紫の物語的解釈

漫画・ゲーム・アニメ等、さまざまなメディアにひそむ「物語」を抽出して解釈を加えてみようというブログです。

【ライブアライブ】オルステッドの物語を追う[中世編]

2010-11-24 00:38:47 | ○○の物語を追う
「オルステッド」とは、SFCのRPG【ライブアライブ】の「中世編」の主人公である。
ライブアライブ中世編で彼を待ち受けるあまりの壮絶な展開から、「RPG三大不幸主人公」と言われ、
いまだに方々で語り継がれている。

今回は、そんなオルステッドの物語を追ってみようと思う。


  アリシア姫

ルクレチア王国武術会の日。
剣士・オルステッドは決勝戦の場にいた。

この武術大会の勝者に、ルクレチア王国の王女である「アリシア」に求婚する権利が与えられる。
憧れだったアリシアが目の前にいる。
オルステッドがこの決勝戦に勝てば、アリシアは自分のものとなるのだ。

決勝戦の相手は、親友の魔導士・ストレイボウであった。
決勝戦開始前、オルステッドとストレイボウは、お互いに遠慮は無しでやり合おうと語り合った。

そして、勝負の結果は・・・



オルステッドの勝利であった。
ストレイボウも、「お前の勝ちだ」とオルステッドを称賛した。

そして、勝者であるオルステッドにアリシア姫に求婚する権利が与えられたのだった。



アリシアの返事はオルステッドの求婚を受け入れるものだった!
これにより、オルステッドはルクレチア王国の次期国王候補にもなったのである。

その夜、ルクレチア城では盛大な宴が催された。

そして、城のテラスにてオルステッドとアリシアは愛を語り合う。
アリシアは、オルステッドにこう語る。

「これからは、誰よりもあなたのことを信じます」と。

しかし、幸せの中にいた二人のあいだを一匹の魔物が引き裂いた!



その魔物はアリシアを捕まえると、王国の東に存在する「魔王山」へと連れ去って行ったのだった。


  魔王の復活

かつて、東の山に魔王が存在した。
魔王はアリシアの母にあたる当時のルクレチアの姫をさらったのだったが、
西の山に住む勇者「ハッシュ」と僧侶「ウラヌス」の手によって打ち倒されていた。

その魔王が復活したのではないか!?

アリシア姫がいなくなった城内は騒然とした。
勇者ハッシュは、かつての魔王討伐の後、何故か人間嫌いとなり隠棲してしまっている。
僧侶ウラヌスの行方もわからず、頼るべき勇者の不在が人々を不安にさせた。

そんな中、オルステッドは自ら魔王討伐に名乗りをあげる。



王はオルステッドの名乗りに感動してオルステッドを称賛した。

「魔王を倒し、アリシアを救い、平和を取り戻してこそ新しき勇者!
 新しき勇者こそ、我がルクレチアの王にふさわしい!」



城下町の人々も、新しい勇者の誕生に心躍らせ、オルステッドに希望を託すのだった。



城の出口で、親友のストレイボウが待っていた。

「抜け駆けかオルステッド。俺も一緒に行こう。魔王とやらを俺たちで倒してやろう!」

かつて、勇者ハッシュが僧侶ウラヌスと魔王討伐の旅に出たように、
今度は勇者オルステッドが、魔導士ストレイボウと共に旅に出た!



