寝転がって気ままに想う事(旧爆笑マル秘役員専用車の運転士)

 世の中ってこんなもんです・・
面白可笑しくお喋りをしましょうか ^^

お湯割り十杯

2010年11月30日 09時05分04秒 | 日記
世の中古今東西楽しい時悲しい時必ず出て来る物と言えばお酒です。
会社ではさすがに勤務中は禁酒ですが(笑)仕事が終わるとアフターファイブ♪ それぞれ仲のいい者同士縄のれんをくぐるのが一種のけじめになっています(笑)
気の合う同士ならわいわいガヤガヤ一杯のお酒は今日の疲れを癒し明日への活力にもなるでしょう。
ところがその団欒の場に上司が臨席しますとたちまち場の雰囲気が変わってしまいます。居酒屋なんかでよく見ていますと上長が入っているかどうか雰囲気でわかるものですね(笑)
私はそれを横目にチビチビ飲むのが 好きですね(笑)
仲間同士なら馬鹿騒ぎしていようがしんみりやっていゃうがなんとなく場がまとまった感じがします。
ところが一人でも偉い人がいてご覧なさい…騒いでいても静にしていてもどこかしらまとまりのないアンバランスな雰囲気があります♪
それは上長に気を使ってやたら喋りまくる奴がいたり、或いは皆が気を使いすぎて饒舌になったりするからでしょう。
また上役の独断場になっている場合もよく見掛けますね(笑)
若い世代にかこまれてやたら話まくっている人がいるのがそうでしょう。それは少なくとも三段階以上階級が離れている時が多いでしょうね。 とても恐れ多くて話しかけるどころか顔さえ直視できません。
上長はそんな場合は気を使ってわざと冗談を交えて話す訳ですが、緊張の極みにいる若手にはジョークも訓示も見境がつかなくなっていますから、ジョークの時でも神妙にうなずいていたりしています(笑)そしてはっ!と気がついて『今のが冗談か…』遅れて追加笑いをしてしまうのです。
まあサラリーマンは上の顔色を見ながら生きて行かなきゃあいけませんが、やっぱりそれも程度物であります。
飲み会に部長クラスが臨席しているのはまだしも役員や三役(副社長、専務、常務)が臨席しているとこれはまた全然違った雰囲気がありますが… 果たして鬼塚専務が若手と一種に飲み会に出ているとどうなるのでしょうか(笑) …
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英国屋その〓

2010年11月29日 09時22分20秒 | 日記
四十台の女性スタッフがガーガ―がなりたてて私は戦意いや購買意欲をなくしそうでした。皆さんそんな経験ありませんか(笑) どうしても私にはシステムの説明がただの雑音になりました。むしろ雑音が罵倒しているように耳に入って来ますから、私はなにも悪いことしてないのに何故か怒られているのであります。(笑)多分相手は親切で丁寧な説明をしているつもりなのでしょうけど…
ここで仮に裁判にかけたとしてもお互いの主義主張が合わないために不起訴になるでしょうね。つまりガミガミ攻め立てたおばさんは罪にならいのです。
一方私の事情なのですが今日買わなくてはならない訳でもないのですが、後十日くらいは忙しくて(夜の接待が予定にありました)今日♪と決めていました。
優柔不断な私は『何としても買う』と強い意思を決めて置かないとこんな災難に出会った時には脆いのです。
私は堅い決意の元おばさんの口撃にひたすら頭を低くして耐えました。 暫くすると私の周りに朝日が差して小鳥が囀り出しました。
目の前に明るい日差し現れていました。
よく見渡すとあの おばさんがいません。
嵐が去るまでは…と我慢した私の忍耐が報われたのです。 (パチパチ)
『大層な奴』つまり大袈裟だーと指摘する貴方!
一度この店に来て見なさい(笑)
『あ…高村が言っていたのも無理ないわ』と同情するでしょうね。
話は戻りまして私はようやく目指す洋服を見たり手に取ったりとショッピングらしき行動にでることができました。
私はもう一度予定を復唱しました。 二着で五万、ツーパンツであること。上着にはネームを入れること!
