おれは土門拳になる タイトル
 



今年の3月、グラフィックデザイナーの長友啓典氏が他界された。
僕は新聞でそのことを知った。
病気と戦っておられたのは知っていたが・・・




長友氏と初めてお会いしたのは2002年だったと思う。黒田征太郎氏とK2というデザイン事務所を開いておられた。二人の天才の名と共にK2は業界では知らないものがいなかった。そんな大御所に、僕の初めての作品集である『GENESIS』とその写真展のポスターまでデザインして頂いた。東京都写真美術館で開かれた個展『GENESIS』のオープニングでは、ユーモアを交えた素晴らしいスピーチをして下さった。金髪でシャンパン片手に豪快に笑う姿が懐かしい。
高名さに関わらず本当に気さくな方だった。『おれは土門拳になる』『天狗の棲む山』のデザインも全て長友氏だ。僕が今も大切に使っているマークもご好意で作って下さった。『神の宮』もお願いしたかったが、事情があって叶わなかった。残念だ。
僕が会員として所属しているエンジン01でも積極的に活動しておられた。なんでも“楽しい”に変換して周りまで楽しくさせる特殊な才能を持っておられたと思う。やはり大阪生まれの血だろうか・・・

デジタルへの移行で、写真同様グラフィックデザインの世界も大きく変わった。パソコンの画面上で簡単にやり直しや加工が出来る。情報も世界中から集まる。そんな時代にホンモノを追求するのは難しいのかも知れない。
長友啓典氏は間違いなくホンモノだった。仕事も遊びも生き様も。
ご冥福を心よりお祈りする。


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  会期:2017年8月28日〜9月7日


気がつけば風薫る5月、随分とご無沙汰してしまった。
最近はさぼり気味ですみません。
宗像大社・沖ノ島がユネスコ世界遺産登録で話題になっている。僕は、沖ノ島はもちろん中津宮や辺津宮、古墳群も昨年撮影したので全て登録されれば嬉しいけれど・・・どうなるかな?

さて、今日は別の話。
見出しの通り、今度豊岡市の要請で「神の宮」展を開催することになった。
会場の旧本庁舎は、1925年に起こった北但大震災の復興のシンボルとして1927年に竣工され1952年に増築された瀟洒な建物だ。元々は新庁舎の位置に建てられていたが曳家により、外観が損なわれることなく保存され活用されている。
それは、豊岡の自然、歴史、伝統と文化を大切にするという基本理念を象徴するものとなっている。



豊岡市はアートへの理解も深く、アーティストへの支援も活発に行っている。その根底にあるのは“将来世代のために”ということと子供達に本物を見せたいという強い思いだ。それは「神の宮」の主旨とも一致している。先日市長とお会いしてお話しし、非常に共感するものがあった。そこで今回の写真展では子供達相手に写真のワークショップも開くことにした。僕がカメラに引き込まれたように、豊岡の子供達も興味を持ってくれると嬉しい。



写真は豊岡市長とのツーショット。前にあるのは市のシンボルであるコウノトリのオブジェだ。豊岡市役所にはコウノトリ共生課なる部署がある。これも環境を整え、持続可能な社会にしようという試みのひとつだ。豊岡は市を上げて国連の提唱するSDGs(持続可能な開発のための目標)にコミットしていると言える。
期間中、豊岡を訪れることがあれば是非写真展にもお立ち寄りください。

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前回のブログを更新してから既に3ヶ月以上も経ってしまった。
思えば、非常に充実且つ多忙な一年だったな。
とりあえず、昨年の主な行事を下記に列挙してみた。



・2月〜10月 
宗像大社撮影(沖津宮、中津宮、辺津宮)
・3月18日〜20日 
沖縄で開かれたG1サミットにて『神の宮』展開催
・3月25日〜5月18日 
特別展:遷宮「受け継ぐこころとかたち 増浦行仁『神の宮』」
島根県立古代出雲歴史博物館にて開催
・5月14日〜6月19日 
伊勢志摩サミット開催記念『神の宮』増浦行仁写真展 
三重県立美術館にて開催
・5月 
『神の宮』写真集 伊勢神宮 出雲大社 出版
(東京大学出版会より)
・6月9日 
『神の宮』より平成の大遷宮の作品60点を出雲大社にご奉納
・9月17日〜11月28日 
宗像・沖ノ島 大国宝展開催
・9月 
写真集『起源』宗像三宮と宗像一族 出版
『神の宮』写真集 伊勢神宮 出雲大社 特装版 出版
(東京大学出版会より)
・11月3日 
京都フォーラムにて『神の宮』展開催
・11月12日 
地球システム・倫理学会 学術大会にて『神の宮』展開催


