あるいて・みつける

歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

Takumar 300mmF4

2017-09-10 06:50:15 | タクマー・レンズ
今まではカタログ上のレンズと思っていましたが、いざカメラ屋さんの中で発見してしまうと居てもたってもいられず、購入となったレンズです。ごく少数ながら生産されていたレンズで、今でいえばサンニッパ級のレンズですから、購入する方も少なくてまさに高嶺の花であったろうと感じています。

その後スーパータクマー、そしてSMCタクマーと生産されていくのですが、高級大口径望遠レンズにふさわしく、大きくて重くてすごく扱いにくいという貫録も持ち合わせています。初代タクマー300mmF4は至って真面目な作りで、それほどテレフォト構成の度合いをきつくしていませんので、全長はその後のレンズと比べて長く、バズーカ砲のように思えるレンズです。

レンズの曲率が余り急ではありませんから、全長が長い代わりに収差の影響も少ないといった感触を受けます。それでも200mmを超えるタクマーは収差の影響が大きくなりますから、コントラストの余り稼げない、ある意味甘い画像になることは仕方がない事と割り切って使う事が必要です。

テレ・コンバーターを使う事で、150mmタクマーも300mmレンズに早変わりしますが、その時の画質よりも幾分マシになっただけという感じで、しっかりと使い込むときにいはF16位までは絞り込むことが必要になります。その絞り込みが出来るとなると、廉価版のテレタクマー300mmF6.3がある訳で、可搬性にも優れますからタクマー300mmF4の存在価値が薄くなってしまいます。

柔らかな描写でボケ味も美しくと言う表現の時に、真価を発揮するレンズと考えています。解像感やコントラストも充分に高い結果を求めるならば、現代の分散レンズを用いたFAレンズが有りますので、特に初代タクマーに固執する必要もありません。やはり描写性を取るならば現代レンズな訳で、中古レンズを探しておくと良いのかもしれません。

大口径望遠レンズならば、抜群の描写としなやかさを持つレンズがタクマー200mmF3.5で充足されていますので、どうしても300mm画角が欲しい時には、始めにタクマー300mmF6.3を検討して、明るさが足りない時に初めてタクマー300mmF4を用いるようにすると良いと考えています。

鏡胴内の迷光も少ないために、逆光の影響も少ないレンズと考えています。しかし、ノー・フードと云うとあまりにもチャレンジャーと言う感じで、ファインダー画像の明瞭度もかなり違いますから、300mm画角用の深い大きなフードを自作して装着しています。背景ボケが少しうるさく感じられることもありますが、基本的には完全円形絞りの効果が出ていて、細かな描写は不向きなのですが雰囲気は良く再現されます。

重たくて、マウント部分が変形しないか、かなり心配になりましたが、久しぶりの休日の日に持ち出してみる事にしました。カメラ部分ではなくレンズを持って移動しながら、気に入った光景を選んで撮影していきます。遠くの景色をぐっと引き寄せることが出来ますので、帰ってからはエッジを効かせてディジタル現像を行うと、見違えるような画像になります。

今まであきらめていた遠くの被写体も無事に撮影できて、満足できる一日になりました。
それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Takumar 300mmF4
撮影データ:1/125sec F11 ISO200
やっと咲き始めた芙蓉の花。盛夏の頃から咲き始めるのですが、今年は少し遅い様です。まだ暑いですが、この花が咲き出すと秋の気配が漂ってきます。
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