『よし!』大丈夫だ!私は頭に来ると肝心な事を忘れてしまう癖がありました!
『以外に冷静だなぁ』独り言まじりに目的の一列に入って行きました。
先にも説明しましたように首吊りのスーツは一列ごとに価格がまとまっています。
判りやすいと言えばそうなのですが、遠めに見ても慣れたスタッフなら 『はは~んあの値段帯を物色しているな』
と一目瞭然です。 構うものか!私は目当ての価格帯の一列をカニ歩きで進みました。
まず価格を確認して色柄を吟味します。
…と恰好良くいきたいのですが、私達には制約がありました。
それは役目柄、地味で奇抜な柄はNGでした。
簡単に説明すれば 例のリクルート服です。
色目は紺かグレーしかも無地です。 ちょっと良いなぁと思っても制約が邪魔をして諦めざるを得ない…それを二三回も繰り返すともう列の端まで来ています。 『やれやれ…』溜め息をしながらもう一度チャレンジです。
しかし何度見直しても結論は出ています。
そうさっきの足枷がある以上は選択肢はそれほどないのでした。
紺の無地となれば二種類しかありません…
『時間の無駄かな』ようよう諦めようとした時でした(お気に入りのストライプがあったのですが…)
『どんなのをお探しですか』
私の頭の上から声がしました。
(よく考えると私の頭上から来るはずはないのですが…)一瞬嫌な予感!
顔を上げたら案の定例のおばさん! 私にほほ笑み掛けて『こちらにもイタリアメーカーがありますけど如何ですか』と宣って(のたま)ってきました。
『あちら…?』
良く見ると今見ている列のもう一つ向こうに一列ありました。
列の上にイタリアフェアと派手に看板が出ています。 『あっちは高いんじゃあないの』
私の疑いの眼(まなこ)に良く喋るおばさんは作り笑顔で 『いえとんでもありません自社(うち)が独自に開発していますから、お値段もリーズナブルになっておりますハイ!』勝手に返事しながら手で示しています。
『何がリーズナブルだよ』私はこの喋りのおばさんがどうも気に食いません。
それでも現状のスーツでは満足していない私はふらふらと誘われるようにイタリアフェアに足を踏み入れました。
『高かったら承知しないぞ』半分喧嘩腰になっていた私は荒々しくイタリアの一列に手を掛けていました。 『まず値段だ』
スーツは全部左腕の袖口辺りについています。
78000円→38000円 『ん?』確かに同じ値段だぞ!
私は眉に唾を付けて見直しました。 疑い深い私は手早く袖口を次から次と確認していきました。もう色目や柄なんか見ていませんでした。
半分近く見てようやく納得しました。あの喋りおばさんの言うとおりでした。
『くそ!』
このイタリアスーツが安いのは分かったけれども、どうも私は素直に喜べません。
たぶん喋りおばさんの推薦だったからでしょうね(笑) 意地っ張りの私は 『イタリアはどうもねぇ…』
何かいいケチをつける口実を探しながらぐるりと首を回しました。
『おや?』
私は不思議に思いました。
よく見るとイタリアの手前の最初見ていた一列から離れている場所にもう一列あるじゃあないですか!
私は夢中でその一列に向かいました。呆れた顔で腕組みしている喋りおばさんを尻目に…イタリアなんかクソ食らえだ!