こんな風に活動出来たのも、支えて下さった皆様のおかげです。
心より感謝申し上げます。
今年もよろしくお願いします。




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さて、この度 東京大学出版会から「神の宮」写真作品集の特装版が出版されることとなった。
これは、今年5月に開催された伊勢志摩サミット記念として作成されたものだ。写真集とはいえ、和紙にプリントされた123点の作品が納められ、特製の額も付いている。また作品だけでなく、塗りの外箱、それ結ぶ紐、包む風呂敷、運搬用のアルミケースに至るまで、日本の伝統技術の粋が注ぎ込まれた芸術品といえる。
なぜ、こんな豪華版の写真作品集を作成することになったのか。当初、「神の宮」の作品を伊勢志摩サミットの参加国元首のおみやげにして頂こうと企画していた。「神の宮」は日本古来の重要な精神文化である“遷宮”を撮影したものだ。そして遷宮に込められた感謝と祈り、繰り返し行われるシステムこそが、1300年以上も世代を渡り継承されて来た公共幸福文化であり、国連が提唱する、持続可能な開発の為の目標にも通じるものだ。そこで、このことを世界に伝えようと、神の宮の全作品を収録した玉手箱を作成することになったのだ。



特装版の完成品を見た時、クオリティの高さに感動した。これこそ日本が誇る、文化が詰まった玉手箱だ。残念ながら、いろいろ問題があり、サミット当日に本体を渡すことは出来なかったが、「神の宮」の作品は、三重県知事からの記念品として参加各国の元首の手に渡った。また、特装版のプロトタイプは昨年、安倍首相に渡している。首相は非常に感動され、これを沢山の人に見て貰いたいと言われたそうだ。僕もそのつもりである。「神の宮」は僕個人の写真集ではなく、生命の永続を願う古来の人々の祈り、万物と共生共存する叡智を伝える媒介なのだ。そこに、今を生きる人々の思いが重なった特装版は、まさに世界の未来を開く玉手箱といえる。それを世界中に届ける為に、僕は今後も各地で巡回展を開く。

末筆ながら、「神の宮」の主旨に賛同し、利益を度外視して制作に携わってくださった皆様に、改めてこの場を借りてお礼申し上げたい。
見事な塗りの外箱を作成して下さった有限会社みさき創屋 代表取締役 三崎憲雄様と越前漆器株式会社 専務取締役 森下桂樹様、渾身のアルミケースを作成してくださったヒロセ工業株式会社 代表取締役 廣瀬正貴様と株式会社伊藤ケース製作所 代表取締役社長 伊藤嘉規様、昔ながらの手作りで風呂敷を仕上げてくださった田勇機業株式会社 代表取締役 田茂井勇人様、そして全ての手配をしてくださった浮田産業株式会社 代表取締役 浮田昌宏様にも深く感謝申し上げる。

特装版には、一昨年の7月に天皇皇后両陛下に献上した作品4点も含まれている。その作品は献上してすぐ御所に掛けられ、日々ご覧頂いているとのことだ。光栄至極である。


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開催期間:2016年9月17日〜11月28日
開催場所:宗像大社 神宝館
     福岡県宗像市田島2331
     http://www.munakata-taisha.or.jp



9月17日、福岡県宗像市に鎮まる宗像大社の神宝館にて「宗像・沖ノ島 大国宝展」が始まり、開会式に呼ばれたので出席した。生涯3度目のテープカットだ。国宝とともに僕の写真(作品)も展示されている。館内のエントランスには3メートルの作品が5点並んで展示されていて、なかなかの迫力である。当日は主催者の宗像大社の葦津宮司とRKB毎日放送の井上社長、賓客として福岡県知事を始め、宗像市長や福津副市長等々錚々たる方々が集まった。



本展は、RKB毎日放送創立65周年記念事業であり、宗像・沖ノ島と関連遺産群が来年のユネスコ世界遺産登録候補に決定した記念でもある。僕は今年の2月から月1〜2回の割合で撮影の為に宗像を訪れた。神職以外は極限られた人しか入れないという沖ノ島にも渡って撮影した。沖ノ島では古代の祭祀遺跡が良好な状態でいくつも残されており、社もなく岩上や岩陰を利用した素朴なお祀りの有り様に日本古来の精神性を強く感じた。島では今でも掘れば当時の奉献品が至る所から出土されるそうだ。今迄に発掘された神宝はなんと8万点にも及び、その全てが国宝に指定されている。但し、島にあるものは草一本、葉一枚、石ころ一つでも持ち出し禁止である。沖ノ島に渡るのは無理だが、宗像大社の辺津宮や大島の中津宮には機会があれば是非訪れて頂きたい。特に大島は僕のお気に入りである。魚も美味しく人柄もフレンドリーだ。



本展に合わせて「起源」という写真集も出版された。機会があれば手に取って頂きたい。

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