あるいて・みつける

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Super Takumar 105mmF2.8

2017-03-04 13:25:35 | タクマー・レンズ
元祖はタクマー105mmF2.8ですので、ペンタックスがM42カメラになってからずっと販売され続けていたレンズとも言えます。ずっと販売されていてもそれほど注目されなかったレンズで、周囲に持っておられる方もほとんどおらず、カタログには書いてあるのですがそれほど欲しいとは思わなかったレンズです。

近い焦点距離ではベローズタクマーがあって、ベローズタクマーとベローズユニットを使って、無限遠から近接マクロまでの幅広い撮影のほうに興味が向いていた感じです。しかし、ベローズユニットが大きくて重いために、なかなかユニットを付けて撮影する事は一般的ではなく、SMCタクマー後期になって100mmF4マクロが販売されましたが、100mmレンズは疎遠になっていたというのが本音かもしれません。

85mm中望遠レンズの代わりになる、手軽な中望遠レンズですが、余り近寄れませんし専らポートレイト撮影をアマチュアの方が行う時のレンズとして活用されたような感じです。大口径レンズだとお値段も結構張って替えない訳で、F2.8位のぼけ量でも十分に実用的ですから、このレンズを使ってポートレイトという風に活用されていたと思います。

時代が変わって、APS-Cサイズのディジタル一眼レフ・カメラが出てくると、55mm標準レンズが画角的に85mm大口径中望遠レンズになる訳で、今度は標準レンズのほうに興味が集まる事になりました。この中で105mmタクマーは大口径望遠レンズとしての画角を持った、面白いレンズとしての地位を確立する事になります。

今までは150mmクラスの望遠レンズはF4でしたから、2段ほど明るい優れものレンズとなった訳です。最初のディジタル一眼レフ・カメラに手振れ補正機能は付いていませんでしたので、F2.8の明るいレンズは貴重だったわけです。今でもサンニッパのレンズは垂涎の的なのですが、この様な明るい150mmレンズも注目を集めたわけです。

Kマウント化されてしばらくすると、105mmの焦点距離の影がだんだん薄らいで行き、100mmの焦点距離の単焦点レンズとしてリニューアルされ、現代に至っています。ニコンのレンズでも105mmの焦点距離は存在していて、105mmというと感慨深げに昔を思い出すのが古い世代という事になります。今ではズームレンズの可変範囲内に100mmがありますので、単焦点レンズはマクロだけといった感があります。

スーパータクマー105mmF2.8は、ふんわりとした後ボケと線の細い緻密な描写が時です。SMCタクマーになるとコントラストがはっきり付いた力強い描写になりますが、春の雰囲気を表現しようとするとスーパータクマーになります。このため、物憂げな柔らかい春の雰囲気表現にはスーパータクマーで、桜が咲く頃のピシッとした春の雰囲気はSMCタクマーの方が見応えがある絵になります。

モノコートのレンズですから、逆光には結構弱くて、薄いフレアがかかります。このために余り逆光環境を攻めないで撮影すると、すっきりとした画像になります。春霞の表現のために逆光で薄くフレア気味に撮影する事も面白い表現になります。昔は余り注目されなかったレンズですが、現代では逆に注目されるレンズかも知れません。

それでは先月末に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Super Takumar 105mmF2.8
撮影データ:1/200sec F5.6 ISO100
庭先のわびすけのつぼみが段々少なくなって、残り二輪となりました。暮れから咲き出したわびすけですが、花が終わるといよいよ春がやってきます。
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