道中の魔物も、親友と一緒ならば怖くはない。
二人は襲い来る魔物を倒しながら、魔王への道を進んでいった。


  ハッシュとウラヌス



かつて、勇者ハッシュが住んでいた西の山を訪れたオルステッドとストレイボウは、
山小屋に住む無口な男と出会う。
男は人と話をするのは嫌とでも言うように、二人に対して無言をつらぬくのみだった。



山頂には、墓がひとつだけぽつんとあり、

「ハッシュ ここに眠る・・・」

とあった。

勇者ハッシュはすでに死んでいる?
魔王との戦いの前に、勇者ハッシュに会って話を聞こうと思っていた二人は
大きく当てが外れた思いがした。



ところが、西の山のふもとの村で、二人は思いがけず僧侶ウラヌスと出会うこととなった。
ウラヌスは、ハッシュは魔王討伐後、人々が自分を勇者勇者ともてはやし、
自分たちではなにひとつ成そうとしないこと、そして勇者ともてはやされる自分に対しても
腹が立って、西の山に隠棲したのだろうと語った。

あの山小屋に住んでいた男こそ、人間に嫌気がさした勇者ハッシュなのだった。
ウラヌスは、魔王が復活したという話を聞くと、自分も一緒にいこうと名乗りをあげる。



そして、山小屋にひきこもるハッシュに対し、「いつまでそうやって心を閉ざすつもりじゃ」と
説教をするのであった。
それでも動こうとしないハッシュを、ウラヌスは「ただのスネた臆病者!」と一喝する。



ハッシュはこの言葉に心を動かされ、再び魔王と戦う決意をするのだった。
「カンちがいするな。くだらない人間たちのために行くのではない。臆病者ではないことを証明するためだ」
そう呟くハッシュの瞳には、山小屋で隠棲していたときには感じられなかった覇気が宿っているように見えた。



ハッシュは西の山の山頂に埋めた勇者の剣を掘り起こし、高らかにかかげて叫ぶ。

「魔王よ、今一度この手でカタをつけてやる!」


  魔王山の戦い



オルステッド、ストレイボウ、ハッシュ、ウラヌスの四人は魔王山へと乗り込む。
その最深部では、魔王との過酷な戦いが待っていた。
次々と繰り出される強烈な攻撃に耐え、やがて四人は魔王を打ち倒す!

・・・だが。


倒した魔王の亡骸をみて、ハッシュが「これは魔王ではない!」と叫ぶ。
魔王の力はこんなものではないという。

しかし、ハッシュはその言葉の直後、激しく吐血した。
ハッシュの身体は、病に冒されていたのだった。
今回の魔王討伐は、その病をおしての参戦だった。

「少しは勇者らしい最期をむかえられそうだ」

とハッシュは自嘲気味に笑った。
そして、オルステッドに勇者の剣を託す。
アリシア姫の姿は辺りに見当たらない。ハッシュは、アリシア姫はオルステッドを信じて待っている、
自分を信じる者がひとりでもいるかぎり、自分もその者を信じて戦え、と言い遺す。
そして、再び吐血して力尽きるのだった・・・。



勇者ハッシュを失った悲しみの間もなく、魔王の間をはげしい地震が襲った。
いそいでここを脱出する、とストレイボウに急かされるままに部屋を出た三人だったが・・・。



なんと、ストレイボウが部屋に取り残されたまま、落盤で扉がふさがってしまったのである。
勇者に続いて、親友までも!
そのうえ、アリシア姫の居場所もわからない・・・。
オルステッドは自分の無力さをかみしめながらも、ルクレチア城に戻るしかなかったのだった。


  絶望



オルステッドからの報告を聞いたルクレチア王は激しく落胆した。
勇者ハッシュとストレイボウは死に、アリシアの行方はわからない。
そして、本当の魔王がどこにいるかさえもわからないのだ。

王はオルステッドとウラヌスに寝室で休むように言いつける。
その夜はオルステッドにとって、忘れがたい一夜となるのである。



真夜中、悪夢にうなされたオルステッドが目を覚ますと、魔王山の落盤によって
命を落としたはずのストレイボウの姿が傍らにあった!
思わず飛び起きるオルステッドだったが、ストレイボウは無言で部屋を出ていく。
オルステッドは半信半疑のまま、ストレイボウを追った。



