まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

池井戸潤の金融小説

2014-06-29 23:42:04 | お仕事のオキテ
世間的には今さらなのかもしれませんが、
このところ遅ればせながら池井戸潤原作の金融小説を読んでいます。
ブックオフでたまたま見つけたから読んでみただけですが…。
まずはこの2冊。



このタイトルだけ見てわかる人はわかるんでしょうか?
そうです。
あの大ヒットドラマ 『半沢直樹』 の原作です。
残念ながら私あのドラマは見ていません。
あれだけ大騒ぎになって 「倍返し」 は流行語大賞にも選ばれていましたが、
私は完全に乗り遅れてしまって見損なってしまいました。
軽くA型的なところもある私、ドラマ見るなら第1回から全部録画して見たいタイプなんですが、
大部分を占めるB型気質のため、次クールの新番組をチェックして録画予約しておくことができず、
そのためけっきょく第1回を見逃し、そのまま全部見損なうというパターンが多いです。
ましてや朝の連ドラみたいに毎日あるなんていうやつはゼッタイにムリで、
したがって去年は 『あまちゃん』 も見逃してしまい、
てつカフェ2次会でのみんなの話題に付いていけないなんていう屈辱も数多く経験しました。
『あまちゃん』 の次に話題になっていた 『半沢直樹』 にも完全に取り残されたわけです。
途中1回だけザッピングしている最中に見てけっこう面白くてそのまま見たことはありましたが、
もはや話に付いていけないぐらい物語は進んでしまっていて、
今さらそこから録画予約する気にはなりませんでした。

そうやってすれ違ってしまってからだいぶ経ったのちに、
ドラマ 『半沢直樹』 の原作本があることを知りました。
古本屋ではないフツーの本屋さんで上掲の文庫本を見かけ、
その帯かPOPに 『半沢直樹』 の原作と書いてあったのを見たのだと思います。
ただ私、小説の類に関してはよっぽど好きでもないかぎり古本屋で買えばいいと思っていて、
(新刊書店には専門書で相当儲けさせてあげているはずですから…)
たまたまブックオフで見かけたら買えばいいやと思っていたのですが、
つい最近までずーっと買えずにいました。
これらの本がブックオフに流れていなかったからではありません。
『半沢直樹』 の原作本が何というタイトルだったかが思い出せなかったからです。

小説のタイトルは 『オレたちバブル入行組』 と 『オレたち花のバブル組』 ですよ。
これが 『半沢直樹』 の原作とはまったくわからないじゃないですか。
しかもどっちが1作目でどっちが2作目かもわかりませんよね?
こうやって2冊並べられないかぎり、そもそも2冊が別の本だということすらわかりません。
新刊書店なら2冊並べて陳列してくれるのかもしれませんが、
古本屋では2冊とも入荷しているとはかぎりません。
私の場合、たまたま1作目、2作目の順番で手に入れられたからよかったものの、
逆の順番で買って読んでしまうということだってありえました。
そして、1冊読み終わった時点でも、自分がどっちを持っていてすでに読み終わったのか、
タイトルだけではまったく思いだせず、中を開いてみないとわかりませんでした。

ていうくらいこの小説のタイトルはダメだと思うのです。
あのドラマも 『オレたちバブル入行組』 というタイトルだったら、
あれほどの視聴率は取れなかったことでしょう。
ホント、センスないよなあ。
それに比べて 『半沢直樹』 っていうドラマのタイトルはいいと思います。
小説のほうもドラマに合わせてタイトル変えちゃえばいいのに。
たまにそういうことってありますよね (『笑う警官』 とか)。
『半沢直樹 1』、『半沢直樹 2』、『半沢直樹 3』 とかってしてくれたら、
小説ももっと売れるんじゃないかと思うんですが…。
せめて、第2作の 『オレたち花のバブル組』 はやめて、
『ロスジェネの逆襲』 のように第1作とはかけ離れたタイトルにして、
副題で 『オレたちバブル入行組 2』 と小さく入れるみたいにしてほしかったと思います。

これだけタイトルに文句言うのは、小説自体はとても面白いからです。
せっかく小説は面白いのに、タイトルはその中身から外れちゃってるんだよなあ。
たしかにバブル入行組の話ではあり、
第2作のほうでは同期入行組が結束して事に当たる感じも醸し出していますが、
少なくとも第1作のほうは 「オレたち」 という仲間の連帯の話でもなければ、
「バブル入行組」 にのみ固有な問題を描いているわけでもないのです。
ホント 『半沢直樹』 で十分なわけです。
なんであんなタイトルにしちゃったかなあ?

そして、最近読んだのがこれです。



これもおわかりでしょうか?
ドラマ 『花咲舞が黙ってない』 の原作本になります。
今クールでは一番視聴率を稼いでいたようですね。
これは最初から録画して全部見ることかできました。
ドラマとしても小説としても 『半沢直樹』(『バブル組』) シリーズほどではないと思いますが、
そこそこ面白かったのではないでしょうか。
にしても、この原作のほうのタイトルのダメさ加減はあいかわらずです。
なんでこれが 『不祥事』 なんだろうなあ?
小説家も出版社の編集もセンスないったらありゃしません。
それに比べてTBSのセンスはさすがです。
『花咲舞が黙ってない』、うん、いいじゃないですか。
このドラマ (と小説) の本質を射抜いています。
小説の段階でこれくらいのセンスを発揮していただきたいものだと思います。
ほかにも 『下町ロケット』 などを読みましたが、
これはもうこれ以外のタイトルが思いつかないいいタイトルだったと思います。
タイトルの付け方が下手っぴいだなあと思うところが多々ありますが、
池井戸潤氏の金融小説、けっこう勧善懲悪的で倫理的な人にはお勧めだと思います。
このどす黒い世の中でたまにはスカッとしたいと思っている人、ぜひ読んでみてください。


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2 コメント

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こちらではお久 (おとうとさま)
2014-07-02 12:58:52
記事で触れてないので、知らないのかもしれませんが、日テレ花咲舞と同じクールでやっていたTBSルースベルトゲームの原作も、池井戸潤でしたよ。W杯と朝ドラを除くと、ルーズベルトゲームと花咲舞が、視聴率一位二位でした。

ちなみにルーズベルトのほうは、主役こそ唐沢と江口の白い巨塔コンビですが、脇役に、半沢の浅野支店長と古里課長代理など、半沢色が随所に感じられる布陣になっていました。
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身近な勧善懲悪 (まさおさま)
2014-07-03 16:33:23
おとうとさまさん、コメントありがとうございました。
『ルーズベルトゲーム』 のことは原作もドラマも知りませんでした。
池井戸潤作品、人気のようですね。
職場を舞台とした勧善懲悪というのがわかりやすくて受けているような気がします。
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