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自己紹介的日記: ゲド戦記「さいはての島へ」

2008-05-08 02:53:58 | シンクロ
部屋を片づけていて、ゲドとアレンが旅の途中だったことを思い出した。


昨年、会社の旅行で行った南の島。
ここで、どうせ時間が沢山あるだろうと、持っていったのが「ゲド戦記」の3作目「さいはての島へ」。
2度目の旅立ちの途中で、随分長い道草をくってしまいました。


ゲド戦記は、名前は昔から知っていましたが、読んだのは数年前。
「戦記」というタイトルにしり込みしていました。
それと以前、ル=グウィンのSFを読んでちょっと参ったことがあったからでした。


でも、シリーズ1作目の「影との戦い」を読んで、ゲドの人間としての魅力に惹かれました。
読み進むにつれて私の中では、いつの間にか主人公ハイタカのことを「ゲド様」と呼ぶようになっていました。


「さいはての島へ」はゲド戦記シリーズ3作目。
当初の予定では、シリーズは3部作。
この3作目でシリーズが終わるはずだったといわれています。
ちなみに、ジブリの映画の「アレン王子」が出てくるのが、この「さいはての島へ」になります。
世界の均衡が崩れつつあるアースシーの世界。
ゲドはその原点を突き止めるべく、アレン王子とともに、さいはての島を目指します。
ちょうどこれから船に乗って旅立つ、というところで旅が止まってしまっています。
もうすぐ1年経ってしまうのですが、つい最近まで読んでいたかのように感じていました。


アーシュラ・K・ル=グウィンというと、フェミニズムの作家として知られています。
女性だけでなく、男性社会の中で「なんとなく」作られている社会的な階級にたいして疑問を投げ掛けます。
私の中では、そういう理不尽なものにたいして戦いを挑む作家、というイメージがあります。
実際、大賢人ゲドもアレン王子も黒人として描かれています。
女性が描いた、黒人を主人公にしたファンタジー。
「影との戦い」が発表されたのが1968年。
黒人の参政権が認められた直後、と言っても良いでしょう。
「さいはての島へ」が72年。
当時のヒッピームーブメント/カウンターカルチャーという自由な風潮を背景に生み出された作品なのかもしれません。


4作目の「帰還」が発表されたのが約20年後の1990年。
最終作「アースシーの風」の発表がさらに10年後の2001年。
通して読むと、かつて魔法使いだったゲドとゲドを取り巻く人々が描かれた大河小説であることがわかります。
もっとも、「アースシーの風」が出てから、まだ10年経っていないので、この物語、まだ終わっていないのかもしれません。


それともう一つ、2004年に発表された「西のはての年代記」シリーズ。
これも、読みたいとおもいつつ、未だに読めずにいるシリーズです。
1作目「ギフト」を発表したのは75歳の時。
ル=グウィンは、9.11以降のアメリカの風潮に対して、強い批判と憤りを投げ掛けていたといいます。
そのメッセージが、シリーズ2作目「ヴォイス」に反映されているそうです。
なんだか、戦うべきものがある限り、80歳を過ぎても90歳になっても、まだまだ元気に作品を発表してくれるものと信じています。



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ル=グウィン カウンターカルチャー ムーブメント
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2 コメント

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『戦記』は当時流行だったのでしょう。 (ヤヤー)
2008-05-08 21:55:08
でも小学校の図書館の書棚にあるその本を、手にはとっても絶対に開けずにいました。
いまさら「戦争の話?」と思っていましたから。

わたしも『ゲド』を読んだのはほんの6〜7年前なはずです。『アースシーの風』が出て、なぜこの本を書いたのかがたぶん朝日の文化欄に掲載されていたのがきっかけですね。
それに、宮崎駿監督が影響を受けた本の一冊に挙げられていたと思います(同じ理由で『第九軍団の鷲』も読んでる)。

『ヴォイス』は借り直して借り直して何度も挫折してそのままです。とてもこころ惹かれる導入部なのに、読める環境じゃなかったことが災いしました。
新刊本ばかり気にして、忘れてたなぁ…。

でも『ゲド』はやっぱり二巻の『こわれた腕環』がすきなんですねぇ。
re: ヤヤーさん (おいみず)
2008-05-09 01:31:59
テナーとハイタカの出会いの物語ですね。
ゲドって、どれも「死」の世界と向き合っているんですが、アチュアンの地下の迷路は、どの物語で描かれている「死」の世界よりも、より生々しい「死」の世界だったような気がします。
2作目と4作目はテナーの物語ですよね。

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