駆使しながら感情を移入していくところは、「壮絶な美しさ」という言葉があったら正にこれだと思うほどの凄みが感じられた。
アンコールは「敢て選んだ」というお馴染みのバッハの名曲、これで少し緊張した心がほどけて客席後方のカーテンが開けられた窓越しに見えるイルミネーションに、うっとりとした気分になった。数年前に従兄が他界して未亡人になった音楽家姉妹のお母さんに初めてお会いして、暫しの会話を交わした。本当に久しぶりに格調の高い気持ちのよい夕べを過ごさせてもらった。