其蜩庵井蛙坊

井戸の底より見たり聞いたり喋ったり

唾玉集

2010-06-02 15:24:37 | 文芸
10-6-2
唾玉集
東洋文庫に「明治諸家インタービュー集の唾玉集」というのがあります。編者は伊原青々園・後藤宙外となっています。幸田露伴の「自作の由来」を初めとして尾崎紅葉・広津柳浪などの諸家が自作について語り、佃島の網頭や国事探偵・盗賊などとの対面録が集められています。いわゆる文士人の手の内話はそれなりに面白いのでしょうが、むしろ漁師や探偵・役者・侠客・髪結いなどの語りに興趣があります。
そこで露伴の五重塔を読んでみました。句読点については、谷崎潤一郎の主義は「日本語の文章には西洋流のセンテンスの構成を必要としない建前」だそうです。とは言うものの五重塔の最初の章は、讀点こそありますが、冒頭より句点に到るまで、千四百三十字あります。ちょっと朗読には息切れがしそうです。



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