ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

菖蒲谷貯水池(菖蒲谷ダム)

2017-09-28 13:44:34 | 福岡県
2017年9月19日 菖蒲谷貯水池(菖蒲谷ダム)
 
菖蒲谷貯水池は福岡県北九州市若松区小石の赤崎川水系赤崎川上流部にある北九州市上下水道局が管理する上水道用水目的のアースフィルダムです。
明治後期より石炭の積み出し港として発展した若松ですが半島地形のため上水道水源の確保に苦労し、1912年(明治45年)に洞海湾を挟んだ対岸の戸畑に浄水場を作り海底送水管による給水を開始しました。
若松市の発展に対応した第2期拡張事業で1925年(大正14年)に建設されたのが菖蒲谷貯水池で日量1400立米の給水能力がありました。
戦後も上水道水源として活躍しましたが、1967年(昭和42年)の浄水場統合によりその役割を終え、現在は緊急時の予備水源として北九州市上下水道局が管理を行っています。
大正以降の若松の発展に大きく貢献した点を評価され経産省による近代化産業遺産に選定されています。
 
若松区小糸町に菖蒲谷自然公園を示す標識がありこれに従って赤崎川沿いを西に進むと左手に菖蒲谷ダムが見えてきます。
下流から見る限りはただのため池。
 
天端左岸に近代化産業遺産の説明板があります。
 
左岸の余水吐導流部
木が茂りなんだかよくわからない写真。
 
左岸の横越流式余水吐
こちらも同様、木の間に越流面が見えます。
 
総貯水容量26万4000立米
現在は緊急用予備水源という扱い。
 
明治大正期の上水用水源地でよく見られる円筒形の取水塔
ここから水を送っていた畑谷浄水場はすでに廃止となっています。
 
空気が澄んでいれば洞海湾を挟んで戸畑、さらに下関まで遠望できるのですが・・・。
 
天端
上流面は谷積の石で護岸されています。
 
階段で堤体直下まで降りることができます。
ダム下は公園になっていますが、木が茂り下流面の写真を撮ることはできませんでした。
地図では菖蒲谷自然公園と記され、北九州市のHPでも桜の名所と紹介されていますが、訪問した時期が悪かったのか?草が生しかなり荒れ気味の公園です。
 
2377 菖蒲谷ダム(1111)
近代化産業遺産
福岡県北九州市若松区小石
赤崎川水系赤崎川
18メートル
140.4メートル
264千㎥/210千㎥
北九州市上下水道局
1924年


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