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Liveや舞台の個人的レポート
SOPHIA・THE BOOM
宝塚・歌舞伎・能

第十二回春日部薪能

2005年10月30日 | お能
第十二回春日部薪能
春日部八幡神社

火入式

番組
【素謡】 翁
【舞囃子】春日公孫樹
【狂言】 墨塗
【能】  鞍馬天狗

会社の同僚3人と、こよなく地元春日部を愛する「自称ナイスミドル」(-_-)私達の父と同じくらいの歳のミドルとの4人でのお能になりました。

薪能・・・かがり火を焚いての野外観能になるためお天気が重要です。
随分前からチェックしてはいましたが、この日の予報はずっと雨。
今回は雨の場合近くの公民館で開催する予定になっていましたが、番組の途中で降リ出した場合は、公演は途中中止となり延期も払い戻しもされません。

お能で使用する面(おもて)は、水性塗料のため水厳禁!
演目の途中で降り出した場合、後見(舞台の後方に常にひかえていて、シテ(主役)の装束を整えたり、何かあった場合は代役を務めたりする)が、傘を差し掛けてでも面を守るとのこと。
そう、小雨や霧雨で謡や狂言は出来たとしてもお能を見れずに中止となる可能性もあるのです。

当日・・・いつ降り出してもおかしくいない雲行き、予報は夕方80%雨・・・
16時半開場なのですが、公民館か神社のどちらでの開催か決定するのが15時。
席取りの並びがあるので、どちらにも行ける場所で待機していました。
結局神社での薪能を貫く方向になりましたので、神社に向かうと結構な人。
真ん中くらいの列になってしまうかな?という場所に並びました。

開場すると、舞台正面から地面にブルーシートが敷かれ10~15列(真ん中位まで)は座布団が並べられていました。それより後ろは折りたたみ椅子が並んでいたのですが、私達より前の人達は皆椅子の席を取りに行きました。
そう、なぜか座布団席がすべて空いていたので最前左よりのベストポジションをゲットできました(お尻は痛いけどガマン・・・)
しかし・・・開演10分前くらいになって雨がポツポツ・・・
おいおい・・・と思う中、主催者達は降っていることは認めない!位の勢いで平然と準備を続けていました。

5分くらいポツポツしていましたが時期に上がり安心ムードが漂う中、開演に先だっての主催者や関係者の祝辞が始まりました。
そこで再びポツリポツリ・・・
しかも先ほどとは粒の大きさが違う!ポツリ・・ポツポツポツ・・・・・・(!!)
結構普通に降ってきた中、主催者の挨拶の締めくくりは「だいぶ雨が降って参りましたが、大丈夫です!上がりますから」(笑)
主催者も胃が痛かったと思いますが、何も出来ずに中止ではチケット代払い戻しは免れない(大赤字)などあったでしょう、意地でも狂言までは強行!という姿勢でした。
強まったり弱まったりのポツポツの中、神主さんのお払いや火入れの儀式が執り行なわれ、強行上演がスタート(笑)

主催者達(礼服の上に「○○青年部」と書かれたハッピのようなものを羽織ったお父さん達)が、私達の目の前の階段(キザハシ)から舞台に上がり、必死で雨を拭き取ります。
吹き終わって戻る時に、脱ぎ散らかされた靴の前で声をひそめながら「これは俺の靴じゃない」「そっちが俺のだ」「俺の靴が片方しかない」など・・・薪も焚かれて良い雰囲気なのに台無し・・・

結局、演目ごとに舞台を拭いたりしながらでしたが雨も上がり、無事お能まで見ることが出来ました。
今回一番良かったのは狂言かな・・・分かりやすい演目でしたし、万作さん(野村萬斎さんの父上)ステキでした。
謡・舞囃子・能とシテをつとめた金春流 櫻間 右陣氏は・・・まだお若い(といっても40代)し、なかなかの優男なのですが、初心者の私でも初めてお能を見た同僚でも解るほど・・・・・でした。
山伏(天狗)を演じながら舞台でうつらうつらしているし、大天狗(天狗の面を付け、振り乱した長い髪も荒々しい素敵な装束)が、若き義経(牛若丸)に兵法を伝授するという場面でも長刀持って歩いてる?みたいな様子。
一緒に行ったお能好きのお姉さまは「石投げようかと思った」との暴言!(笑)
子方(牛若丸役・小学3~4年生位?)の方がよっぽど凛々しかったわ・・・という感じでした。

そして、見る側のマナーも悪かった。
演能中しゃべるし、どこか行ったり戻ってきたり・・・(正面2~3列目で!)
でもこの緊張感のなさは演者の力量のせいでもあるという話、確かに素晴らしいお能を見ているときの呼吸すら止まるほどの緊迫感。
あの張りつめた空気は全くなかった。

ばたばたした観能になりましたが、それはそれで勉強になりましたし楽しかったです。
ミドルは娘3人に囲まれて嬉しげで、並び中のお茶から帰りのご飯、そして帰りには用意しておいてくれた春日部土産、オークウッドのパイまで持たせてくれました。
ミドルありがとう~いつもいじめて御免ね~

※ 公演の感想はあくまで私個人の意見です。



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