私が気付いた一列はやはり同じ価格帯です。(ラッキー♪)
首吊りを掻き分け探して見るとなかなか渋い色目があるじゃあありませんか(笑)
皆様リーガルご存じですよね♪
そうです。靴のメーカーです。
『へぇ~リーガルが服やってるんだ』私は感心するやら驚くやらで、暫く見とれていました。
色目はグレーもあるし紺もありました。それも渋い色使いでナイスミドルの私には絶好でした。生地には薄い線を織り込んでいます。
勿論ウール100%です。
私はすっかり気に入りました。
懸案のズボンも二着ありました。後は…うーん(笑)
値段でした。
そんな私の素振りがどう見えたか判りません(笑)が、値段について思案顔がひとつのシグナルなのでしょうか(笑)
血に飢えたハイエナが私に近付いてきました。
『た、助けて~!』叫べど他に人はいませんでした。 いや良く見るともう一人のスタッフは別のカップルに話し込んでいるのです。
つまりこのだだ広い店舗にはスタッフは二人しかいないのでした。
それを知った私… あの喋りおばさんが作り笑いを満面に浮かべて近付いてきても追い払う気力がありませんでした。
買う気はあるけどこいつからは買いたくない!私は偏見を持った偏屈オヤジと見られている事でしょうね(笑)何も若い可愛いスタッフと思ってはいないのですが、この喋りおばさんだけは堪忍して欲しいよ~
………
それから三十分私は訳の判らない説明を繰り返し聞かされそれでも何とか予算通りでお気に入りのリーガルを手に入れる事ができました。
無論ネーム入りですよ(笑)
今から思うとあの接客マナーでよく勤まるなぁと思うのですが、そこはそれ破れ鍋に綴じ蓋と故事にあるように妙に合うお客もいるをだなぁと諦めました。
ところで冒頭の英国屋…
ここでは首吊りは一切置いていないはずですが、
70万円のオーダーメイド♪
これを作った方は高辻役員ですが、 どんな接客をうけていらっしるのでしょうかね(笑)
たぶん極楽みたい待遇であるはずですよね。
特別値引きや会員証がどうだとか…価格から足したり引いたり割ったりと訳判らない計算をし尽くしてハイ♪予算に治まりましたよ(笑)例のおばさんですが(笑)英国屋じょあどんな精算なんでしょうね(笑)皆さん、そして私もまず縁のない話ですが…
『甲斐性のある方がいらっしゃったらごめんなさい』
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英国屋

2010年11月26日 10時10分39秒 | 日記
世の中に決まり事があるせいで秩序がたもたれているのでしょうね。
例えば私なんか一番関わりあいのあるのが信号です。 青で進め、赤止まれ…ですね(笑)
至って単純な判りやすい標識です。しかし面倒だから急いでいるからと赤を無視して進めばどうなるでしょうか(笑)
この信号は万国共通みたいで欧州の映画みていたら、少し形は違いましたがやっぱり赤黄青(みどり)でしたよ、
たかが信号、世界は狭くなりましたね。
冒頭に決まり事と書きましたが、法律などで決まっている事意外に既成概念がありますね。要するに頭の堅くなってきたひと(笑)私なんかもそうですが、『やっぱりこうでしょう』と話のなかでつい口にしてしまいます。
世の中の移り変わりが激しい中でこの石頭ではとてもついて行けません。一時流行った顔黒(がんぐろ)…あれなんですか!初めて見た時腰が抜けてしまいましたよ(笑)
仲間に話していると皆(私より年上)が口を揃えて
『あんなのファッションじゃあない』と言います。
『じゃあどんなのがファッションですか』と私が問いますと 皆口々に 『そりゃあちゃんとスカートはいて…』とか『女の子らしく…』とか言います。
これら全て意見を聞いてみますと、 いろいろ好みはありますが、自分の堅い(笑)頭の中で出来上がっている既成概念をしゃべっているようですね。
そう偉そうにしゃべっている私なんかも同類ですが… そんな頭の堅いおじ様方の心情を上手くビジネスに活かしている会社もあります。
枕が長くなりましたが(笑)英国屋… 皆様ご存じでしょうか?
