風そよぐ部屋

ウォーキングと映画の無味感想ノート

映画/最高の花婿

2016年09月17日 | 映画


現題は、Qu'est-ce qu'on a fait au Bon Dieu ?:「私たちがいったい神様に何をしたというの?」
傑作です。不謹慎・差別だと怒る人もいると思いますが、コメディですので御寛容を。
冒頭で、イスラエル人の息子の子が割礼の儀式を受けます。切り取った包皮は庭に植えるのが通例とか、
穴を掘っていて、その包皮をうっかり地面に落としてしまいます。その時、飼い犬がパクリ…、こんな調子の映画です。
かなりの金持ちのフランス人夫婦には4人の美人姉妹がいます。
夫婦の願いは娘達がカトリック教徒のフランス人と結婚することでした。
ところが、彼女たちは、アラブ人、ユダヤ人、中国人の男性と結婚します。彼らはフランス人です。
夫婦の建前は博愛主義で非差別主義ですので容認しますが、本音は反対です。
四女の結婚相手がカトリック教徒とわかった夫婦は神父に結婚式の予約に行きます。
神父は、「四人姉妹で良かったですね。五人目はロマかもしれないですから…」。
末娘の相手と会う段になって、三人姉妹とその婿達は、
気分を害する質問は全部しないようにするの、イスラエル、ダライ・ラマ、ブルカ…とかは禁句。
もし誰かがユダヤ人についてお決まりの文句を言っても、受け流して。
もし誰かが移民と犯罪を一緒にしても、何も言わないで。
もし誰かが中国人を侮辱しても、微笑んで。
そうか、中国人みたいにしてればいいのか。ははははは…。調子のいいやつめ…・
 
そして四女の恋人はカトリック教徒ですがコートジボワール出身の黒人青年でした。
これは、一発KOパンチ級でした。彼ら、彼女らの「建前」もちょっとぐらつき始めます。
ユダヤ、イスラーム、黄色人種まではまだ許容範囲なのですが…、アフリカ系となると…。
私達、日本人の多くはフランス人というと、目が青く、金髪でクリスチャンの白人と強固に思っていますが、
実際のフランスは他民族、他宗教の国です。
コメディ映画ですから、「偏見」・「イメージ」等はかなりカリカチュア化、ステレオタイプ化されています。
いかにコメディと言ってもちょっと間違えば、「差別」と厳しく「非難」されかれない問題を持っているテーマです。
ですから、私はこの種の映画制作者の勇気とセンスに大いなる尊敬を感じています。
不謹慎と思っても、笑ってしまいます。この日は、私の回りの観客の笑い声が聞こえてとても良かったです。
しかし現実の世界では、宗教、人種、国籍、「出自」、「体的障害」、「性的少数」、「精神や知的問題」、「普通でない」など、
"禁句"されている言葉=概念は実にたくさんです。
思うに、私達が今住んでいる世の中には何と多くの「ボーダー」があるのでしょうか。
シリアスに取り扱うのは難し過ぎるので、コメディ化せざるを得ませんが…。
この映画でも、4人姉妹と男子1人で、彼が選んだパートナーが男性だったり、
5人姉妹の末娘が女性のパートナーを選んで女6人になったりも笑えると思うのですが……。  【9月12日】


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