傘寿の真保守宣言

素人の政治、スポーツ、社会評論です。
写真、ゴルフを楽しみながら地域社会に溶け込む一応元気な傘寿越えの爺さんです。

トランプ旋風で感じたこと

2016-12-10 10:27:08 | 日記
                     
 トランプ旋風で感じたこと  
                   

1)トランプの勝因と主張
 トランプが次期大統領となることになった。世界のマスコミや専門家の予想が外れた。トランプ支持を語ると軽蔑されると考えた「隠れトランプ支持者」が多く居たが殆どのマスコミはその読みを誤ったといわれている。ブレグジットと同じで最近の世論調査の精度向上についてわが国も考えねばなるまい。
 トランプの基本的な思想はアメリカは土地も資源も人もいる。世界一の軍事力もある。自分だけでやってける。そして「アメリカを第1に考えアメリカを偉大な国にする」という主張。グローバリズムを否定した極端な保護主義だ。しかし現在の世界は自分の国だけがよくなればよいという時代でない。各国がグローバルに協力して自由貿易でお互いのプラスを醸し出す時代。各国が自分の国だけの利益を求め出すと貿易摩擦から争いとなって戦争に繋がる。第2次大戦がその例だ。
 トランプは「自由貿易の発達で中国の鉄鋼や日本の自動車に米国人の職が奪われていた。従って自由貿易でなく外国品に関税を高くかけて米国人の職場を守る」と激しい言葉で強調した。確かに米国の景気はいいが、格差が大でエリートや幹部に冨が集中し白人労働者(中間層)は恵まれなかった。トランプはこの不満を上手くつかんだのだ。クリントンはもう一段下層の黒人や南米系の労働者の救済を叫んだが中産階級の不満を甘く見た。
 彼にはもう一つの主張がある。オバマは「世界の警察国家をやめる」といっていたがトランプはそれを更に強調した。他国の紛争のために米国の青年の血を流さないという考え。ベトナム・イラクなどの戦争で多くの戦死者を出した米国人には厭戦気分がありこのPRが効いた。ただテロに対してはオバマよりも強硬な行動をとりそうだ。そして、オバマは大統領就任時にチェンジを叫んだが8年間何も変わらなかったし、シリヤ・クリミヤなどでロシアにやり放題にやられ1杯くわされているから国民にはアメリカの権威が落ちているという不満もあったので国民はトランプのチェンジに期待した。
ヨーロッパでもドイツ・フランスは心配しているが、民主国家の結束が乱れることをロシアと中国は喜んでいる。今後世界の民主国家がトランプを時間をかけて説得しなければならないが時間はかかりそうだ。
参考までにトランプは少年時代からヤンチャ坊主で小学校で一度退学させられたし、中学では友人を窓から落としかけたこともある。志は大きく、大学に入った時からNYの不動産王となると公言していた。今は成功した大実業家だが4度破産したし、苦労に耐えて復活している。そいう厳しい経験もした成功者だ。
2)トランプの政策
 ①公約といえない公約
米国の大統領戦での公約は日本と違ってそうシビアではない。悪く言うと政治的詐欺行為が珍しくない。レーガンは「当選したら中国と断交し台湾を承認する」と公約したがやってない。今回、トランプが選挙で言ったことの80%はできないというのが有識者の常識。国民も大統領選挙の公約違反にはなれている。既に当選後幾つか彼の過激な発言がトーンダウンしている。「日本の核武装もOK]と言ったのにそんなこと言ってないと煙に巻いたし、「不法移民を追放する」も「世界の温暖化対策からの脱退」もやや修正。「クリントンを直ぐ投獄する」と言う公約は全く消えた。ただオバマ時代の建保の大幅改定や財務政策などはトランプと同じ意見の持ち主を閣僚に任命するようだし、イランの核開発の抑制、テロ対策についてはオバマよりも強硬のようだ。
まだ国内に反トランプ運動が残っており、21世紀の南北戦争とまでいわれるくらい国内の亀裂を生じさせたが、トランプの現実的な政策が出始めると徐々に沈静化するのではなかろうか。
②TPPについて
 TPP脱退だけは強硬な主張だから米国を入れた条約は当面不成立だろう。TPPで民主国家群が中国を外して貿易をベースに総合的に包囲網を作る目論見はトランプの当選で頓挫した。ただ基本的に前述したように自由貿易は国際的に必要でアジアには中国が先頭に立っているRCEPという貿易協定が進んでいるが今後アジアではこれが主になる可能性が大。残念ながら日本はこれからそこに入らざるをえまい。日本の議会で「米が駄目なのに何故TPPを急ぐのか」と野党は言う。ただ、何度も言うが、基本的には国際的に自由貿易は必要。効果は少なくてもアメリカを除いた11カ国でのスタートを摸索し米国を翻意させるためにも日本で早く正式に批准すべきだ。そしてトランプに「保護主義で孤立したら絶対マイナス」ということを分らせる必要がある。(かなりハードルは高い)。正にアメリカ追随を脱した行動を期待したい。そして日本は米国がいないなら他の自由貿易国家の先頭に立って米国の説得やRCEPでも中国と張り合って主導権を争う意欲がほしい。正に外交の戦争が始まるのだ。
