サヌールしか定点観測していない、だからバリの一般論として語るなどはおこがましい、でも飲食店の盛衰が目につく。
ある程度の客を掴み十分な儲けが出ているが、オーナーがある年齢に達して故国に帰る、あるいは病気などで続けられなくなる、これは予測可能な盛衰だがそれ以外の盛衰は予測可能なものなのだろうか。
繁栄している店は提供する料理が味、栄養から満足度の高い本物であり、コスパがよい、店の規模の大きさは関係なくバリの周りに溶け込んでいる、サービスにオーナーの目が常に行き届いている。
繁栄していない店はそれぞれ異なった理由がある、店は金のかかったデザインだが浮き上がっている、都市でのマーケティング戦略を全面に出すがコスパが悪い、その他無数の理由をあげることができる。
すべての幸福な家庭は互いに似ている、不幸な家庭はそれぞれの仕方で不幸である、 アンナ・カレーニナの冒頭文は不幸な家庭がどうして発生するのか予測不可能であることを言っている。店の盛衰の理由としても当を得ている。事前のマーケティング調査は、人通りの確認程度しかできず、後は予測不可能で、うまく行かなかった場合は要は事後説明でしかないと言い切るのは飛躍がすぎるだろうか。