まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第18番「頂法寺六角堂」~西国三十三所めぐり2巡目・13(映画『花戦さ』)

2017年04月20日 | 西国三十三所
六角堂は西国三十三所の中でもっとも「都会的」な札所といっていいだろう。周りをビルに囲まれた境内は、山の上にある札所とはまた雰囲気が違う。

境内に入ると派手なポスターが目につく。映画『花戦さ』のもので、6月3日公開とある。主演は野村萬斎さんで、納経所の入口には等身大のパネルも立てられている。 野村さんの役は初代池坊専好。前田利家邸に豊臣秀吉を迎えた時、幅4間の床の間に「大砂物」と呼ばれる巨大な立花を活けて盛大に出迎えたという。それまでは仏道のお勤めの一つであった華道を現在の形に大成した人物である。映画では他に豊臣秀吉を市川猿之助さん、千利休に佐藤浩市さんというところが出演している。映画完成のお披露目会も六角堂で行われた。

で、六角堂で『花戦さ』とはなぜ?・・・というのは、六角堂が華道発祥の地であり、六角堂の住職は代々池坊の家元が務めていることから来ている。元々は本尊の如意輪観音に花をお供えしていたのが、いつしかそれ自体が一つの道、芸術となった。ちなみに六角堂の隣のビルは池坊会館である。

そのビルは1階がスターバックスで、コーヒーでも飲みながら札所を眺められるし、途中の階まではエレベーターで上がり、エレベーターの中やフロアの通路から六角堂を見下ろすことができる。「六角」を実感できる穴場的スポットと言えるかな。

改めておつとめを行い、納経所に向かう。都市部にあるからか、若い人も列をなしている。ここでも「記念印押しますか?」と訊かれ、革堂の隣に押していただく。やはり先達納経帳でも「押す」のがスタンダードなのだろう。ならば壷阪は・・・いや、やめとこう。

これは余談で、門前に「巡礼通称寺」の幟があった。「○○寺」という正式名称よりも、「○○薬師」「△△地蔵」「××さん」といった通称で親しまれている寺院が集まって、一つの巡礼コースを形成している。そこに六角堂も入っている(革堂は入っていないが)。こうした巡礼があるのも京都ならではかな。三十三の観音霊場めぐりも、京都市内版の「洛陽三十三所」として形成されている。札所めぐりも、あれやこれやといろいろあり、「制覇しなければ」というのを掻き立てるものがある。やりだすとキリがないのだが。

六角堂から、次は新西国の誓願寺に向かう。その名も六角通を東に行けば突き当たりにあるという位置関係で・・・。
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