RCEPは発展途上国の加入が多く、彼らに都合がいい内容になっている。例えば外国の特許侵害に対して甘くていい。ジェネリック医薬も早くスタートできる。研究開発に金をかける日本や欧米などにはむかない問題が多いので先進国の加入は少ないが、大きな自由貿易グループなのでTTPの影が薄れるなら日本も加入せざるを得まい。
③パリ協定について
 トランプは公約で温暖化対策のパリ協定からも撤退と言った。米国は中国に次いで世界第2のCO2排出国。この両国は国際的な温暖化活動に不熱心でしたが今年の始めだったかようやくオバマが責任を感じて中国と話し合ってCO2削減活動に加わったばかり。それをトランプが拒否した。しかしこの考えは世界から非難され選挙後トーンダウンしている。
④軍事面の政策について
 軍事同盟についてもドイツなどNATOや日本・韓国に自主防衛を訴え、駐留費の増加を主張した。日本は他国よりも突出して多く払っているから増額には反対するという。しかし他国の集団自衛権は普通の条件。日本はまだいろいろ条件付きで自衛隊を危険な地域には出せない。言い換えれば日本はまだ「お金で安全を買っている」という世界で特別変わった国ということを日本人は知るべきだ。国際的な付き合いの中で日本だけが何時までも「俺たちは危険な協力はゴメン」という態度をとれないと思う。軽蔑され国連の場での発言権も落ちることになる。要するにその状態では世界の指導国になれないということ。
今回南スーダンに駆けつけ警護する自衛隊が派遣された。野党は「自衛隊に戦死者が出る」と反対するが、そこで日本人や外国人が国連職員として仕事をしているのだ。武装集団に襲われて助けを求められた時に、今まではそこで土木事業をしている自衛隊は助けに出られなかった。日本人に頼まれてもですよ。若し他国の軍隊と共同作業をしていても「俺たちは助けにいけないからお前たちが日本人を助けてくれ」と言うのが今までの法律でした。それが今度の安保法制の改定で助けられるようになった。当たり前の状態になったということ。今までがおかしい。野党はアフリカで日本人が「助けて!」と泣き付いても「自衛隊は何もするな」というのだろうか。勿論ある国の政府軍が国連に反抗して大挙攻めてきたら数字的に太刀打ちできないので自衛隊員の命を守るために退去することとなっている。あくまでも所謂武装集団対策の警護と言うこと。
自衛隊員は先の東日本大震災の時、放射能を潜ってヘリで散水もした。命がけで国民を救う自覚で訓練を受けている。あまり自衛隊のリスクだけを取り上げることは隊員に対して失礼ではないかと思う。現地で誤射などにより加害者になった場合の自衛隊員の処罰について国際間の取り決めと日本の法律間の齟齬などまだ不透明な所はあるようだが、兎に角現地で民間人を警護できるようになった意義は大きい。これはトランプの問題ではありません。日本だけの問題だ。
 核の問題もある。トランプは「北朝鮮が核を持ったのだから日本も韓国も持っていいじゃないか」と言ったが米国からも日本からも反対され「そんなこと言わない」と煙に巻いている。
 そもそも核戦争は相手から同じ核報復されると分っていれば仕掛けられない。それを抑止力という。残念ながら北朝鮮が核を持ってしまったので既に米国は北を攻められない。北は抑止力を持ったということ。日本は自分で核を持たないので米国の核の傘を差してもらっている。万一日本が中国や北から核攻撃をされたら米国が日本の代わりに核の傘で報復してくれることとなっている(非核3原則で国内に配備できないので洋上のイージス艦かグアムから発射してもらうこととなろう)。しかし、その場合今度は米国本土が核で報復されるだろう。従って公式では「米国は同盟国の日本を核で守
る」と言うがいざとなったら日本を見捨てるというのがオバマ時代から日本の有識者の常識。ましてトランプになればなおさらだ。
 そう考えると日本を守るには日本独自の核武装が必用となる。日本は自分で作る技術はあるが数年かかるのでEU諸国がやっているように米国から買って配置するのが効率的。しかしまだ日本は残念ながらこの議論はタブーだが、日本が核の議論をするだけでも抑止力になると思う。核は攻めるためでなく国を守るための最強の武器だ。持つだけで外国から戦争を仕掛けられることはなくなるのだ。石原慎太郎や桜井よし子さんは核必要論だが、有名な軍事評論家元防衛大臣の森本敏さんもホンネは必要論だろうが、「トランプ後は日本の防衛体制を見直さなければならない」と警鐘をならす一方で核についてまだ議論は早いといっている。私は今の中国のアジアでの暴走振を考えると喫緊の問題と思うが日本の政治家もマスコミも国民も甘いと思う。
