あるいて・みつける

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SMC Takumar 105mmF2.8

2013-05-30 21:33:32 | タクマー・レンズ
105mmの焦点距離。それこそ古いレンズや昔からずっと続いているレンズシリーズでは、おなじみの焦点距離です。しかし、最近まで持っていなかったレンズの一つでもあります。本当の事を言えば、85mmのポートレイト・レンズと同じように使えますので、あっても不思議ではないのですが、マクロレンズ以外はあまり食指が延びなかった事も大きかったような気がします。

本来であれば、べローズタクマーがその候補なのですが、何しろべローズユニットを付けてしまうと三脚取り付けが必須みたいな感じで、簡単にスナップと云う訳にもいきません。もちろん、えいやっと手持ちも出来そうですが、すぐにへたばってしまいそうです。

SMCタクマー105mmF2.8は、タクマーの時代から続いている長寿レンズなのですが、購入に際して考えると、果たして必要なの。等と考えてしまうレンズです。135mm程に圧縮効果も望めませんし、背景ボケも標準レンズよりも暗い訳ですから、あまり期待できない。等と考えていた訳です。

近年、雑誌などで取り上げられましたので、ようやくこの位のボケが得られるのなら、と腰を浮かせた訳なのです。やはり、百聞は一見に如かずと云う事もありますが、情報量の少ないレンズはあまり購入に際して気乗りがしないものです。

実写を行ってみると、とにかく後ボケが柔らかく写せるレンズであると感じました。ピント位置の解像感も良く出ています。SMCタクマーの方がはっきりと写せますので、これからの季節は良く持ち出すことになりそうです。逆に線の細さを強調したい秋のすすきの穂などは、スーパータクマーの出番となってくると思います。

コントラストが少しきつめに出ますので、軟調に撮影したい時には不向きかもしれませんが、その住み分けはSMCタクマー120mmF2.8と行うような気がします。105、120、135、150mmと15mm刻みでレンズが設定されているのですが、それぞれ立派な個性を主張しますので、135mmF3.5の後ボケの硬さを感じる時に使ってみるのが良いと思います。

画角の感じ方は85mmとよく似た感じで、あまり圧縮感を感じません。ここまでがポートレイト・レンズの雰囲気なのでしょう。背景があまり近付かないように写す事が出来ます。遠近感がそこそこ表現できますから、標準レンズみたいに写す事が出来ます。

APS-Cサイズのディジタル一眼レフ・カメラの場合は、160mm位の画角になりますが、背景ボケは85mmを使って同じ絞り位置にした場合、ボケ量は少し大きな位に留まります。絞り開放では近接撮影時に前後数mm位の被写界深度にしかなりませんから、被写体の恰好を良く見て絞り込んでいく事が必要なレンズです。

しかし、背景ボケの溶け具合が大きく感じられるレンズですので、135mmF2.5のレンズのような扱い易さが感じられます。結構ざわついた背景でざわつきをコントロールしたい時に本領を発揮するレンズです。

レンズ本体が短いために、携行性はかなり良い印象です。小さくまとまった明るい望遠レンズですから、フィルムでもディジタルでも活躍してくれる万能選手の様に使っています。ある意味バッグの中に忍ばせておくレンズともいえます。

それでは、先週日曜日に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 SMC Takumar 105mmF2.8
撮影データ:1/250sec F4 ISO100
今では結構はびこっているヘラオオバコの花です。背景をうまくぼかしたい時に105mmタクマーが活躍してくれます。
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