とにかく書いておかないと

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「メタ認知」って何

2016-08-13 09:25:56 | 教育
 「メタ認知」という言葉を時々耳にします。「メタ認知」って何でしょうか。「メタ認知」というのは、「自分を客観的に見ること」と言い換えられます。勉強しているときや、練習しているときはそれがどう役に立つかは考えません。しかし勉強で得た知識や練習で得た技能が実際の場面で使用されるとき、自分の勉強や練習の意義がわかります。これを「メタ認知」と言います。「自己相対化」、「異化」なども同じような意味で使用されています。

 「メタ認知」はそれぞれの学習段階で成立するものです。小学生がやみくもに文字を覚えている段階から、文字には漢字とひらがなとカタカナがあると認知する段階に変化した場合も「メタ認知」を獲得したことになります。漢字にはある種のパターン(部首など)があることに気付いた時も同じです。高校生ぐらいになり、漢字には意味を表す部分と音を表す部分があるので、しらない漢字がでてきた場合もなんとなく読むことができるとわかることも「メタ認知」を獲得したことになります。

 「メタ認知」の獲得は知識の構造化につながります。つまり知識をただ羅列して覚えておくのではなく、整理して覚えたほうが効率的だということです。歴史の年表をやみくもに覚えるよりも、時代ごとに区分し、大きな歴史の流れをとらえてから、個々の時代を覚えていったほうが理解しやすいということです。

 このように「メタ認知」の獲得は教育にとって大切なことであり、生徒の「メタ認知」の獲得を目指して授業はデザインされなければなりません。

 しかし、ここで注意しなければいけないのは「メタ認知」の獲得を目指すあまり、指導者が「メタ認知」を教えてしまうことになってはいけないということです。指導者が教えた場合、それは単なる「知識」になってしまうからです。あくまでも「メタ認知」は学習者自らが発見していかなければならないのです。自らが獲得した「認知」でなければそれは「メタ認知」とはなりません。

 だから大切なのは、「振り返り」におけるチェックです。「振り返り」によって生徒の「メタ認知」の獲得度合いをチェックし、それをその後の授業に生かす必要があります。

 ただし「メタ認知」の獲得はそんなに簡単なものではありません。また、何を「メタ認知」と言っていいのか難しいケースが多く、授業者がそれを簡単にチェックできるものではありません。現実には知識として授業者が整理してしまわなければいけない場面もあるはずです。また、「メタ認知」の獲得が授業の中で成立するわけでもありません。高度な「メタ認知」の場合、簡単には獲得できません。長いスパンでの学習活動の末に獲得できるものもたくさんありますし、それが高校生ぐらいになると本当の勉強だと思います。だから授業がうまくいったかどうかを評価するのは困難です。

 授業者としては大きな流れを計画し、そして1時間1時間の授業を計画し、できるだけ意識的に「メタ認知」獲得するような授業をしていくこと、そして自分なりにそれを評価し、次につなげていくことが大切です。
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