中国で働く駐在員にも社会保険加入?!
2011-07-01 05:55:13
カテゴリー: Weblog
こんにちは。横浜山下町の社会保険労務士 上岡弓見子です。
このところ、労働保険料の確定申告や、社会保険の算定基礎届の手続きが
集中していたため、ブログをなかなか書くことができませんでしたが、
昨日気になる報道があったので、お伝えします。
中国政府は中国で働く外国人の社会保険加入を義務付ける
新制度の対象に、本国から派遣された駐在員も含める方針を示しました。
会社と社員の合計負担額は、年間1人当たり最大10万元(120万円強)となる予想で
企業にとって大幅なコストアップ要因となります。
北京にある会計事務所の試算によると、企業負担は年金、失業、医療など6保険・基金で
1人月最大5557元、従業員負担は同2800元の見通しとなります。
ただ住宅基金(労使計3000元)は適用対象外の可能性もあるそうです。
駐在員の収入により掛け率も異なるとのこと。
このような重大な変更を7月1日から実施するにもかかわらず、詳細は未公表のままだそうです。
保険料を企業からどのように徴収するかの方法や各種の保険を中国人と同様に使えるのかも分からず、
中国に進出した外国企業は困惑しているとのことです。
この社会保険法は昨年10月に成立しています。 当初は対象が明確ではなく、現地採用の外国
人社員だけとの見方も多くありました。 政府から意見募集のために通知が出されましたが、
その通知の中に駐在員も対象とする方針が明確になりました。
7月以降も詳細が未公表のままなら、中国に進出している企業はやむをえず
当面は現状どおりに対応する方針の企業が多いようです。
ただ、「過去にさかのぼって適用される場合も多い」(会計事務所)ため、
グループ全体で対象社員が数百人いる日本企業も多く、そうした企業では数億円の負担増
になります。
残念ながら日中間にはまだ社会保障協定がなく、徴収を義務付けられれば保険料は、
会社側も社員の側も日本と中国での二重払いをしなければならなくなりなす。
(各国との協定締結状況はこちら ⇒ http://www.sia.go.jp/seido/old-kyotei/kyotei02.htm)
日本に在住する外国人が日本で年金を支払った場合、「外国人脱退一時金制度(*1)」がありますが
逆に中国に在住している外国人が、本国に帰任する時にどの程度還付されるかも不明です。
年金を受給できる外国人永久居留証(中国版グリーンカード)の
申請条件緩和も検討段階なだけに、「外国企業の一方的負担にならないようにしてほしい」
という声が高まっているそうです。
(*1) 外国人脱退一時金制度
国民年金の保険料を納めた期間、または厚生年金保険に加入した期間が6か月以上ある外国籍の人は、
出国後2年以内に請求を行うことで加入期間等に応じて計算された一時金が支給される制度です。