最近の日本の熱帯化を象徴する現象のひとつにゲリラ豪雨がある。僕がよく出かける東南アジアで経験するスコールと同じものだ。本当の熱帯なら当然の自然現象だが、日本で経験するようになろうとは思いもよらなかった。
8月18日午前はいつもの夏空だった。午後2時前ごろだろうか、空が暗くなって稲光とともに雷鳴が轟き始め雨が降り出した。本格的に降り出したなと思って外を見ると前にそびえるタワーマンションの姿がかすみ出した。3分後には周囲の低層ビルはほとんど見えなくなってしまった。それから15分後、雨はますます激しくなり視界は一層悪くなった。
午後3時8分の写真を見ていただきたい。雨は上がり南東の空は明るくなってきている。ほんの1時間程度の集中豪雨だ。夕方には何があったのかと思えるような空に戻った。この時の大阪市内の時間雨量は58ミリ。よく80ミリ、100ミリ、時にはそれを超える時間雨量が降ったニュースを他人事のように聞いていたが、58ミリでも凄まじいものだったから恐怖を覚えるという話には遅まきながらまったく同感だ。
大阪市内のあちこちに落雷があり、東住吉区の長居公園でEXILEのコンサートの開演を待っていた人々のうち、九州から来た若い女性が二人も亡くなったとの悲しい知らせを聞き、熱帯化の負の側面の大きさをを痛感した半日であった。