あるいて・みつける

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SMC Takumar 35mmF3.5

2013-08-14 21:00:05 | タクマー・レンズ
普遍的な広角レンズで、レンズを揃えていく時に標準の次に来るレンズは望遠レンズです。広角レンズはその後で、お金に余裕があってもう少し続けようかな、と云う時に購入していたような気がします。集合写真など狭い場所で沢山の人を写し込みたい時に、とても重宝する一本だった事を記憶しています。

しかし、重宝がられているのも集合写真の時だけで、風景撮影で使うとやたら広い青空を写し込むことになってしまい、また、草木や花を写し込むと被写体以外の部分がやたら広くなってしまうので、扱い難さが前面に出てきてあまり出番が無いと云うレンズとも表現できます。

タクマー35mmF3.5の歴代レンズは初代のオートタクマー35mmF3.5から、最終形のSMCタクマー35mmF3.5まで、レンズ構成や外観もほとんど同じな小さなレンズです。価格も低めであったために相当普及していたと思われる、ある意味コストパフォーマンスも加味された名レンズであったと思います。

レトロ・フォーカスタイプの単純なレンズ構成で、解放F値が3.5と暗い部類のレンズなのですが、レンズの構成枚数が少ない事と、無理をしていない鏡胴設計がもたらす安定した写りは、周囲の人もあまり使わないけれど持っている位に普及しました。後ろに引けないような環境で撮影をする時に、かなり重宝した事を覚えています。

しかし、広角レンズで普及したのは、その後に登場してくるSMCタクマー28mmF3.5であったように思います。最短撮影距離が40cmであったがために、35mm系レンズよりも近寄れない感じで、35mmと28mmのどちらを選ぶか悩むのですが、初めて単焦点系に興味を示された方は28mm、少し慣れてきて確実に被写体を写し込みたくなってきたら35mmと云う風に紹介していました。

35mmは、準標準レンズと呼べる位の視野角で、歪曲収差もあまり感じません。標準レンズより少し広めの範囲を写し込めますから、とても扱い易い感じです。では、近接撮影はどうしているのかと云う事になるのですが、接写リングを用いることで解決します。とっさに、なんちゃってマクロ撮影が出来ますから、とても便利です。APS-Cサイズのディジタル一眼レフを用いると、標準レンズとして立派に機能します。

写りも良くて、かさばらなくて、安価に購入できるレンズですから、コーティングによる写りの違いも楽しめます。柔らかなオートタクマー、線の細いスーパータクマー、力強い雰囲気に写せるSMCタクマーと云う風に使い分けが行えて便利です。3本合わせて他の中古レンズ1本分位の値段と云う手軽さも強い味方です。

今は夏のコントラストを愉しむために、SMCタクマーを使います。彩度が高く、力強く写す事が出来ます。それでは、先週木曜日に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 SMC Takumar 35mmF3.5
撮影データ:1/125sec F8 ISO200
さるすべりの花も、暑い今が盛りです。どんどん咲いて行きますので、色々なレンズの味を試す被写体として使います。SMCタクマー35mmF3.5は、確実に写せる一本として、安心感のある写りをしてくれます。
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