とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

アメリカが日本に原爆を落としたのは正解だったか

2016-10-28 08:19:37 | 国語
 ある大学の入試小論文(推薦)で出題された問題である。小論文指導用として解答例を書く。

 アメリカが日本に原爆を落としたことは、わたしは正解だとは思わない。なぜなら、まず第一に戦争自体が否定されるべきものであるからである。そして第二に無差別大量殺戮は重大な犯罪であり、戦争状態だからといって許されるものではないからだ。

 そもそも戦争という異常事態は人間の犯している重大な罪である。人を殺しても犯罪者にならない。逆にたくさんの人を殺したほうがヒーローとなってしまうような状況はあってはならないのだ。根本的に戦争状態を認めること自体がおかしな話である。太平洋戦争では多くの日本人の若者が特攻隊として自分の命を失った。彼らは敵に体当たりすることにより、自分の命と引き換えに敵の命を奪おうとしたのである。もちろん太平洋戦争は日本が仕掛けた戦争であり、アメリカが悪いわけではない。だからと言って戦争を肯定してはいけない。戦争は人間を異常にする。まずは戦争を否定することを前提としなければならない。

 百歩譲って、戦争という状況の中では人を殺すのもやむを得ないということを認めたとしよう。しかしそのような戦争状態の中でも、無差別に罪のない一般の市民を殺害することは、国際法上禁止されていることである。それ以前の問題として人間として許されるはずがない。明らかにアメリカの広島と長崎に原爆を落とした行為は戦争犯罪であり、許されるものではない。

 確かに原爆を落とすことによって戦争を早く終わらせたというアメリカの主張も一理ある。しかしあの戦争ではもはや日本の負けは明らかであり、原爆を落とさなくとも外交的な努力で戦争を終わらせることはできたはずだ。

 私は今からアメリカに謝ってもらおうとは思わない。しかし、原爆投下による悲劇を絶対に忘れてはいけない。無差別大量殺戮という過ちを二度とおかさないようにしなければならない。



 あくまで解答例。
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