泡を使ったサービス産業(笑)じゃあないですよ。
紳士服を扱っている要するに服屋です。
服屋なら私も愛用していますが、青山、はるやま、コナカ、青木もありますね。
私はもっぱら青山ですが。
そうそう十月でした。冬用のスーツを新調しましたが、予算は五万♪
ただし二着、ツーパンツを考えておりました(笑) そりゃあ一着1万円もありますが生地がよれよれ!二三回着たら見られなくなりますよ(感想)
てな訳でミドルクラスを考えたのです。
青山に限らず他の紳士服店はどうしてあぁもでかい店舗なのでしょうか。体育館かと思うくらいの高い天井と広大な奥行き、 洒落ているようで安普請の内装、アメリカンポップスをガンガン鳴り響かせてこの店一体何を売りたいんだろう♪と思ってしまいますが、扨置き…(さておき)
一列ごとに値段が違うことを確認してから私は予算通りの商品を吊っている列を探し当てました。
…と言いましてもここのシステムは難しくて一着は標準価格でも二着買えば二着目が千円になるのです。
これが三万円がどうのこうので三千円となる場合もあります(笑)
私はそう頭の作りが良くないため(笑)店員さん(この言い方古い…)スタッフに声を掛けて見ますと四十台の女性スタッフが来てまるで子供に教えるような噛んで物を言い含めるみたいに説明します(笑) あまりくどいので横を向いてスーツの列を触り出したらそっちまで追いかけてしゃべるのです。
私はそのおせっかいなスタッフにうんざりしました。 しかしそのおばさんは(スタッフなんて言うものか!)そうとも知らず相変わらず料金システムを喋りまくりました。
あ~もうどこかへ行ってくれ!
私はそう思いました…
(続く)
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華麗なる一族

2010年11月25日 10時18分14秒 | 日記
秋も深まってきましたね。ここ京都では紅葉シーズン真っ直中です。観光バスがいっぱいやってきて市内は交通渋滞真っ盛り(笑)
いやはや日本人には呆れます…
が…今年は違います。そう海外からの観光客の多いこと…特に中国人が見立っています。 中国人は一見、日本人とよく似ていますが、服装がはっきりと違います。まず原色系が好きなのですかね。黄色、青色、赤色 兎に角混じった色彩がありません。 この辺り日本人の色彩感覚と隔たりが見えますがこれってはっきりと言うのが当たり前な人種と何かにつけ曖昧な態度の日本人 を物語っているかも知れませんね。
ところで先週は京都で接待がありました。途中若手が抜けて東京に帰るので私の車に乗車しました。
若手と言いましても31才独身♪
何年か前には京都にいたらしく『久し振りやねぇ』と祇園のネオンを眩しそうに眺めていました。
この澤田君中々の好青年♪生まれは東京で、祇園から京都駅までの短い時間でしたが気持ち良く運転させていただきましたね。 私は常日頃このブログの材料はないかと耳をスピーカーのごとく拡張しています。
果たして澤田君(笑)祇園の思いで話で終始すると思いきや意外なお話をご披露下さいました。
ただしこの話しは全てオフレコですので(今までの話しも同様ですよ)読む方もそのつもりで耳をふさいでいて下さいね。(意味ないか…)
澤田君は京都の四年間の想い出話もそこそこに、いきなり 自分の家の近所に鬼塚専務の家がある、とびっくり宣言をしました。話を聞くと近所どころか鬼塚専務の娘と同級生だそうなのです。
『同級生?』『はい!高校まで一緒でさすがに大学は違いましたが…』
『へぇ~』私は驚きながら、そう言えば以前専務が娘の話をしていたのを思い出していました。
『確か娘二人じゃあなかった?』
『ええよくご存じですね』
私の記憶は間違っていませんでした。
『僕は下の娘と同級生なんですよ』『どっちか東大なんでしょ』私はうろ覚えでしたが、話を繋ぐために聞きました。
