団塊亭日常

バリ滞在6年を終え、日本での生活のあれこれ・旅・読書・映画・音楽・回顧・気になるニュース・育児・通信事業関連を

音楽と音楽家 シューマン 吉田秀和訳メモ

2017-06-10 17:18:57 | 映画・音楽・読書・宗教

2年前に娘や孫たちと連れ立って町田のブックオフでなんとなく買い、そのまま本棚にさらされていた「音楽と音楽家」シューマン著 吉田秀和訳を読んでみた。娘の英検受験中の待ち時間をつぶすつもりで持っていったのだがこれが素晴らしかった。音楽は聴けばよいのだというのは正しいが、こうしてシューマンに導いてもらうとさらに深いところまで入っていけそうな気がしてくる。気に入った文をメモしてみた。

特に10歳の孫娘はピアニストを目指して日夜励んでいる。下記の文章は非常に役に立つのではないかと思うのです。

やさしい曲を上手に、きれいに、ひくように努力すること。p196

時間は貴重なものだ。今あるだけのよい曲を一通り知ろうと思っただけでも、百人分くらい生きなくてはならない。p107

バッハの平均律クラビアータ曲を毎日のパンとするように。そうすれば、今にきっと立派な音楽家になる。p198

 

 

しかし、この時はまるで見覚えの無い眼、なんと言うか、花の眼、怪蛇の眼、孔雀の眼、乙女の眼が妖しく僕を見つめている気がした。p16

ショパンの変奏曲がまだ僕の頭の中を歩き回っている。・・・最初の演奏は、少し上品でコケットだともいうのかな。・・・あるのは月の光と妖しい美しさだけだ。p18

ちょうど美しく晴れた日のたそがれの日の光が、山々の一番高い頂まで高く高くよじ登った末、ついに最後の光線も消えてしまうと、一瞬真っ白なアルプスの巨峰が限界を圧するといったときの感じで、正に天国の威容に接したような気がするというわけ。 p19

ハ短調交響曲のフィナーレへの移行部をきいていると、全身の神経が今にも痙攣しそうなくらい緊張する。p19

本当に天才的な作品で、大衆の人気を得たものは寂々たるものだ。

バッハのように深い境地にいても、モーツアルトのように高い境地にいても、ベートーベンのように深さと高さを合わせたところにいても、どんな形で現れようと、めったに見損なわれることはない。p44

ベルリオーズが各パートの演奏家に熱望しているのは、今までよりもなお一層機械的な技能を磨くことではなく、共感と研究と愛とである。p69

最後にこのベニスの舟歌が、全巻をものやわらかく、静かに閉じる。さらば、この高貴な精神の贈り物を新たに享受したまえ。p79 メンデルスゾーン 6つの無言歌

シューベルトは、最も細かい感情や思想から、外部の事件や生活の境遇についても、音を持っていた。人間の念願が幾千という形をとるように、シューベルトの音楽も又それと同じくらい多様を極めている。彼の眼に映ずるもの、彼の手に触れるものことごとく音楽に変わる。p85

なぜ他人の自我に依存して初めて、自律的になるといった性格が強いのだろうか。たとえば並々ならず偉大なシェークスピアにしても、周知のように、その戯曲の材料はたいてい古い芝居か、小説のようなものから取ったのだしね。p88

多くの精神は、まず制限を感じた時に始めて自由に動き出す。p88

ショパンの作品は、花の陰にひそむ大砲である。p95

世にも高貴で、どんな詩人の歌いぶりよりも熱烈で、全体といい、細部といい、まことに独創的で、あらゆる音が一つとして音楽と生命でないものはない。p98 ショパン作品8

シューベルトの三重奏曲作品99をひとめみると、憐れな人間仲間の営みはたちまち霧のように消え、世界は再び新鮮な輝きを取り戻す。p98

たとえば僕などは、ベートーベン、バッハ、ヘンデルのフーガを何時間でも面白がって聞いていられる。p110

バッハを正当に評価するには、青年の持ち得ない数々の経験がいる。p118

シューベルトはベートーベンに比べれば少女の如く、はるかにおしゃべりで柔らかで冗長で、巨人の下に遊ぶ子供のようなものである。p120

いわば木をゆすると、熟した甘い実がたわいなく落ちてくるようなものである。 p132

そこに咲き匂う、鮮やかな風景を心おきなくいきいきと思い浮かべれば、今まで鳴らしたことの無い心の中の弦が歌いだすだろう。p148

ちょうど古い読み捨てた本の間から、突然過ぎし昔を偲ばせるような黄色くなった木の葉が出てきて、僕らに過去の姿をありありと浮かび上がらせて、現在を忘れさせるように p179

人間の心の深奥へ光を送ること これが芸術家の使命である。p186

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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