すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【サッカー日本代表】シリア戦の後半がもたらす「大きな意味」とは?

2017-06-10 07:37:20 | サッカー日本代表
新戦力がチームを活性化する

 ひどいデキだった先日のシリア戦「前半」に警鐘を鳴らす声がなんだか多い。だが私はまったく心配していない。それだけ「後半」のもたらす意味が大きいと考えるからだ。つまり後半に出場した乾と本田、井手口の台頭である。

 ポイントは2つだ。まず第一に、チームというものは絶えず活性化が必要だ。これがなくなれば鉄板スタメンが固着して動脈硬化を起こしたザックジャパンの二の舞になってしまう。

 例えばここ数試合の貢献で原口はなんだか「不動のレギュラー」みたいになっているが、その同じポジションに乾が出てきた。2人は今後ライバル意識を持ち、激しいレギュラー争いをしながらハリルジャパンに刺激をあたえて行くだろう。

 その意味がチームにとってどんなに大きいか? もちろんこれは山口蛍がアンカー確定みたいな雲行きだったところに井手口が「待った」をかけたのも同じである。

中盤で「時間」を作れる本田

 そして第二のポイントは、右インサイドハーフに本田という大きな選択肢ができたことだ。個人的には、彼はあくまで中盤の選手であり、年を重ねたらひとつポジションを下げてボランチが適任だとずっと思っていた。だがインサイドハーフは攻撃的な本田に、より向いている。

 とかく「縦ポン」一辺倒になりがちなハリルジャパンの中盤にキープ力と展開力のある本田が入れば、タメを作ることができる。これは大きい。いやハリルジャパン最大の武器は(アバウトな放り込みでなく)狙い澄ました正確なタテへのロングフィードであることはいうまでもない。だがそればっかりではあのイラク戦みたいなドタバタにもなる。

 そこでキープ力と展開力に優れる本田が中盤でタクトを振れば、適度な「時間」を作ることができる。そのできた時間のあいだに味方がオーバーラップしたりダイアゴナルランしたり、マークを外す動きをしたりできる。つまり「仕込み」の時間が生まれるわけだ。これは大きい。

 タテに速いショートカウンターが来たかと思えば、お次はいったんタメて深みを作る。これにより対戦相手はたちまち的を絞りにくくなる。サッカーにはそういう柔軟性が必要だ。その意味で本田に中盤での見通しが立ったのはデカい。

 悲惨な内容だったシリア戦「前半」を分析し危機感を煽るのもいいが、サッカーのプレイと同じく批評にも柔軟性が必要なんじゃないだろうか?
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