河野裕子短歌賞
第5回・河野裕子短歌賞の応募締切が迫ってきた。テレビのオリンピックを見ているうちに忘れることのないように、募集部門♥「家族の歌・愛の歌」の締め切りは8月19日(金)まで
「青春の歌」は9月9日(金)必着。選者は永田和宏、池田理代子、俵万智の三氏。
投稿方法は専用用箋に作品と必要事項を明記して郵送。用箋は事務局に請求。作品はいずれも自作未発表に限る。問い合わせ・作品の送付先は
〶 556-8666 産経新聞開発 「河野裕子短歌賞」係
電話 06-6633-6852 まで <うた新聞8月号より>
河野裕子の命日の頃となった。老人にならずに世を去った歌人。私よりかなり年下なのに、姉のような方だった。短歌か俳句か迷っていた頃に応募した毎日新聞のコンクールで河野裕子選者賞に選んでいただいたことが短歌に関わるきっかけとなった。3首ワンセットの応募作品を「相聞歌を詠む人は少ない、これからもどんどん相聞歌を」と河野裕子先生に言われたとき私は少しとまどった。恋を詠んだとは思っていなかったが私の心の底が歌に滲んでいたのかもしれない。
コスモスの花が好きだった河野は自宅の庭でコスモスを育てていたらしい。8月になり蕾になり始めた頃に世を去ったのだ。歌人としての河野裕子は完熟する前に癌のため世を去らなければならなかった。私は河野の大胆さと庶民性が好き。「卵かけごはんが大好き」と話すあの笑顔が忘れられない。
、卵かけごはん 松井多絵子
ニワトリの卵を割れば月が出る、いつかどこかで見たような月
二等米でも炊きたてはおいしくて河野裕子の卵かけごはんを
卵かけごはん、味噌汁、一夜漬け、みずほの国はやはりよき国
あら、まあ、冷蔵庫には卵がない、夜逃げしたのかしら
8月7日 松井多絵子