その先の玉座の間に、なんと魔王の姿があった!
オルステッドは驚き、剣を抜いて魔王と対峙した。



魔王を一閃。
思ったよりも手ごたえがなかったが・・・。



なんと、魔王の死体がみるみる変わって行き、ルクレチア国王の姿になったのである。
そこへ大臣と兵士が駆けつけ、オルステッドは国王殺しの容疑をかけられてしまう。



やがて、誰からともなく「勇者ハッシュやストレイボウを殺したのもオルステッドではないか?」
「オルステッドこそが、本当の魔王なのではないか」との声がささやかれ始める。



その話はあっと言う間に城下や近隣の町にも伝わり、あれほどオルステッドに対して
声援を送っていた人々は一変し、オルステッドを魔王だと罵倒した。



オルステッドは魔王として公開処刑されることになり、地下牢に投獄される。



そこには、オルステッドと同じく魔王の仲間として囚われ拷問されたウラヌスの姿もあった。
しかし、ウラヌスはここで人間を憎んでは負けだという。
お前にはまだ、お前を信じて待っているアリシア姫がいる。
姫のためにも、お前は自分のなすべきことをするのだ、しかるのちに無実を証明すればいい。
ウラヌスは、自身の最期の力をふりしぼって牢を開けた。
「ハッシュの死んだ、魔王山のあの場所へ今一度行くのだ」
という言葉を遺して・・・。


  あらたなる魔王



再びおとずれた魔王の間は、落盤でふさがってはいなかった。
そのうえ、魔王の彫像から隠し通路が発見されたのだった!
オルステッドは隠し通路の一本道を走った。
そして、魔王山の山頂へとたどり着いたのだった。

そこで待っていたのは、意外な人物であった。



ストレイボウ!
彼は死んではいなかった。
それどころか、あの落盤は彼が仕組んだものだったのだという。

あのとき。
ハッシュが死の淵に瀕しているとき、ストレイボウは魔王像の隠し通路に気付いたのだという。
その瞬間、ストレイボウはオルステッドを出し抜き、自分だけがアリシアを救おうと決意した。
あとは、あたかも魔王の間にしかけられた罠のように魔法をとなえ、落盤を起こした・・・。



王殺しの罪をオルステッドに着せたのも、ストレイボウの仕業だった。
ストレイボウは、昔からオルステッドのことが気に食わなかった。
自分がどんなに努力しても、オルステッドはすぐ上を行ってしまう。
あの武術大会の夜も!

「あの夜俺がどんなに苦しんだか・・・。てめえに!てめえなんかに!わかられてたまるかよ!!」
「いまこそ俺は、てめえの引き立て役だった過去に決別してやるッ!」



「あの世で俺にわび続けろ オルステッドーーーーッ!!」

親友だと思っていたストレイボウが、実は自分のことを煩わしく思っていた。
そのうえ、自分をだまして無実の罪まで背負わせたのだ。
オルステッドはショックをひきずったまま、元親友との最期の決戦に臨む。





激闘のすえ、勝負はまたしてもオルステッドの勝利で幕を閉じる。
ストレイボウは「く、くそぉ、また・・・かよ」と漏らし、死んだ。

そこへ、アリシアが姿をあらわす。
思わず駆けよろうとするオルステッドだったが、アリシアは「来ないで!」と叫んだ。



アリシアは、オルステッドを「なぜ来てくれなかったの?ストレイボウは来てくれたわ!」となじる。



「あなたには負ける者の悲しみなどわからないのよっ!」



「ストレイボウ、わたしがずっといっしょにいてあげる!」
アリシアは短剣で自分の喉を突いた。
そして、ストレイボウに寄り添うようにして死んでいったのだった・・・。

もはや、オルステッドにはなにも残されてはいない。

帰るところも
愛する人も
信じるものさえも

魔王など・・・どこにもいはしなかった

ならば・・・




オルステッドは、今より自らを

「魔王オディオ」

と名乗った。



ルクレチア王国に、あらたなる魔王の危機が迫るッ・・・!


 次回へ続く

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