其蜩庵井蛙坊

井戸の底より見たり聞いたり喋ったり

生類憐の令

2009-11-03 19:53:07 | 生き物
明治天皇が肉食奨励のため、明治五年一月二四日「自ら膳宰に命じて」牛肉を御試食なさいました(近代日本食文化年表小菅桂子著)。天智天皇の時代の殺生禁断令によって肉食(牛・馬・犬・猿・鶏)が禁じられていました。
徳川綱吉の生類憐の令は、悪法だとして云々されていますが、「人間のために、働きずくめであった牛馬を殺して食用にするなど、慈悲のないことはするな」と言われたそうです。確かな資料を持ち合わせませんので、歴史的事実であるかどうかはわかりません。
福山市の芦田川の川底から、遺跡草戸千軒が姿を現しました。 同市の広島県立歴史博物館には、丁寧に遺跡の復元がなされているようです。
遺跡調査によって、当時の草戸千軒の人々が「何を食べていたか」が判りました。ごみ捨て穴や井戸・溝などから、出土した動物植物の骨・種子などによりますと、植物では、米・麦や果物など、魚では、真鯛・鰤・鱧など、貝類では蛤・牡蠣などです。意外に思えるのは、犬・鹿・猪・牛・馬・鶏・雉などがあったことです。食料とした動物の骨から刃物で解体されていることも判りました。(中世の風景を読む6-「草戸千軒にみる中世民衆の世界―志田原重人著」による)。中世の人々も,実際には盛んに肉食していたのでは、と、著者が推察しています。文献資料のみでは、歴史は謎ときできないようです。


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