おやままさおの部屋

阿蘇の大自然の中でゆっくりのんびりセカンドライフ

個人主義と共同体主義・・・マイケル・サンデルのこと

2011年04月17日 07時02分48秒 | 日記
肌寒い朝だ。

昨日は妻の親戚の若い夫婦(といってももう40になるというのだが・・・)が訪ねてくれた。
雷でやられたPCのことを知って、パソコンい詳しい姪っ子の旦那さんが薄型のデスクトップPCを持って来てくれた。

モニターも液晶でデカイしきれい。前のがブラウン管だったので図体がデカイし重かったのに比べると薄いし軽いし格好がいい。設定も全部やってくれた。
ありがたいなあ。感謝。

妻がネットにつなぐとすぐメールを確認。

すると声を上げた。

Sさんから3月15日に震災の影響を心配したメールが届いているという。

Sさんはこの熊本の国立大学文学部に中国から留学してきた。とてもまじめだし、働き者で学費を寿司屋のアルバイトで稼いでいた。
その寿司屋で私たちと知り合った。
中国から訪れたご両親にもその寿司屋でお会いした。やさしいご両親だった。

今たしか北京にいると思うのだが、今回の震災のことでいろんな心配をしてくれていた。

人情=シンパシーって人種、民族、国境を越えるのだ。

お昼にはバーベキューをご馳走した。若い夫婦、よく食べる。惚れ惚れする食べっぷりで気持ちがいい。

彼は消防局に勤めている。人柄が穏やかで、まじめで親切と奉仕、自己犠牲が自然に嫌味がなく表現される。利他の精神が血肉になっているみたいだ。
設定が終わると、壊れたPCに目をやって、「あのパソコン任せてもらっていいでしょうか?、持ち帰って処分しときます」と申し出、さらに個人情報の詰まったハードデスクを分解して取り出して渡してくれた。
親切も念が入っている

消防は時として、職務上命の危険にさらされる。あの東京消防庁ハイパーレスキュー隊を考えるとよくわかる。
選ばれし人なのだろう。
彼は上級職で入っているので将来は幹部職員となって隊員を束ねていくことになるのだろう。熊本の「もし」があっても安心だ。



夜はNHKの「マイケル・サンデルの特別講義」を見た。
世界が今日本をどう見ているのだろう?興味がわく。サンデルはどう考えるのだろう・・・

世界一流の大学の学生とゲストの高橋ジョージ、名前を忘れたがよく出る女優、通販のたかた社長と作家石田衣良。
やはり中心テーマは震災と自己犠牲。

「あなたは福島の原発の救援に身を挺して出かけることができるか?」

日本中で茶の間でも話題になっている事柄だろう。

私たち夫婦間でもその話をしたことがある。

女優はたしかシングルで子供がいる。「私は子供のことを一番に考えるから命の危険がある場所には行けない」と言った。

自由主義社会の中の大部分の主張なのだろう。所謂「個人主義」。

では今回の震災での東北の被災者の自分の事よりも亡くなった人々への思いを口にし、他地方からの援助に深い感謝を述べる人々の姿を対置して、「共同体=故郷、国・・・のために身を尽くす行為をどう考えるか?」という問題を投じた。

個人主義と共同体主義。

かれの講義には結論は出ない。問題を整理し、考える材料を明確にして提示するだけだ。
少し不満も残るのだが、自分の考えを一方的に押し付ける講義よりもいい。

すぐに結論がでるようなテーマではない。一人ひとりがじっくりと考えていくべきだ。日本の原発事故とエネルギーの問題、重い課題それはブレークスルーの道が見えない隘路に思えるが、しかし逃げ場はないんだ。

原発廃止で節電で経済の停滞というリスクを背負って生きるか、新たにリスクの少ない(安全神話は完全崩壊した!)原発を模索していくのかー

今私は、文化文明の再スタート時期だと思うし、スピードをこの時期緩めみんなで方策を考えじっくり選択していくべき時だと思う。
「すぐにもとの日常に復し経済活動を活発化させよう」という政府の掛け声に反感を覚える。







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