とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

柳家喬太郎『ハンバーグのできるまで』

2017-09-16 16:55:09 | 落語評
 NHKの「日本の話芸」という番組で柳家喬太郎さんの『ハンバーグができるまで』を放送していた。新作の人情話という感じの落語なのだが、決してハッピーエンドではない。別れた妻が、元の夫のところに戻ってきてハンバーグを作る。よりを戻せるのではないかと男が思った瞬間に元妻は再婚することになったことを告げ去っていく。最後に男は嫌いなつけわせのニンジンを口にする、という噺である。現代人のわびさびを感じさせる不思議な落語だ。

 この話を持たせているのは町内の商店街の人たちである。みんな野次馬的でありながら男を応援している。地域社会のめんどくささと良さを感じさせ、それが笑いをさそい男の心情を浮き立たせる。いい落語だと思った。

 NHKの番組では喬太郎さんが元妻のセリフを言い間違えていた。「ワインを飲みながら待ってて。」というべきところを「ワインを飲みながら飲んでて。」と言ってしまったのだ。言い直すこともしないで、元妻が間違ったことにして話を何とか進めていた。なんということはないのだが、日常でもありそうな言い間違いにしていた。経験をつめばこういうこともできるようになるのだと、感心してしまった。
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