『確か上はアメリカの大学でしたよ』『アメリカ!』
『ええIBMに勤めていてすごい年収らしいですよ』 ああ…そう言えば専務が自慢げに話していたのを思い出しました(笑)
『じゃあ…』
私が聞こうとすると澤田君は口を挟む勢いで『下の娘が僕の同級生でねT農大でした。』
『のうだい?』
『獣医ですよ』
『ハイハイ♪』
『それでJLAにいきなり800万円で入ったんですよ』おいおいそう興奮するなよ(笑) 澤田君は接待酒が回り出してきたのでしょうかえらく饒舌になりました。こうなったら、私は超スローな安全運動モードに切り替えます(笑)
『凄いね♪』私は相槌を打ちながら澤田君にヨイショをしています(笑)
『ある時に専務からお前近所なの(笑)』と話しかけられて『ハイ下の娘さんと同級生です』と答えたところ…
『澤田!うちの娘と結婚してくれたらお前直ぐに役員だぜ!』冗談とも付かない顔でおっしゃいました。
『えっ!』一瞬たじろいだ澤田君(笑)
『でもなぁあれじゃあなあ…お前だって考えるよなぁ』
娘と言うのは実に父親似でした(笑) 『えぇ…まぁ…』澤田君は口を濁してその場を離れましたが、鬼塚専務の苦笑いはなんとも寂しげな感じだったそうです(笑) ところで娘二人揃いも揃って高年収です。上の娘は外資なので波があるようですが、二人合せた年収は辛うじて親父が上回っていた(笑)なんて話でした(笑)
どちらも凄いですが、娘二人は何せ父親譲りの甲斐性者…容姿も似ちゃった(笑)らしいけど、澤田君曰く最近下の獣医さん彼氏が出来たらしいと聞きました。
『へぇ~』私がおどけた様子で返事しながら
『牝馬かい!』
と言うと車中は爆笑の渦でした。
『あっ今の話ここだけですよ』
『ハイハイ』安請け合いの私(笑)
ちょうど京都駅が見えました。
『お疲れ様…』
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間違った電報

2010年11月24日 08時16分50秒 | 日記
佐川本部長のヒントは漠然としすぎて星部長にはさっぱりわかりません。
『なぁそんな遠回しなヒントじゃあわからないよ』
泣きが入りかけてきました(笑)
『自分の胸に手を当てて考えて見ろよ』相変わらずニヤニヤして佐川本部長はぼかして答えを言いません。
ふて腐れてきた星部長をながめて佐川本部長は呆れ顔を作り
『よく部長昇進試験に通ったなぁ』追い討ちをかけるように笑いました。
『あのね星ちゃん国分寺はJR線沿えにあるだろ』
横を向いている星部長に宥(なだ)めるように佐川本部長は言います(笑)『それで…』星部長は子供がすねたような態度をとりながら返事をしました。
『まぁ聞けよ』
へそ曲がりの星部長に諭すのは大変だね。(笑)
肩をすくめて佐川本部長は話を続けます。
『これは或る情報筋から聞いたのを推測しているから多少ずれているかも知れないけどね…』
『情報筋…』
星部長はにわかに顔を向き直しました。
何と言っても佐川本部長の情報網は天下一品でしたから(笑)
『おっと聞く気になってくれましたか(笑)』からかう佐川本部長に、
『マジで教えてよ』じれた星部長はせがみます。
勘と読みの鋭さは天才的な佐川本部長はその反面人を舐めてかかる性格でした…
以前部長昇進試験のプレゼン(プレゼンテーションつまり発表会みたいなものです)で試験官の役員の質問に対して、 『そんな事も知らないのですか?』とせせら笑ったから大変でした(笑)
それまでほぼ確定していた昇進試験をその役員の猛反対に合って見送りになった経緯がありました。当時上司の根本常務が『君はまだ若いから我慢しろ』となだめた話は有名です。
…そんな佐川本部長ですから同期の星部長に容赦ないのは当然でしょう。しかしさすがにからかうのもこれが限度だと思いました。
『じゃあ星ちゃん降参だね』