 余談になるが、日本が核を持ってもそれを武器にして外国に戦争を仕掛ける国になると政府も国民も思っていないと思う。しかしアメリカの幹部には「日本が核を持てばアメリカが又攻撃される恐れがある。絶対に核を持たせるな」と言う意見があるし、中国や韓国は同じことを言っている。
中国は海洋進出を露骨に進めている。アメリカがアジアからインド洋に広がる地域の安全保障に役割を果たすためには日本の基地が必用。日本に貯蔵している米軍の火薬・石油は莫大で自衛隊の何年分の量。アメリカに貯蔵してればいざと言う場合に間に合わない。空母のメンテもアメリカに戻っては効率が悪い。日本はアメリカのアジアにおける軍事活動に関して大きく役立っているがトランプは知らないのではないか。ただ、トランプが「もう世界の警察国家でないからアジアやインド洋がどうなろうとも知らないよ」と引き揚げるならどうにもならない。それはアジアの悲劇で中国が「いよいよ俺の時代なる」と一層荒っぽく活動するだろう。それは米国にもマイナスのはず。
 トランプは直近、台湾総裁と電話会談をし今後首脳級の会談に進む情報も流れたが、これは歴代大統領として異例の行動だったし流石に中国は不快感を示した。トランプは,又「中国の南シナ海の諸島での軍事基地建設活動に「イエス」と言ってない」とツイツ一ターでコメントしアジアからインド洋までの安全保障に関心を示したように思える。「世界の警察国家にはならない」と言いながら自国の軍備を増強しテロには強く対峙し、中国を牽制するなどの政策が垣間見える。日本にとって好ましい情報と思う。トランプ政権には今後も世界の民主国家のトップとして目を光らしてほしいと思う。
 オバマとEUはウクライナとかクリミヤというロシアが国際条約を無視して進めた行動に抗議し経済制裁中(日本も参加)だが、トランプはEUと違った意見を吐いている。又、シリアでも、ロシアがオバマが支援した反政府軍を攻撃することに理解を示している。米ロ関係はオバマ時代は冷戦後最大の危機といわれたが今は逆に米ロ接近中でこれまで民主国家が結束して国際条約違反国には経済制裁をしていたが足並みが乱れつつあることは事実。ロシアは国際条約違反もやり得になって高笑いだろう。
 南シナ海とか尖閣での中国の活動も同じく国際条約違反状況だから中国もやり得になればと期待しているだろうが、どうやらアジアでは中国の望む流れでなくトランプはオバマと違って中国には強くあたりそうだ。
 ただトランプはDNAが商売人だから安全保障よりも米国の金儲けに関する条件がいいと判断したらそちらに走る可能性もあるし中国はそう仕向けるだろう。先般フィリッピンの新大統領は南シナ海での中国の活動を認める商売優先の行動を示した。トランプも同調したら中国の思う壺となるってクリミヤと同様国際条約違反もやり得となってしまう。安倍さんの外交力でトランプのアジア政策を上手く導いてほしいものだ。
3)日ロ接近
 ロシアは欧米と関係が悪化し経済制裁を受けているので困っているので経済的に助けを求める意味と欧米を牽制する意味で日本に接近したと思う。安倍さんも領土問題と平和条約を交渉するのは「欧米と睨みあう弱みを持つ今だ」と考えたのだろう。ただ、オバマから一時「勝手にしろと」なじられたそうだ。しかし、トランプになれば日本はロシアとの話はしやすくなる。
 ロシアと接近にはもう一つ意味がある。中ロは基本的に疑いを持ち合う国。今、日本は中国と厳しい関係があるのでロシアと近くなることに中国を牽制する意味があるからだ。しかし若し、トランプがEUと離れてプーチンに接近するとなると、プーチンは日本と仲良くなる必要は無くなる。事実、トランプ当選後プーチンは安倍さんに対しやや冷たくなった。安倍さんは一時プーチンと会った後、「領土問題は大きく進展した」と言っていたが、最近、南米でプーチンに会った後では「なかなか困難」と言っている。ロシアは強かだ。領土返還は決して甘くない。経済協力を食い逃げされる恐れはある。ロシアはあの島を対米の原爆搭載潜水艦基地にしている軍事的に重油な島としているので手放さないのではなかろうか。
4)おわりに
 アジアの中国の行動に付いてEU諸国(ドイツ・フランスなど)は無関心を装う。EUはロシアには厳しいが中国に甘い。中国は遠いし中国に攻められる心配はないから中国との商売を優先的に考えている。
 日本は中国に厳しいがロシアには中国を牽制する意味で甘く対応している。ロシアのホンネは怖いが当面中国よりは話しやすい。
 要するにこれから中ロ  日ロ  米中  米ロ  日米 で微妙な外交戦が続く。安倍さんの外交力に期待したところだが日本も自主防衛について見直す必要があろう。EUの民主国家の防衛費はGDPの2%だが日本は1%。日本が今後アメリカの核の傘に頼らない独自の自主防衛体制を目指すなら核の議論も必要と思うし、直ぐに倍増は出来まいが防衛予算の増加について政府も国民も真剣に考えなければなるまい。 

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