星部長の顔色も伺わないで佐川本部長は続けます。
『矢野役員の自宅が国分寺だよね。あそこは新宿が乗換えのJR沿線だよね』『はぁ』確かに国分寺は新宿から四十分くらい先にありました。
『矢野役員はあの年でキャバクラが大好物でね、途中下車しては通っていたのがこの新宿のキャバクラだよ』
『ほう~』口は悪いが佐川本部長の情報網はピカイチでした。
こんな関係ないような役員の私生活まで把握していたとは…星部長は舌を巻きました。
『それでね、二年ほど前に通っていたキャバクラのおねえさんにアタックして肘鉄を食らっていたんだよ』『はぁ…』
『でね…』
佐川本部長はもう星部長の反応など関係なく話続けます。
『二年後その肘鉄娘が自社(うち)に入ってきたんだよ』佐川本部長はここまで喋ると水割りをグビリと飲みました。
そして『ここからが星ちゃんにえらく関係があってさぁ』甲高い声が一段とアップしてきました。
『たぶん大学時代のアルバイトだったんだね(笑)偶然にも総務に入っちゃったんだね』
『俺とこに…』
『そうだよ、星ちゃんのところだね』
うちにいる二年生…『ま、まさか!』
星部長がはっと気が付きました。
『あの…』
言いかけて星部長は絶句しました。 こいつは…この佐川はどこまで知っているんだろう。 星部長は背筋が寒くなりました。
岩川亜衣との関係は極秘でした。
慎重にも慎重を重ねていたつもりが、矢野役員は言うに及ばず佐川までに知られていたとは…
星部長は頭を抱え込みました。
うなだれる星部長を見ても佐川本部長は鼻歌を歌うような調子です。
『矢野役員の気持ちも分からないではないけど大人気(おとなげ)ないよね星ちゃん♪』
『ううう…』言葉にならない呻き声を上げて星部長は崩れていきました。
『おいおい星、』
佐川本部長が声を掛けますが、崩れ落ちた星部長は微動だにしません。 『たぶんそうかな、と思ったけどズバリ的中だね』
推理通りに勝ち誇った佐川本部長は残りの水割りを飲み干して言いました。
『安心しろよ、星ちゃんと俺は同期なんだから…これからもよろしくな(笑)』
今夜はお前のおごりだよ♪そう言って佐川本部長は笑っています。
星部長はつくづく思いました。
こいつ敵に回さずよかったね(笑)それにしても痛いところを掴まれてしまったなぁ…あいつには一生頭が上がらないぞ…
溜め息をつき星部長はそれでも佐川本部長について行くこうと思いました。
『あぁ星ちゃん分かっていると思うけど総務の人事権はお前にあるんだよ』甲高い声が星部長の耳に響きました。
さすがに星部長もこれが何を言っているかは理解できました。
『それと次のキャバクラおごってくれたらもっとサービスしちゃうぜ』
『いやぁキャバクラおごるくらいいいけど…』
何なんだよ…と言いたげな顔でいると 『たんこぶのお掃除してやるよ(笑)』佐川本部長はウインクして笑います。
『たんこぶ…』
『そう!福岡に営業管理職のポストが空いているんだよ』
これには星部長もびっくりしました。
地方の部長を飛ばせるなんていつの間にこんな力を付けたんだよ!
『まあ福岡は左遷とも言いがたいけど暫くは戻って来れないからさ』
淡々と話す佐川を見て改めて背筋がぞっとしました。 『勘違いするなよな』恐いものでも見る顔している 星部長に佐川は首を振ります。
『実はさぁ田中ちゃんは福岡出身でさぁ両親の面倒をみなくちゃあならないらしいよ』
『えっ!』そんな話は初耳でした。 『だから福岡にいっても誰も困らないのさ。それどころか感謝されるんだぜ』
『いやーあ』
参りました! 星部長は心底 感服していました。
『じゃあ星ちゃん次行こうか♪』
『あぁ…』
席を立つと長身の佐川本部長がいつもより一段と大きく見えたのは気の性なのでしょうか…(完)
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